吉崎達彦氏「アメリカメディアから見た東京五輪2020、その評価は?」〜8月10日「くにまるジャパン極」

吉崎達彦氏「アメリカメディアから見た東京五輪2020、その評価は?」〜8月10日「くにまるジャパン極」

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8月9日に閉幕した「東京五輪2020」について、エコノミストの吉崎達彦氏は8月10日の「くにまるジャパン極」(文化放送)の中で、アメリカのニュースサイトなどから拾った、東京五輪の評価を紹介した。

吉崎氏「最近ずっと私が愛用している『Axios(アクシオス)』というアメリカのニュースサイトがあるんですが、そこが『東京五輪から我々が学んだこと』って特集を組んでまして、結構面白いことをいくつか言っているのでご紹介します。」

まず、吉崎氏は「東京五輪閉会式」後のアメリカのジャーナリストの反応について語った。

吉崎氏「アメリカは結構ご機嫌なんです。何故なら最終日にバスケットとバレーボールの女子の決勝戦両方勝って金メダルの数で中国を逆転したんで。1個差で金が1位に終わったということで大変ご機嫌な書きっぷりなんですけど、ただコロナの件を含めて考えるとまだ東京五輪は合格だったとはいえない。この後2週間経ってみないとわからないけれど、選手村もコロナ陽性者が29人ぐらい出た。『これは合格点じゃないのか?』という声と、『いやいや人口10万人あたりだと1日16件に相当するので、全然威張れたものじゃないんだ』という声など、色々ありました。」

続いて、吉崎氏は五輪開催中の東京の気温についても触れた。

吉崎氏「それから、東京はすごく暑かった!日本も五輪に当選した2013年当時はまだこんなに暑くなかったと思うんですけど、特にこの数年ですよね。そんな中で記者のみなさんはあんまり外へも出歩けなくてコンビニへ行って『ローソンの卵サンドって素晴らしい』とか、『森永のチョコモナカジャンボっていうのが凄い人気になっている』とか、それがtwitter界を賑わせていましたけれど、この暑さはちょっと可哀想だったかな、と。」

一方、アメリカで行われた世論調査では、この次に行われる北京冬季五輪についての問題点が浮かび上がってきたと吉崎氏はいう。

吉崎氏「アメリカの世論調査で『半年後(2022年2月)に北京冬季五輪があるけど、中国の人権問題は北京五輪に影響しますか?』と聴くと、イエスが49%、ノーが14%、よくわからないが33%。で、これがまた面白くてですね、共和党支持者と民主党支持者の両方でイエスが多い。無党派の人は『ま、いいんじゃない?』ということになっていて、これは超党派なのかなんなのか、今からちょっと揉めそうですね。はっきりとは言わないですが、コロナによって60万人以上のアメリカ人が亡くなったので、中国に対するわだかまりはものすごく深いものがあると思いますね。」

さらに吉崎氏は今回の東京五輪における「ウィナーとルーザー(勝者と敗者)」に触れた。勝者は「アスリートたちのメンタルヘルス」と「LGBTQ」であり、敗者は「NBC」という。

吉崎氏「敗者はアメリカの放送局NBCですね。我々から見るとなんで暑い夏のこの時期にオリンピックをやんなきゃいけないかっていうと、NBCが10億ドルの放送権料を払ってるからっていうことになっちゃうんですが、このNBCの東京五輪の視聴率が低かった。リオ五輪が2900万人ぐらい観てるんですけど、東京は1680万人ぐらいに減ったと。ただ、リオだとあまり時差が無いけど、東京だと昼夜逆転で夜中に放送されていましたしね。さらには『やっと外出できるようになったのに、何で家でテレビなんか観なきゃいかんのだ』『アスリートがマスクをしているのを観るのがイヤだ』など視聴者にも色々な想いがあったようです。それから、NBCもストリーミング(インターネット配信)で放送しているので、そっちで観ている人が増えて、視聴率が下がっている可能性があると思います。」

今後行われる五輪もNBCが放送権を独占している。五輪の値打ちを下げることが出来ないNBCにとっては苦しい戦いが続きそうだ。いずれにせよ、これから行われる五輪にも注目していきたいと吉崎氏は結論付けた。

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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