営業一筋から新人経営者に!何から学び始めるべき?『長尾一洋 ラジオde経営塾』9月19日(月)放送

営業一筋から新人経営者に!何から学び始めるべき?『長尾一洋 ラジオde経営塾』9月19日(月)放送

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約9,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答。

今回は営業一筋に邁進していたところ、子会社の経営者に抜擢されたという会社員の方からのお悩み。めでたくもあり、大変そうでもあり…。長尾社長はどのようにアドバイスしたのでしょうか。その一部をご紹介します!

 

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■営業畑から経営者に!何から勉強すればいい?

ご相談を送ってくれたのは、自動車販売店を経営するラジオネーム『アイラブBEER』さん。

『建築資材卸売業の会社員です。

長年営業畑で本部長までやってきましたが、営業成績を買われて取締役を拝命し、子会社の経営を担うことになりました。

これまで営業一筋やってきまして、経営については全くわかっていません。

何か情報は無いかと、ネットで経営塾と検索したらこちらのサイトがヒットしました。

私のような降って湧いたような新人経営者は、どこから経営の勉強を始めたらいいでしょうか?』

■まずは決算書を読みこなすべし!

どんな仕事にも始まりはあり、経営に精通する長尾社長も30数年前は新人経営者だったはず。当時のことを思い出しながら、新人経営者の心得を語ってくれました。

 


長尾社長:ご相談者さんは営業一筋でやって来られたわけなので、まず押さえておきたいのは『決算書』ですね。
きちんと数字で自社の経営を把握することができるかどうか。
営業畑でもお客様先の経営状況等を把握するため、ちゃんと決算書を読める人もいるんですけど、案外「そういう数字とか見たことありません!」という人も多かったり。

売上や利益が出てくる『損益計算書』は一般の人もよく見るんですが、(読めない人が多いのが)会社の資産状況がどうなっているかを示す貸借対照表、バランスシートですね。もしわからないようなら勉強された方がいい気がしますね。

松尾アナ:本で勉強したり、会計士さんとかにうかがうのが早いですかね?

長尾社長:多分、顧問の税理士さんがいると思うので、「貸借対照表の読み方を教えてくれませんか?」と聞くといいと思います。

大切なことは、ただ読むだけじゃなく自社の収益構造、利益構造。どういう仕組みで自社の利益が出ているのかを把握することです。

ご相談者さんは建築資材の卸売業。一般的な、設備は少なく倉庫や車両があって営業マンがいる…という形なら、粗利が小さい、要するに変動費が大きくそのぶん固定費も小さいという収益構造になります。

自社が利益を出すためには何をやるべきかは、収益構造によって変わってきます。

例えば自社ブランドの商品を作るとすると、今度は粗利が大きくなる。要するに変動費が減る。製造設備を自社で持ったりすると、当然固定費がアップすることになります。そうすると収益構造は変わっていくことになります。

収益構造を変えて行くにはどうするか…ということを発想できるようになるためには、決算書をちゃんと読めて、自社の利益構造というものを数字で把握しておくことが重要になります。

 

■経営界の巨星たちに学ぶべし!

さらに松尾アナから、経営者となるための「学び方」についての質問が。

松尾アナ:経営に関する本は世の中にいっぱいありますが、長尾さんが特に参考したものはありますか?

 

長尾社長:やはり経営に対する背骨を作るというか、ブレないリーダーにならなければいけないわけです。
そこで経営哲学を学ぶのに、なんと言ってもおすすめは松下幸之助さんと、最近お亡くなりになった稲森和夫さんあたりのご著書ですね。

経営の神様と呼ばれるような人たちなので、やはり経営に対する考え、軸がしっかりしていると思うんです。
もちろんちょっと古いんですが、例えば松下幸之助さんの著書なら、その時々の松下幸之助さんの年齢になった気持ちで読むと参考になる。
「あの松下幸之助もこんな苦労をしたんだな」とか。

現在すごく評価されている人にも、若い時にはこんなことがあったんだな…というのは経営者として非常に有効だと思います。

松尾アナ:孫子の兵法は?
(※長尾社長は、経営者であるとともに孫子兵法家としても活躍中)


長尾社長:それも大切。読まなくても、この番組のPodcastを聴いてもらえばバッチリです!

 

■デジタル活用はもはや必須!
最後に、今の時代の経営者の必修科目とも言える『DX』についてもアドバイスがありました。

 

長尾社長:あとこれからの時代はやはりDX!デジタル活用を考えて行かれるべきでしょうね。
今は人材の採用が難しくなっていて、「人でなんとかする」というのが難しいんですよね。
ご相談者さんの建築関係の卸売業態と言うと、やはり人と人との関係が重視されがち。
客先に「まいど、どうもどうも!」みたいに愛想よく行くことは、もちろん大事なことなんだけど、それと同時に、その裏でどうデジタルで効率化して行くかを考えないといけませんね。

 

あとは卸売業の場合は自社のオリジナル商品が無く、仕入れ品になります。
仕入れ品を組み合わせて、それを使う時のサポートをデジタルでやって、これをトータルパッケージで考えたら自社オリジナルのサービスになりますよね。

商品そのものは各メーカーの商品だけど、自社なりのサービスをデジタルでオンしてあげることができれば、卸売業態から自社サービスを展開する業態に変えて行けます。

これが商品を自社開発するとなったら、当然開発費も高くなりますし、常に原価がついてくる。
デジタルの場合には、サービスを1回作っちゃえばあとはいくらでも使えることになります。
そうやって自社が扱っている商材に独自の付加価値を載せる。
卸売業の場合、メーカー品なら他の企業も同じ商品を扱っていますよね。だけど、独自のサービスとセットの提供なら自社でしかできないオリジナルのものになります。
そうすると当然利益率が上がってきて、収益構造も変わってくるということになりますよね。

 

■『アイラブBEER』さんへの回答まとめ

・まずは決算書を読めるように。自社の収益構造、利益構造をきちんと数字で把握することが大切。
・軸のブレないリーダーとなるために、経営の巨人たちの書籍を読み、その経営哲学に触れるべし!
・これからはDX!人と人との関係は重視しつつも、その裏でデジタル活用による効率化を図ろう。

・仕入れ品を扱う卸売業態でも、商品を組み合わせ、デジタルで独自のサービスをオンすれば、自社だけの価値を生み出せる。

 

■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。お仕事のお悩みや、経営戦略、店舗経営のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。
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※番組内のビジネス相談部分はPodcastでも配信中!今までの相談をまとめて聴きたい方にもおすすめです。

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