中国、コロナ感染急拡大でロックダウン それでも「ゼロコロナ対策」をやめないワケは?

中国、コロナ感染急拡大でロックダウン それでも「ゼロコロナ対策」をやめないワケは?

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中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、事実上のロックダウンが広がっているようだ。これについて火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏が、寺島尚正アナウンサーと共に議論を繰り広げた。

田中氏「中国特産のワクチン、あまり効き目がない」?

広東省の深セン市などでは厳しい行動制限が行なわれている。トヨタ自動車や台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は対象地域の工場の稼働を一時停止した。ホンコン、マカオを除く中国本土の3月12日の感染者は3393人で、比較できる2020年3月末以降で最大となった。深センは中国有数の電子産業の集積地のため、行動制限長期化の影響が広がる恐れは大きい。

田中氏はこれについて、「情報統制をしまくってたんでしょうね。本当は感染拡大が、じつは北京オリンピック・パラリンピック中にはすでに広がっていたんじゃなかろうかと。それもあり、隠すことができなかったのかなと思ったりもします」と分析。「ゼロコロナ対策についてはですね、中国特産のワクチンにあまり効き目がない、つまり中国のワクチン政策の事実上の失敗というのもあるんですよね」と、ワクチンの効果の問題も指摘した。

「ゼロコロナ対策を続けていくと、当然中国だけでなく世界経済、例えばサプライチェーン(物流網)が寸断されて世界経済に悪影響が及びます。中国がゼロコロナ政策を転換しないとダメだと思うんですよ。アメリカやヨーロッパ諸国に頭を下げて、効き目のあるワクチンを導入してワクチン接種を進めなければならないんですが、そんなことをすると中国共産党、習近平体制が猛烈な批判を浴びかねません。ですので、ゼロコロナ政策を徹底していくと思います」(田中氏)

寺島アナの「この秋には共産党大会がありますね」との発言に、田中氏は「そうですね」と相槌を打ち、「世界経済にマイナスの影響をかなりの度合いで与えるのははっきりしていますよね。ゼロコロナ政策の転換がない限りは、感染拡大と同時に、世界経済には悪影響が及びます。もちろん、日本にも深刻な影響を及ぼすと思われます」と懸念する。

寺島アナは「中国は転換のしづらい国ですよね」と、感じているようす。田中氏は続いて、「感染対策は大胆に変えていますが、ゼロコロナ政策の大きい枠組みの中で変えているのでゼロコロナ政策自身は不変ですね。そこを変えると共産党への批判に結びついてしまうので」と伝えた。

上海市や北京市などでも感染が広がっており、感染者が出た建物は軒並み封鎖されている。上海市では小中学校や塾などの授業が対面からオンラインに変更された。

「監視網などを使って人流をコントロールしてきましたが、それがもう限界かな、ということですね」(田中氏)


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