ダイヤモンド・プリンセス号の乗客・医師たちの苦悩や葛藤。『命のクルーズ』著者・高梨ゆき子が語る

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客・医師たちの苦悩や葛藤。『命のクルーズ』著者・高梨ゆき子が語る

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5月18日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに読売新聞編集委員、ジャーナリストの高梨ゆき子氏が登場した。2020年にダイヤモンド・プリンセス号の乗客が新型コロナウィルスに感染。そこにまつわる出来事を追ったノンフィクション『命のクルーズ』を発売した高梨氏が、当時の状況や救急対応に当たった医師たちの苦悩・葛藤などを語った。

高梨ゆき子「私も含めて世間的なイメージで過剰にとらえていたんじゃないかと思って、この本を書いたところもありました」

壇蜜「謎のウィルスにクルーズの方たちもどんどん侵されている、というイメージが先行して……」

高梨「得体の知れない未知のウィルス。当時は市中感染も広がっていませんでしたから、どうなっていくかわからない恐怖感もあって過剰な批判が起きていたのかなと、いまは思います」

大竹まこと「ダイヤモンド・プリンセス号はどんな船で、どんな人が乗っていたんですか?」

高梨「3700人ぐらいが乗れるすごく大きな船です。お客さんだけで2600、2700人ほどが乗れる、いわゆる豪華客船。カジノがあったりパーティーが開かれたりシアターでお芝居が行なわれたり。そこにいるだけで楽しめるようなところなんです。お客さんはシニアの方々が目立ち、いちばん多かった年齢層は70代。お金を貯めたご夫婦が老後の楽しみという感じで乗っていらしたんです」

大竹「本に金額もありますけど、いい部屋は100万円以上すると」

高梨「窓側でバルコニーがついている部屋は高いですけど、窓のない内側の部屋は比較的安くて。いろんな目的で乗られている方々がいました」

大竹「船内の感染がわかって、港に横付けされますね。そこに日本からDMAT(ディーマット)というチームが乗り込んで、いろんなことに従事されていました。このDMATとは?」

高梨「日本語では『災害派遣医療チーム』と呼ばれます。普通の病院に勤める医師や看護師らが、自ら名乗り出て、研修を受けて厚労省に登録するような形で。地震、津波、台風といった自然災害などの際に医療支援をする方々です」

大竹「感染症対策チームというか、専門家ではないと」

高梨「救急医の方がほとんどなんですよ。お医者さんだから基本的な感染症の知識はありますけど、いわゆる専門家ではない。そういう中で船に動員されていったと」

高梨氏によれば、救急対応に参加したDMATの人々にも葛藤があったようだ。

高梨「当時はまだ日本で感染者が20人ぐらいしか確認されていなかった状況で。自分がウィルスをもらったらどうしよう、子供いじめに遭ったら……、とか、そういうことで悩まれた方もいます。いまはともかく、当時は村八分だったというか。引っ越ししなきゃ、という方もいましたからね」

大竹「この本では差別についても触れられています。乗っていたご夫婦が会社を辞めちゃったり、救急で参加したお医者さんも差別を受けたりしたんですね」

高梨「乗客の方が『あなたのほうから会社を辞めてください』と言われたり、DMATの医師の方も『病院に来ないでくれ』と言われたり。根深い問題ですね」

大竹「お医者さんまで『学会に来ないで』とかね。医療に従事した人間に対して別物扱いするというのは納得いかないところだよ」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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