「世界の債券価値が急減」と日経報道 田中秀臣氏「その心は“日銀は金融緩和やめろ”という話」

「世界の債券価値が急減」と日経報道 田中秀臣氏「その心は“日銀は金融緩和やめろ”という話」

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「世界の債券価値が急減している」と7月19日付の日経新聞が報じている。7月19日の「おはよう寺ちゃん」ではこのニュースについて、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏が寺島尚正アナウンサーへ自身の見解を示した。

「アメリカの代表的金融機関への影響はない」

2022年1~6月の世界の債券価値の減少額は17兆ドル(およそ2300兆円)で、6ヶ月の期間では遡れる1990年以降で最大となった。各国の金融引き締めで債券利回りが急上昇し、これと反対に動く価格が急落。一定の時価総額のある債券を組み込んだ米ブルームバーグ世界債券総合指数も12%下落し、リーマンショック時の6%を上回るなど規模の大きさがうかがえる。

新興国では国債の買い手を自国の銀行に依存しており、国債価格が下落すると自己資本が減少するリスクが生じる。しかし田中氏は、債権価値の下落は必ずしも世界中の金融機関に影響を与えるわけではないと説明した。

「あまりにも急減すると金融機関に経営リスクが生じる可能性はありますが、例えば最近アメリカの代表的な金融機関は、年次ストレステストという経営が健全かどうかを調べる厳しい試験を全部楽勝で通過しています。それだけ自己資本が潤沢にあるということで、経営的には何の問題もないという結果が出ているわけです」(田中氏)

続けて田中氏は、日経新聞がこのニュースを取り上げている目的について、日本の銀行の事情に配慮している可能性があると指摘した。

「我が国日本、特に地方銀行のみなさんは、日本国債の利回りが非常に低いので、外債に投資しているところが多いです。含み損みたいなものを抱えているというのが明らかなので、それを慮ってこの記事を書いたのではないかと思います」(田中氏)

要するに大元の問題は「日本国債の利回りが低すぎる」ことであり、さらには「日銀が金融緩和をやるのが悪い」という結論になる。田中氏は「日経新聞の心は“日銀は金融緩和やめろ”という話なんですよ」と解説した。

 


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