小説家を目指す人たちに伝えたい! 出版業界の裏側のこと

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4月26日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに作家の平山瑞穂さんが登場した。平山さんは今年1月に発売した『エンタメ小説家の失敗学~「売れなければ終わり」の修羅の道~』が現在話題だ。もともとは純文学系の賞に応募していたが、なかなか受賞できていなかったという。

大竹まこと「作家デビューして19年。何がデビューさせてくれたんですか?」

平山瑞穂「純文学系のところにいくら応募しても、だんだん予選も通らなくなってしまって。もしかして応募する先を間違えているんじゃないかと思って、ほかのエンタメ系の賞、ミステリとかも含めて応募していったら2004年になって日本ファンタジーノベル大賞を受賞しまして。それでやっと作家デビューができたんですね」

大竹「その小説のタイトルは?」

平山「『ラス・マンチャス通信』といいます。エンタメの部類に属するものですね」

大竹「エンタメというのは、こうこういろんなことがあってオチ、みたいな形が必要とされますね。純文学と違って。そういうのを念頭に置いて、いろんなものをお書きになった」

平山「そうですね。『ラス・マンチャス通信』も本来は純文学のつもりで書いたものだったんです。オチらしいオチがついていなかった。それでいいやと思っていたし、受賞もできたんですけど、本にする前、担当編集者から『もっと明瞭なオチをつけてほしい』『そうじゃないと読者は納得しないよ』と言われて」

大竹「はい」

平山「そこから丸々、結末を書き換えたという経緯があります。そこで初めてエンタメの洗礼を受けたという感じでした。最初にそこでデビューしたので、その後もエンタメ畑でやっていかざるをえないという形になってしまったんですね」

大竹「移動できない?」

平山「いまになれば『移動できたんじゃないか』と思うんですよ。向いていないから純文学に移らせてほしい、と。ただそのときは『やっとデビューできたんだからこの道を歩むしかないんだ』と思っていました。不慣れなエンタメの文法みたいなものを学んでいって、自分の作品に取り込んでいった」

平山さんは19年間の作家生活で、12万部のヒットや、作品の映画化も経験した。しかし多くの本が初版で止まってしまった、とも振り返る。

大竹「いろいろ考えた末に今回、本のタイトルが『エンタメ小説家の失敗学』と。今回は方向を変えて、『エンタメ小説家を志してがんばっている皆さん、こんなことすると失敗しますよ』と。小説業界を俯瞰で見て『こうなっているから気をつけてください』とおっしゃりたい?」

平山「そうです。僕自身が作家デビューまで13年かかりはしたものの、デビューさえすればこっちのものだと思っていたんですね。自分には才能があると信じていたし、いくらでも書けると思っていたので。でも実際には全然、そうでない側面から苦しめられて。最終的にはほぼ本を出せないという状況になった」

大竹「うん……」

平山「そのことをいま、小説家になりたいという人がどれぐらい知っているんだろうか、と。心得として知っておいたほうがいいんじゃないか、と思ったんですね。諦めろ、と言っているわけじゃないんです。知っていたほうが、ある程度、心の準備にはなるんじゃないかって」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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