吉崎達彦氏「一体どうなる?政治外交日程から読み解く2022年の日本」~12月21日「くにまるジャパン極」

吉崎達彦氏「一体どうなる?政治外交日程から読み解く2022年の日本」~12月21日「くにまるジャパン極」

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2021年もいよいよあと10日となった12月21日、エコノミストの吉崎達彦氏は「くにまるジャパン極」(文化放送)に出演、先週に引き続き来年2022年の日本がどんな一年になるのかを予測した。先週は干支や西暦などから読み解いたが、今回は「政治外交日程」がテーマということで、一体どんなお話となったのだろうか?

野村邦丸アナ「来年2022年の政治外交日程から読み解くポイントというと、結構大きなものがいくつかあると思いますが」

吉崎「まず国内で見ると、来年の一番大きな山場は参議院選挙となります。参議院選挙がある年って国会の延長が出来ないというのがあって、通常国会は1月17日の月曜日が招集と言われていまして152日間の日程ですから6月15日に閉会。そうするとこれが延長出来ないという前提で行くと7月10日が参議院選挙。確か計算するとこの選挙で17議席ぐらい減らしたらいよいよ過半数割れってことになるんですけど、そこまで行かなければ、その後岸田内閣も向こう3年間国政選挙無いですから、2024年9月の岸田さんの自民党総裁の任期まではほぼ安泰と言っていいかと思います」

岸田内閣にとって最大の問題は「外交」という吉崎氏。そういう視点で2022年の年間日程を見ていくと、年の後半に2つのビッグイベントがあるという。

吉崎「その2つはアメリカの中間選挙と、中国の党大会。中間選挙は11月4日と前から決まっていて、中国の党大会はいつも直前にならないと日程が発表されないんですが、10月かどこかその辺。そうすると米中はお互いにこのビッグイベントに備えて色んな行動が決まって来る。日本みたいな国は『どっち付くの?』みたいな話でずっと悩み続けることになる。それが2022年のテーマというんですか、つまづくとしたら内政よりは外交になるという感じなのかな?と思います」

邦丸「アメリカの中間選挙は、アメリカの国会議員の選挙なわけですが、要するに参議院選挙みたいなものですか?」

吉崎「そうですね。大統領選挙のように決定的じゃないんだけど、大統領選挙と大統領選挙の間の年に中間点で行われて、大体大統領府(ホワイトハウス)を持ってる側が負けるという、ほとんど法則のようなものがあるんですが、実はアメリカではバイデン大統領が看板政策に掲げる気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(BBB)法案」が通る見込みが無くなったことで、さらにバイデンさんの支持率が下がりそうです」

邦丸「そんな中でどうやってアメリカと付き合っていくかということですが」

吉崎「まず、訪米したいんですけどなかなかタイミングが無くて、まあでもBBB法案がどうもダメらしいというのが伝わって来たんで、やっと少し時間が空くっていうか、場合によっては年初ないしは年末の電撃訪米も出来るかなって感じです」

邦丸「次は中国が来年党大会ですが……」

吉崎「党大会の前にまず北京オリンピックがあるわけです。中国としてもまずこの五輪を成功させないことには党大会に響くわけで、その緊張感たるや相当なもので、コロナ禍の五輪って大変だったじゃないですか。それで実際に菅前総理は辞めたようなもんですし。だから似たようなことになったらどうするんだ!って、その緊張感は日本の比じゃないですよ」

では今後、岸田内閣は外交においてどこが一番の勝負どころになるのだろうか?

吉崎「日米豪印4カ国による戦略的枠組み『クアッド』の首脳会議を日本でやるという話があるんです。多分来年の春、日本外交にとっては腕の見せ所というか。それを聞いて中国は当然面白く無いわけですが、(中国への説明として)『クアッドっていうのは、あくまで対中包囲網ではありません。インド太平洋協力の、ひとつの枠組みです。ワクチンを低開発国に配ることだって、我々やってるんですから』という、大人の話もするわけです。これをうまく仕切れるかというのが、岸田内閣にとって大事になってきます」

と、この辺でお時間が。この話は来週12月28日、今年最後の「吉崎さんの深読みジャパン」に続きます。ご期待ください!

 

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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