『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 社員3人のベンチャーが、誰もが利用する「料理の教科書」になるまで。クックパッドの歴史から、コロナ禍の活用方法まで

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 社員3人のベンチャーが、誰もが利用する「料理の教科書」になるまで。クックパッドの歴史から、コロナ禍の活用方法まで

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

番組内容をもとに執筆したWEB限定コラムをお届けします。

2022年7月2日のゲストは、クックパッド創業メンバーの小竹貴子さん。
後編となる今回は、クックパッドが生まれた経緯や、料理初心者への「クックパッド活用のコツ」をお聞きしました。

前編はこちら:料理しんどい、向いてないかも・・・。クックパッドの「中の人」に聞く、料理を楽しむコツ

小竹貴子さん プロフィール

クックパッドの創業メンバー・コーポレートブランディング本部長。
1972年、石川県金沢市生まれ。
専業主婦を経験、2児の母である一方、2004年に現在のクックパッド株式会社に入社。
豊富な料理経験で培われた知識をもとに「簡単・作りやすい・見た目が綺麗」な三拍子揃ったレシピを提案。世の中に「料理することの楽しさ」を伝える。

月給5万円でも選んだ「ユーザーとの感動の共有」

残間 小竹さんは専業主婦を経験なさっているんですね。どういう経緯でクックパッドに入社されたんですか。

小竹 専業主婦だった頃に「何か手に職をつけたい」と思って、ウェブ制作のスクールに通ったのが始まりですね。
スクールの課題を通して、「インターネットを通して人とつながる」楽しさを知ったんです。

その後は、ウェブ制作会社や広告代理店で働いていたのですが・・・。

キャリアを重ねるにつれ、「もっとチャレンジがしたい。ユーザーと広告主が感動を共有できるようなサービスを提供したい」という欲求も生まれていたんです。

そんな折、親友から「面白いサイトを作っている人がいる」と、クックパッドの創業者である佐野陽光さんを紹介されました。

まだクックパッドは黎明期で、社員は3人。
私の受け取る給料は月5万円でしたが、むしろ、その5万円すら、収益のどこから出しているのだろう・・・と心配に思うほど、小さな名もない会社でした。

黎明期から「料理のメモ帳」というコンセプトを貫く

大垣 小竹さんがクックパッドに入社されたのは、2004年なのですよね。クックパッドもそうですが、そもそもインターネットそのものがまだ発展途上の時期でした。

小竹 Yahoo!(ヤフー株式会社)やサイバーエージェント(株式会社サイバーエージェント)など、インターネットを主軸に据えた企業が発足した時期でしたね。

大垣 そんな頃からクックパッドは、「これからはインターネットで、レシピを共有する時代がくる」と予測していたんですね。

小竹 ずっと変わらず、「料理のメモ帳」(=Cook pad)というコンセプトを貫いています。

「美味しい」の気持ちを世界中の人々と共有

残間 クックパッドは、どういう経緯で発足したのでしょう。

小竹 インターネットを通じて、誰かと「美味しい」の気持ちを共有したい! という思いが最初にありました。

料理って、家族に毎日褒めてもらえるわけではありませんよね。
でも、自分だけが持っている「料理のメモ帳=レシピ」をインターネットにアップすることで、そのレシピを見て作った誰かから「美味しかったです、家族にも好評でした」とコメントをもらえたりする。

大垣 これまで「家族と自分」という閉じた世界でしか作られていなかった料理を、世界と共有できるようになるんだ。

残間 つながりを無尽蔵に作り出せますね。クックパッドは、そもそもからして、インターネットと非常に相性の良いサービスだなと思います。

クックパッドのレシピ、全て作ると3200年以上かかる?!

大垣 海外にもクックパッドはサービスを展開していますね。

小竹 はい。5年前(2017年)から海外進出を始めて、現在は70カ国以上で展開しています。

大垣 すごく多いですね。家庭料理を誰かと共有したいと思う気持ちが世界で共通だというのは意外なようにも思います。

小竹 毎日、日本だけではなく世界各国から、新しいレシピが投稿されるんですよ。
総レシピ数は、2022年4月の段階で365万品になりました。
レシピそれぞれに、「家庭の味」が詰まっていると思うと、感慨もひとしおです。

大垣 全てのレシピを作ろうと思ったら、毎日3食すべてをクックパッドに頼ったとして、3200年以上かかりますね(笑)。もはや、人類の叡智の結晶と言ってもいいレベルかも・・・。

料理男子の「母親」はクックパッドかも?!

残間 今や、20代、30代の若い子が料理を始めるときは、まずクックパッドですよね。

大垣 そうそう。クックパッド以前は、男が料理を学ぶのがとても難しかったんですよ。

親に習うか、料理教室に行くか、料理本を買ってくるかのどれかだったでしょう。どれも男にはハードルが高い。
僕なんかは、小学校の5年生で習った「ほうれん草のバター炒めと粉吹き芋」で知識が止まっていて(笑)。

残間 クックパッドによって、男の子が料理をするハードルが低くなりましたよね。

大垣 クックパッドでは、数年前からレシピが動画になって掲載されているでしょう。動画を見ながら、専門家の手捌きを真似できるようになって。
今の若い子は、きっと僕たちの世代よりも料理上手だろうなと思います。

料理が苦手な人の「第一歩」は、一品の得意料理から

大垣 若い子はいいとして・・・。
小竹さん、「ほうれん草のソテー」で止まっているような我々50〜60代の男は、これからどうやって料理を学んでいけばいいのでしょうか。

小竹 そうですね・・・。手始めに、何か一つ「得意料理」を見つけてみるのはどうでしょう。

コロナ禍でなかなか外に出づらい空気もありますから、これをむしろチャンスと捉えて。

普段の自分にプラスアルファを楽しめる

大垣 私の年代の男がする料理でありがちなのが、ローストビーフなどの「特別な日」のごはんは楽しんで作れるのだけれども、毎日の家庭料理となるとどうも・・・というケース。

今ある食材でパパッと作る、というのが出来ないんですよね。

小竹 クックパッドでも、冷蔵庫を開けて食材を見ながらレシピを検索される方はとても多いですよ。
そこで出てきたレシピが、過去に何度も作ったことのあるレシピでも、自分の覚えているレシピとは少し異なる味付けだったりするんですよね。
そうすると、ちょっとチャレンジしてみようかな、と思われたり。

残間 ありますね。普通は醤油で作るのに、味噌で漬けました、なんて言われると、試してみたくなってしまいます。

鈴木 そのレシピが美味しかったりすると、嬉しいですよね。小竹さんがおっしゃっているように、義務で作る料理から、楽しんで作る料理に変わります。

小竹 はい。本の中でもたくさん「考え方のコツ」を書きましたが、やはり根底にあるのは、楽しみながら作るということだなと思っています。

鈴木 本日は、クックパッドの創設メンバー・コーポレートブランディング本部長の小竹貴子さんにお越しいただきました。ありがとうございましたました。

小竹 ありがとうございました。

***

前編では、小竹さんが2022年4月に発売された書籍『時間があっても、ごはん作りはしんどい』を執筆した経緯や、ごはん作りを楽しむコツについてうかがっています。

前編はこちら:料理しんどい、向いてないかも・・・。クックパッドの「中の人」に聞く、料理を楽しむコツ

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新刊、絶賛発売中です

小竹さんの新刊『時間があっても、ごはん作りはしんどい』は、学研プラスから絶賛発売中。
まるで「読むカウンセリング」?! な、料理をゴキゲンに楽しむ考え方+レシピが満載です。

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※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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