「だったら男になれば?」…性別を自分の意志で変更できる法案が成立したドイツで今何が起きているのか

「だったら男になれば?」…性別を自分の意志で変更できる法案が成立したドイツで今何が起きているのか

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ドイツ人の父と日本人の母を持ち、日本とドイツの文化について執筆しているエッセイストのサンドラ・へフェリンさんが10月13日の大竹まことゴールデンラジオに出演。ドイツで起きた気になるニュースを紹介した。

へフェリン「最近の気になったニュースなんですけど、8月にドイツで自己決定法案っていうのが閣議決定されました。これは、自分の意思だけで性別を法的に変えることができる。下の名前も変えることができるというもので、来年の11月に法律が施行されます。」

大竹・室井「うんうん。」

へフェリン「ドイツでは今まで、法的に自分の性別を変えたり名前を変えるためには、お医者さん2名の診断書と判定書が必要で、最終的に性別が変えられるかどうかは、ドイツの裁判所が決定してたんですね。ところが、来年の11月からは裁判所も間に入らないし、お医者さんにも行かなくても良いし、本人が戸籍役場に行って「私は今女性なんだけれど、心は男性だから性別を男性にしたいんです。名前もクリスティーナからクリストフにしたいんです」って言ったら、もうそれでオッケー。3カ月かかるので、待てばだいたい許可されて法的にも身分証明書も女から男に変わるんですね。なかなか革新的なんですけど、結構ドイツの中でも反対している人たちがいっぱいいて、有名なところだとアリス・シュヴァルツァーさんという80歳近いフェミニストの女性がいます。彼女は、ドイツで女性も働けるようにとか、中絶の権利とかで戦ってきて、昔から男だって泣いてもいい、女だって例えばサッカーでファウルをしてもいいって、すごくオープンな考え方をする人なんですけども、それはあくまでも性別の中で自由にしましょうっていうスタンスなんですね。」

大竹「はい。」

へフェリン「彼女が懸念しているのは、簡単に性別を変えることができると、例えば女性としての生き辛さを感じている人に対して、周りが簡単に「だったら男になればいいじゃない」っていうアドバイスをしがちで、実際にそういうのも起きてるみたいなんですが、それはちょっと違うっていうんです。それプラス、シュヴァルツァーさんは、女性用のシェルターとか、男性の方が出世しやすいので女性のために作られたクォーター制度とか、そういうところに体が男性の人が入ってきてしまうと、本来の女性がまた社会の隅に追いやられてしまうっていうんですね。」

室井「今スポーツの世界が結構大変なことになってるもんね。どんどんメダル取る人が、体が男性の人になってて。」

大竹「難しいね。そのフェミニズムの人は、今までのように2人ぐらい後見人みたいな人がいて、審査があるという状態は認めているわけ?」

へフェリン「そうなんです。そういうハードルを乗り越えることで、本当に性別を変えたいのか自分自身で考える時間があるんだと。自分の意思だけで変えられると、きりがないっていうか何回変えてもいいんですね。また14歳から性別を変えることができるんですけど、そこも彼女は反対をしています。14歳っていうのは精神的にも成熟しきっていないし、不安定な時期だから、そんなときに親が同意してるからといって簡単に性別を変えていいものなのか、成人するまで待つべきではないのかとか、いろいろ言っていて、私もそう思います。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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