全国の半数近くが「日本語教室のない空白地域」 背景には地方の指導者不足

全国の半数近くが「日本語教室のない空白地域」 背景には地方の指導者不足

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11月9日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、外国人労働者やその家族を対象とした日本語教室の不足について、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。

森永康平氏「外国人労働者への依存を前提とした議論はどうなのか」

文化庁がまとめた日本語教育実態調査によると、留学生向けの大学や日本語学校以外の日本語教室を行政が把握できていない「空白地域」が、全国1896市区町村の46%に上ることがわかった(2021年11月時点)。教師の4割超が東京都に集中し、地方では指導者が不足。日本語を学ぶ機会の確保をうたった日本語教育推進法の施行から3年が経ったが、環境整備が進まない現状が浮かび上がっている。

このニュースについて、森永氏は「日本語教師って給料が安いんですよ。私がなんでこれを知っているかというと、一時期台湾やインドネシアに住んでいた時に、せっかく言葉を覚えたのに日本に帰った時に忘れるのはもったいないと思って、中国語とインドネシア語の検定を受けていました。資格を持っていることで言語系の仕事の依頼が結構きたのですが、その時に見た日本語教師の給料がすごく低かったんです」と、指導者不足の背景にある賃金の低さを指摘する。

「給与をもう少しあげたら、日本語教師は増えますかね?」(寺島アナ)との問いかけに対し、森永氏は「多少は増えると思います。ただ、これは色々と慎重に議論してほしいなと思うところがあります。これから先日本は人が増えないからとか労働力が減っていくからということで、移民や外国人労働者への依存を前提に話が進んでいるのですが、個人的にはそれありきに進めていくのはどうなのかと思っています。結局、移民政策をとっていたヨーロッパやアメリカの一部地域は失敗してるんですよね。全てがダメだとは言いませんが、かなり欠点が見えています。その欠点を見ずして外国人労働者に依存していく前提で議論を進めていくのはどうかと思います」とコメント。続けて、真に議論すべき点について意見を述べた。

「言語や文化の問題として、たとえば出稼ぎとして日本に来た外国人が言葉や文化がわからず孤独な思いをすることがあると思うのですが、それは(本人が)覚悟を持って出てきているので良いと思います。そこではなく、仮にその人が子供を産んだ時に、十分な日本語教育ができないまま日本で生まれ育った子供はどうすればいいのという話。馴染めなくていじめられたり、貧困でグレちゃう子供が出てくると思います。外国人労働者や移民の問題って、他国の例を見るとそう簡単に推進していくことがお互いにとって良くない可能性があるので、そこの議論をちゃんとしていってほしいと思います」(森永氏)

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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