日銀の経済政策は間違いだった?インフレ率が高くなっても生活が苦しいままなのはなぜか経済の専門家に聞きまくる

日銀の経済政策は間違いだった?インフレ率が高くなっても生活が苦しいままなのはなぜか経済の専門家に聞きまくる

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日本銀行による異次元の金融緩和政策はなぜ失敗したのか?新刊「日銀の責任 低金利日本からの脱却」を著した経済学者の野口悠紀雄さんを、6月2日の大竹まことゴールデンラジオにお招きし、大竹と議論を交わした。

大竹「まず日銀の政策と、今の日本の現状についてお話しいただけますか?」

野口「日本経済は、衰退ぶりがいろいろなところで目についています。例えば、2000年に沖縄でサミットをやったとき、日本はG7の中で、一人当たりGDPで測る「豊かさ」がトップだったんです。今年広島でやりましたが日本はなんと最下位だったんですね。この20数年の間にトップから最下位に落ちてしまったという変化が起きてるんです。」

大竹「日銀は2%のインフレ目標を掲げていますが、これはいいんですか?」

野口「私は最初から、意味がない目標だと思っています。賃金を引き上げるなら分かるんですが、物価を引き上げたところで日本が豊かになるわけではない。それから国債を買い上げることで物価が上がる保証はないんですね。実際に日銀は大量の国債を買い上げましたけれど、2021年まで2%目標は実現できなかったんです。ところが2022年に海外からインフレが、いわば輸入され、その結果、日本のインフレ率は非常に高まりました。3%、4%になったんですが、賃金は上がらず、実賃賃金は下がったんです。物価目標、インフレ目標はもともと、日銀の政策ではできないことであり、仮に実現できても、それは日本経済を豊かにするのではなく、かえって働く者を貧しくするということがはっきり分かったと思います。」

大竹「そもそも2%のインフレ目標を達成すれば豊かになるって言ってたんですけど、経済政策、金融政策自体が間違っていた?」

野口「その通りです。」

大竹「日本経済は低迷して給与が上がらないまま30年近くも経ってますけども、どうすればよかったんですか?」

野口「これは、企業の付加価値、稼ぐ力を引き上げるしか方法はないんです。賃金というのは企業の付加価値から支払われるので、企業の付加価値が増えないと、賃金は増えません。企業の付加価値を増やすことは金融政策でできることではありません。だから、金融政策だけで日本経済の問題を解決できるというのは、そもそも間違いなんです。」

大竹「金融政策だけで豊かになるっていうのは勘違いなんですか?」

野口「(笑)私は、本当の目標は物価とかそういうことではなく、別にあったのではないかという風に考えてます。円安にして金利を下げる、これが目的だったと思うんですね。なぜかと言うと、円安にすれば企業の利益は増えるんです。それから、金利を下げればこれもやはり企業を助けることになります。だから物価を上げる事が目的ではなく、国債を大量に買って金利を下げる。金利を下げると円安になる。そして企業の利益が増える。これが本当の目的ではないのかと。」

大竹「ということは、市民の生活とかはあんまり問題じゃない?」

野口「問題と言うか、最初から考えていないということです。」

この後、日本の賃金はなぜ増えないのかを更に追求!気になる方はradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。

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