『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 「外貨預金」引出のタイミングは?
情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。
この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2024」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。
★メールまとめ
外貨預金をやっています。円がまだ下がるならもう少し寝かせておきますが…
★メール本文
外貨預金をしています。円はまだまだ下がり続けますか?
外貨預金は円が下がれば下がるほど儲かるらしいので、もう少し寝かせておくのがベター?
(川崎市麻生区 ちえちゃん)
1.5倍に膨らんだ預金
もし外貨預金を110円くらいのときにやられていたら、それが今は160円、170円になっているわけです。100万円入れていたとしたら、150万円くらい。およそ1.5倍ですね。
外貨預金は、円で払い込んで、それが外貨になる仕組みです。それが返ってくるときに、基本的には円に換算して戻ってくるわけです。日本だと金利が低いけれど、海外は高いのでそれで始められた方が多いですね。その頃はどういう説明をしていたかというと、みんな円高だと思っていたから、「損したらどうするの?」って聞かれると「お客さん、海外旅行行くじゃないですか。その時にドルを使えばいいんですよ」「でも金利が5%ですよ、6%ですよ」といった売り方をしていました。でもなんと円安になってしまったので、金利も高かったけど、その上に儲かってるということなんですよね。それにしてもスゴイですよね。
この先の円相場は…
このところ、「介入」とがんばって冷やしにかかっても、すぐ戻っちゃう。ゲストにディーラーの加藤さんが来てくださったときは、「だいたい介入が入ったぐらいのところで落ち着く」とおっしゃってました。だとすると、もう少し円高でもいいはずなんですけど、それに打ち勝てずに円安になってます。
ご質問いただいた方はたぶん110円くらいのときにやられていると思うので、そんなところまで円高に戻ることは、まず、ない…と言い切ってしまってはいけませんが、155が158になったり152になったりはするでしょうが、もはや110が150になったというところはそんなに変わらないと思います。
20年がんばらなかった日本
もっと円が下がるとすれば、戦争が激しくなったりとか、アメリカの景気がもっともっと良くなったりする場合。こうなると180円くらいまで行くかもしれません。
でも昔のように80円ということはない。これは金利差じゃないですね。日本がこの20年間がんばらなかったからダメになっているということ。もちろんがんばっていったら戻るかもしれませんが、これはファンダメンタル、基礎的なものなので。困ったものです。
でもこれ以上、急に200円まで行くことはないと思いますが、もう少し置いておいてもいいでしょう。
答えは「どっちでもいい」
170円くらいは行くと思います。僕らが大学を出たころは180円でした。そのちょっと前まで360円だったわけですから。いずれにしろ、今みたいなことでダラダラやってると、日本の実力がフニャっとなってるので、近い将来に円高に戻ることはないでしょう。
というわけで、どっちでもいいというのが答えです。もうガバッと利を取っていますし、このへんからは2,3円が動く遊びの段階です。
ご質問の方の年齢はわかりませんが、もし今したいことがあるなら、小銭を稼ぐよりも、そのお金で何か面白いことをするということも大事な年頃かもしれません。こんなに利を取れた、あぶく銭だと思って使ってしまうのも悪くないと思います。
今日は「外貨預金引き出しのタイミング」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。
大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。
第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。
東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』など。
家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。
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お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。
住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。
賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。
制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。
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大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
土 6:25~6:50
楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…