「根本的に効く薬はほとんどないんです」元精神科医の脳科学者に“薬”ができた意外な歴史を聞く

「根本的に効く薬はほとんどないんです」元精神科医の脳科学者に“薬”ができた意外な歴史を聞く

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講談社ブルーバックスから『「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』が発売中の脳科学者・林朗子さんが6月9日の大竹まことゴールデンラジオに出演。統合失調症に使われる薬がどうしてできたのか伺った。

大竹「お書きになったご本ですけど、…ちょっと難しそうだなぁと。」

「頑張ってわかりやすく書いたつもりですけど、それでも難しいと、いろいろお叱りを受けております。(笑)」

青木「ブルーバックスシリーズって、一般の人も読むんだけど、どっちかと言うと専門書に近いんですよ。本当に良い本がたくさんあるんですけど、僕もチラッと見たけど難しいですね。」

大竹「林さんは精神科医から脳科学者になったということですが、それはどうして?」

「人が悩むのをじわじわと聞いて、それに対して自分がプロフェッショナルとして何かしなきゃいけない、っていうのは結構つらい仕事だなと思いました。その辛さの原因は何なんだろうって考えると、今この21世紀でも本当に根本的に効く薬っていうのが少ないんですよ。もちろん奏効する(効き目がある)薬はあるけれども、根治する薬っていうのはほとんどないんですね。だから自分が一生懸命頑張っても、できることが少ないということに気がついて。だったら研究者として、脳科学の理解、精神疾患の理解に貢献した方がいいんじゃないかっていう話なんですね。」

青木「要するに、がんの外科手術をやってたんだけど、全部の患者さんを助けることができないから、がんを根絶することに興味を持ったというのと近いですよね。」

「その通りでございます。」

大竹「根本的に効く薬はあまりないっておっしゃいましたが、今ある薬はどういう役目を果たしてるんですか?」

「統合失調症のお話が分かりやすいと思います。一番最初に「クロルプロマジン」っていう統合視聴症の薬ができたのは1947年なんですよ。」

大竹「今から80年くらい前ですね。」

「その当時、吐き気止めの薬を作ってたんです。すると、なぜかそれを飲む人が眠くなって「なんか鎮静作用が強いよね」ということで、下科医の先生が「手術の前に使ったらいいんじゃないか」と患者さんに飲ませたら、すごく穏やかになったんです。さらにそれを見た精神科医が「統合失調症の患者さんに使ったらいいんじゃないか」と使い始めたんです。なんで効くか分からないけれど、めちゃくちゃ効いたんですね。それが後に、ドーパミンをブロックするっていうことが分かったんです。ドーパミンは快楽に関連した神経伝達物質で、その受容体をブロックするとなぜか幻覚や興奮が収まるので、徹底的にドーパミンの受容体をブロックする薬をたくさん作ったんです。それが現在まで80年間続いているんです。」

大竹「今、疾患を抱えている人は世の中にとっても多くいます。普通の人が、例えばうつ病みたいなことになる可能性ってのはどのくらいあるんですか?」

「うつ病だと〇〇ぐらいだと思います。あとはストレスが多い環境におられる方っていうのは発症率っていうのは高くなります。」

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