「この本を書くのはきつかった」伊集院静が愛した“バカ犬”とのペットロスを語る

「この本を書くのはきつかった」伊集院静が愛した“バカ犬”とのペットロスを語る

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2021年1月、1匹の犬が天国へと旅立った。作家の伊集院静さんが可愛がってきた愛犬・ノボ。「東北一のバカ犬」と呼んで可愛がってきたノボの思い出を、伊集院さんが2月6日の大竹まことゴールデンラジオで語った。

阿佐ヶ谷姉妹 江里子「この度「君のいた時間 大人の流儀Special」というご本をお出しになりました。作家の伊集院静さんです。」

大竹「ノボというバカ犬が出てきますね。」

伊集院「東北一のバカ犬。今にして思えば失礼なことを彼に言ったなと思います。」

大竹「阿佐ヶ谷姉妹も本を読んで、バカという言葉がずいぶん引っかかったんだって。」

江里子「普通「バカ」っていうとね、ちょっと悪い言葉にあの受け取りかねませんけど、ノボちゃんに対しての「バカ」という言葉は、愛情深い呼び名だったんだなというのが、ひしひしと伝わってきました。」

大竹「伊集院さんは、ご実家で5匹。その後ノボを含めて2匹。計7匹とこれまで別れてきたとお書きになってます。ノボとはどんな出会いだったんですか?」

伊集院「私は上京してから放浪生活が長かったんで、犬を飼うことはもうできないだろうと。やはり持ち家がないとね。犬は土地がある家に住んでないとマンションとかでは無理なんじゃないかなと思って。それで仙台へ今の家内と住むようになって、そしたらなんか2ヶ月ぐらいずっと売れない犬がいると聞いて、それにしなさいって。ある日突然この犬は、私に対して非常に、偏愛と言うかものすごく懐いてきたのね。それは悪い気はしないからね。 で、これやっぱり私は急に好きになるってことは、やっぱバカなんじゃないかと。」

スタジオ(笑)

伊集院「でもね、正直言って、この本を書くのはきつかったね。きついことは半分分かってたんだけど、やっぱこれは大変。僕は割と別離と言うか別れが多かったんでね。弟だとか、前の妻とか、親友とか。それでもこれだけきついんだから、ペットロスをした人が悲しんでいたりすることを「甘い」とか思わないで、大変なことなんだっていう取り方をしてあげた方がいいでしょう。別に読者を開拓しようとしてるわけじゃないよ。」

大竹「冒頭の文章は10回以上、うまく書けずに書き直したそうですね。」

伊集院「僕は文章で詰まるという経験が、あまりなかったんでね、ああ、これは大変だと。愛犬や愛猫を亡くした人たちは本当に大変だなと思いました。また後からの方がこたえるね、5年とか10年経った方が。」

大竹「本には、奥様のこんな言葉が載っております。あなた、この犬は含羞(※編集注:がんしゅう、恥ずかしいと思う気持ちのこと)の犬だ、と言われたそうですね。」

伊集院「そうですね。僕は彼の恥ずかしがるところがすごく好きでね。」

大竹「犬がいるところに、お手伝いをしてる「ともちゃん」がやってくるんですけど、そのときに嬉しくてしょうがないのに恥ずかしがる。「含羞の犬だ」と。」

伊集院「そうなんだよ。もう、お手伝いさんが来るのを朝早くから玄関で待ってるのに、「ノボーっ!」ってきたら、恥ずかしくてスーって行っちゃうんだよ。」

阿佐ヶ谷姉妹 美穂「かわいいわね、それって。」

大竹「俺はこれ聞いた時にね、犬は嬉しいんだけど恥ずかしがるんだと思って、いやいやいや驚きましたね。」

伊集院「私もちょっと感動したね。」

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