吉崎達彦氏「オミクロン株の拡大で遠ざかるアフターコロナ。経済に不安が広がる!」~11月30日「くにまるジャパン極」

吉崎達彦氏「オミクロン株の拡大で遠ざかるアフターコロナ。経済に不安が広がる!」~11月30日「くにまるジャパン極」

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岸田文雄首相は29日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が欧州などで急拡大する状況を踏まえ、30日午前0時から当面1カ月、全世界からの外国人の新規入国を禁止すると発表した。エコノミストの吉崎達彦氏は11月30日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、オミクロン株がもたらす世界の経済への影響などについて、解説した。

野村邦丸アナ「この措置は岸田政権としては判断は早かったんですか?」

吉崎「早かったですね。むしろ先週までは逆のこと―拡大・緩和しようとしていたところを急転直下、疑わしきは入れずということです。外国人は全面入国禁止、日本人の帰国・入国も従来より厳しい待機措置を取ると。考えてみたら去年のデルタ株の失敗、やはり水際対策というのは難しくて、一気に入ってきたと。ただ、この措置があるから大丈夫と思わない方がいいでしょう」

邦丸「岸田政権としても経済を元に戻さないといけないという、これは日本だけじゃなくて世界中がそうなっていたところでオミクロン株が出てしまった。で、この先なんですが……」

吉崎「今回のオミクロン株が見つかった南アフリカはワクチンの接種率も高くなくて、やっぱり自分だけ良ければいいじゃなくて、世界全体もある程度ワクチン接種を進めておかないと、またこういうことの繰り返しになるんだなっていう」

邦丸「アフターコロナに至るまでにはまだ時間がかかる。ウィズコロナにはどういう経済展開があるのでしょう?」

吉崎「先週、アメリカのバイデン政権が2つ重要決定を発表していて、1つは11月22日、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)にパウエル議長を再任したこと。それからもう1つは11月23日、石油の戦略備蓄の放出を決めた。これには日本やイギリス、中国なども協調したという動きがあって、これはどういうことかというと、先週時点でパウエルさんの心配はインフレ。もうすでにアメリカの10月のCPI(消費者物価指数)って前年比で6.2%増だったんです」

邦丸「上がりましたねえ~!」

吉崎「5%6%って日本もなかなかそんなインフレは経験していませんけど、多分体感温度ってとんでもない上がり方で、アメリカは先週木曜日が感謝祭で、その翌日がブラックフライデー。ちょうど年末商戦が始まった頃なんだけど、そもそもお店に行っても物が無い。それから普通は5割引きとかやってお客を呼ぶんですが、『1割でゴメン』みたいな感じになっていたり、そこは結構強烈なんです」

アメリカと日本の経済状況にはまだかなりの違いがあるようだが、今回のオミクロン株の発見によって経済への不安は増大し、さらに遠ざかる感のある「アフターコロナ」への道。長引くコロナは様々なところに影響をもたらしており、この後のお話でも吉崎氏の口からは景気のいい話は聞こえてこなかった。

 

 

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます

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