属人的な仕事のノウハウを、体系化して継承するには?『長尾一洋 ラジオde経営塾』8月22日(月)放送

属人的な仕事のノウハウを、体系化して継承するには?『長尾一洋 ラジオde経営塾』8月22日(月)放送

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約9,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が,今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答!
今回は社内でノウハウの継承がうまくいっていない…とお悩みの会社役員の方からのご相談です。長尾社長はどう答えたのか、その一部をご紹介します!
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■社員1人1人のノウハウを体系化して継承するには?

ご相談者はラジオネーム『ロドリゲス幸村』さん。

『総務部長として社内環境の整備改善に従事しています。
特に中小企業にありがちなことなのですが、ノウハウの継承がうまく行っていません。

当社の場合、社員1人あたりの役割が大企業より大きいため、1人1人の能力が全体に及ぼす影響が大きくなっています。
結果的に社員は何でも自分でしなければならないことから、自立して行くケースが多いようで、それが反対にノウハウが体系化されずに自分1人のものとなり共有されないことになっているようです。

いまどきの若手や中堅社員に『見て覚えろ』『先輩から盗め』といっても精神論でしかないと思っています。何か社員1人1人のノウハウを体系化するための良い方法はありますでしょうか。』

 

■『疑似体験+実体験』の重要性を社内に浸透させよう

長尾社長:解決するためには『疑似体験+実体験』ということを考える必要があります。

『疑似体験+実体験』が人の成長に非常に有効であることを、まず社内に浸透させてもらいたい。

 

『疑似体験+実体験』とは一体どういうことでしょうか?
長尾社長は『疑似体験+実体験』を通じてノウハウ継承をスムーズに行う方法を、順を追って説明します。

 

長尾社長:いきなりノウハウの体系化と言っても難しいので。
・まず各自がやっている仕事の手順を書き出したり、ちょっとしたマニュアルを作ってみてもらいます。
これは暗黙知の形式知化要するに、ある人の頭の中に入っていて、文字や図になっていないものを、図や文字にするということですね。

 

・それを後輩に読ませれば、後輩はその体験を疑似的に体験したことになります。これだけではまだ話半分状態。うまく伝承されていません。

 

・次に実際に後輩が自分でやってみる。これは実体験。これで疑似体験+実体験になります。

 

・さらに実体験を重ねると「やってみたけどウマく行かないんですけど」みたいなことは当然出てきます。そこでもう一度マニュアルに戻って「ここをもっと変えてもいいですか?」みたいなことを話し合い、マニュアルを整理して行きます。

 

それを繰り返せば体系化とまでいかずとも分かりやすいマニュアルがローコストに出来上がります。暗黙知的な属人化されたノウハウは形式化され、先輩から後輩に伝承されることになります。

 

■なぜ”疑似体験”から始めるのか

ここで番組MCの松尾アナから質問が…。

松尾アナ:「習うより慣れろ」という言葉もありますが、「とにかく何でもいいから実体験しなさいよ」と言われることもあるのかな?と思うんですが、疑似体験から始めるのはどんな理由があるんでしょうか?

長尾社長:たしかに普通は「疑似体験なんか他人の話だろ?」と思いがち。自分の体験は信用しやすいですよね。

だけど実体験は1日あたり24時間しかできません。逆に言えば1日あたり24時間の体験は、誰でもしているわけなんです。
こっちが24時間寝ずに仕事して、ライバルが24時間ずっと寝ていたなら、24時間頑張った自分がリードします…と言いたいところですが、次の日に相手が「いやー、昨日よく寝た!」と頑張って、こっちは寝不足でぼーっとしていたら、昨日の差なんかすぐチャラになってします。

そんな感じで、自分の24時間を使って他人と競争しても、差が非常につきにくいんです。

24時間いいことをする人と、24時間ダメなことをする人がいれば差がつくような気がするけど、実際にはわからない。

例えば自分は1年間仕事もせずに自転車で日本1周していて、同級生はもう社会人として立派にやっていたら「お前、いつまで経っても子供みたいに自転車に乗って…」と言われるかもしれない。
でも5年後、10年後、旅で出会ったビジネスのネタを活かして成功したなら「あの1年間、フラフラしていたのが良かったです」となりかねないわけです。

評価というのも、誰がいつどう評価するかでコロッと変わるものなんですよね。
自分の実体験だけで成長するには限界がある。じゃあどうやって決定的な差をつけるかというと、『他人の24時間をもらう』ということなんです。

 

■成長の鍵は『他人の24時間』にあり!

人の成長は、実体験だけでは加速しにくいので、「他人の24時間をもらう」ことが必要だと話す長尾社長。時間をもらうとは、どのようなことでしょうか。

 

長尾社長:『他人の時間をもらう』とは、つまり疑似体験するということ。

だけど、疑似体験だけでは吸収率が良くないので、実際に自分でやってみることが重要なんです。

例えば本を読むのも疑似体験。著者の経験が形式知化されているマニュアルみたいなものですね。読んだだけでは「よく分からん」となるけど、本の内容を参考にしながら自分で実際にやってみると「ああ、あの本に書いてあったのはこういうことだったのか!」みたいな。そんな経験は松尾さんもないですか?

 

松尾アナ:あります!受験勉強とか…。

 

長尾社長:本で読んでから、実際自分で体験してみて「ああ~、なるほどね」と。これが疑似体験+実体験です。

そのとき、自分の24時間は1回しか使っていません。だけども疑似体験によって、24時間をあたかも2回体験したような知恵、暗黙知、ノウハウと言ってもいいんですが、それを吸収することになります。

成長を加速させるには、自分の24時間を使ってとにかく頑張るだけではなくて、他人の24時間をどうもらってくるかが非常に重要です。

 

さらにこの実体験+疑似体験の手法を活かして、ご相談者のお悩みを解決する方法も伝授されました。

 

長尾社長:実体験+疑似体験が、成長の加速に欠かせないものだということを社員の皆さんにあらかじめ教えることが必要です。

そうしないと「マニュアルを作って後輩に伝えて…なんていちいち面倒くさいですね。口で言った方が早いですよ」ということになりがち。

そうならないように「いやいや、これが大事な『疑似体験+実体験』というものであって、君の成長を加速させるために非常に重要なことなんだよ」と教えておかなければいけないわけですね。

 

■ロドリゲス幸村さんへの回答まとめ

・人の成長を加速させるのは「疑似体験+実体験」だということを、社内に浸透させるべし。

・実体験は誰もが1日24時間しかできない。疑似体験も重要なのは、他人の経験した時間をもらえるから。

・しかし疑似体験だけでは話半分状態なので、そこに実体験を重ねることが必要。

【社内の暗黙知をローコストに形式化し継承する方法】

・まず各自の頭の中の暗黙知を図や文として書き出してマニュアル作りを。

・継承を受ける人は、そのマニュアルを読んで疑似体験をしてから実体験へ。

・実体験からさらにマニュアルの整理を進めると、ローコストで良いマニュアルが仕上がる。

 

■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。お仕事のお悩みや、経営戦略、店舗経営のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。
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