『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 高度経済成長期は、預貯金の利子で生活できた?!

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 高度経済成長期は、預貯金の利子で生活できた?!

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定のエッセイ。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

目指せ、夢の利息金生活・・・?! ワリコーとは

今回は、私が30年ほど前に勤めていた、日本興業銀行(2002年解散、現在のみずほ銀行の前身)の商品に関するメールをいただきました。

母が亡くなり、実家のタンスを整理していたら、
底に1976年の新聞が置いてありました。
そこに出ていたのが「日本興業銀行」の広告で、
「興銀の債券貯蓄 ワリコー 年7.388パーセント」って!
なんですかこれ!
なんで昔はそんなことが可能だったんですか?
大垣先生、ぜひ教えてください。

(ぱいびょんさん、58歳、女性)

そもそも「金利◯パーセント」ってどういう意味?

「年7.388パーセント」とは、預けたお金が1年後に7.388パーセント増えることを意味しています。

たとえば100万円なら1年で7万円近くお金が増えるということですね。1000万円なら70万円です。
これだけ増えるとすると、退職金などでまとまったお金をお持ちの方なら、年金と利子だけで生活できた方もいらっしゃったかもしれません。

皆さんご存知の通り、今は全くそんなことはありません(笑)。
というのも、2022年1月時点で大手銀行が提供している1年満期の定期預金は、およそ金利0.01パーセント程度。
つまり、100万円を預けた場合に受け取れる利子は1年で100円程度、1000万円で1000円程度ということです。

いま利子で70万円を受け取るには、70億円ほど預ければいい計算になりますが・・・庶民にはとても無理そうです。
ワリコーの7.388パーセントとの差はなんと700倍ですから、すごいギャップですね。

高度経済成長期では「当たり前」の商品だった

もちろん、ワリコーの利子は当時、特別高い利子だったわけではありません。

高度経済成長期の日本は、年間GDPが10パーセント以上成長していたため、国債や預金も、そのぐらいの金利が当たり前だったのです。

割引興業債券がフルネームです

さて、ワリコーというのは、私が昔勤めていた日本興業銀行(現みずほ銀行)が発行していた、1年満期の金融債(銀行が発行する社債)です。

最初の払い込み時に、利子分を額面から割り引いた金額を払い込むことで、満期に額面がもらえることが特徴でした。

具体的に説明しましょう。
通常、「社債を100万円購入したい」と思った場合、満期に100万円と利子を受け取りますよね。

これがワリコーの場合、最初に利子分をさっぴいた93万1200円を払い込み、1年後に100万円の元本を受け取ります(利回り7.388パーセントの場合)。

利子分が「割引」された「興業債券」なので「割引興業債券」、略して「ワリコー」と呼ばれていました。

ワリコーは「悪い子」?!

ラジオの放送内で残間さんが「ワリコーって”悪い子”みたいに聞こえる」なんておっしゃっていましたが(笑)、当時の銀行の先輩から「昔はワリコーが税務署から目を付けられることもあった」という話を聞いたことはあります。

ワリコーは商品の特性上、最初の払い込み時に、利子に付く税金を一緒に払ってしまうという特徴がありました。
払い込み以降は銀行で換金してもらえばお金に変わるため、ワリコーの証券が一種のお金のようなものになるのです。

さらに、昔は、希望すれば実際に証券を紙の形で払い出してもらうことができました。

この条件を利用して、現金の形で持っていると困るようなお金をワリコー1枚に変えて、税金逃れのためにツボに隠して裏山に埋める人なんかがいたのだそうですよ(笑)。

最近ニュースで話題になっている某私大の理事長もその頃なら、国税局にみつからずに隠せておけたのかもしれませんね。

ちなみに、今は株式や債券を買っても、コンピューターに記帳されるだけで、実際に紙の証券が発行されることはまずありません。

ワリコーを持っている人はまだ存在する、かも

ちなみにワリコーって、2007年までみずほ銀行でも取り扱いをしていたんですよ。今もまだ、契約によっては払い戻しができるようです。

久しぶりに「ワリコー」という言葉を聞いて、なんとも懐かしい気持ちになりました(笑)。

メールをお寄せいただき、ありがとうございました。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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