夏のボーナスが0.47%増加。物価の上がり具合に比べ、賃上げの勢いは……

夏のボーナスが0.47%増加。物価の上がり具合に比べ、賃上げの勢いは……

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8月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、夏のボーナスが0.47%増加したというニュースについて意見を交わした。

藤井氏「これは物価上昇率よりも低いですから」

経団連は今年の夏のボーナスについて、従業員500人以上の大手企業161社の回答をまとめ、最終的な結果を公表している。それによると、従業員1人当たりの平均支給額は90万3397円となり、去年より4234円、率にして0.47%増えた。

夏のボーナスが増加したのは2年連続で、支給額が90万円台となったのは3年ぶりだという。

寺島アナ「0.47%、これは見方がいろいろあって『増額嬉しいぞ』という所もあれば『鈍化してるんじゃないの?』っていう見方もできるわけですよね」

業種別に見ると「食品」や「造船」など10業種で去年を上回った一方、「電力」や「セメント」など9業種は去年を下回った。

経団連が発表した今年の春闘での大手企業の賃上げ率は3.99%で、ボーナスの増加率はこれを下回り、業種ごとに対応も異なるが、今年は月給の引き上げを優先した企業も多かったとみられる。

経団連は「それぞれの企業が自社に最も適した形の賃上げ方法を選んだ結果で、全体として賃上げの勢いは維持されたと評価している」と述べた。

寺島アナ「これは、藤井さんはどうご覧になりますか?」

藤井氏「賃上げの勢い、維持してるんですか? うーん、ちょっとわからないですけど。しっかり理解しないといけないのは、これ、0.47%にしかすぎないわけですから、これは物価上昇率よりも低いですから。実質上、我々のボーナスは減ったというわけですね。まぁ、3〜4%ですか? いまの物価上昇率が。だとすると2〜3%、だからほぼ3〜4%ですよね。0.47%しか増えてないんだから。その分、実質目減りしているということですよね、ボーナスは」

寺島アナ「実質賃金も下がってましてね? だから物価の上がり具合に比べて、賃金の上昇のほうが鈍いから。補填できないぞ、ということですもんね?」

藤井氏「そうです、そうです」

寺島アナ「まぁ、使えるお金が減るってことは、やはり使いたくたって使えない、物だって売れるわけではないってことになると、せっかくここまでの機運があるのに『えっ、また冷めてっちゃうんですか?』っていうね?」

藤井氏「もちろんそうなりますよね」

今年の春闘では、記録的な物価高や深刻な人手不足を背景に、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた平均賃上げ率が3.99%と31年ぶりの高水準となった。業績が悪い企業では、ベアを優先した代わりに、ボーナスを抑える動きもあったという。

寺島アナ「なので、結果的に鈍い数字になってるよ、ということも言えるようではあるんですけども『じゃあ、これ冬のボーナスはどうなるんだ?』ってところも気になりますよね。まぁ、そりゃあ企業だって従業員のために上げたい気持ちはあるんでしょうけども、まぁどうなっていくんでしょうね? これもね?」

藤井氏「まぁ、しっかり実質賃金が上がってくれるようになってほしいですね」

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