原曲ではそんなこと言ってない! でも責めているわけじゃない。

原曲ではそんなこと言ってない! でも責めているわけじゃない。

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11月20日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「そんなこと言ってない!」。海外の曲を日本語に訳した曲に目を向けました。

鷲崎健「訳詞というものが昔からよくあるじゃないですか。海外の曲を日本語訳して歌う。その中に全然原曲の歌詞と違うよ、というものは昔からたくさんあったんですけど、さすがに目に余るな……というのがいくつか(笑)。

歌詞が違うぞ、というのを責める、笑うのは無粋だな、とは思うんです。翻訳ポップスのよさでもあるし、翻訳ポップスがもともと大好きなので。これ(特集)は……それをキュートなものとして楽しんでいる、ととらえていただければ!」

松井佐祐里「愛ですね(笑)」

鷲崎「はい! 1曲目、こちらを聴いていただこうと思います」

♪「愛するデューク」/石野真子

鷲崎「『愛するデューク』……デュークどこ行った(笑)。そもそもが1974年に亡くなった、伝説のジャズマン、デューク・エリントンへのトリビュート曲『Sir Duke』。デュークって、デューク・エリントンなんです。スティーヴィー・ワンダーが『Sir Duke』をリリースしたのが77年、石野真子さんのデビューが78年で、この音源がファーストライブからなので、かなり早めのカバー。

『Music is a world within itself』、音楽はひとつの世界。『With a language we all understand』、誰でも理解できる言語……。それが『おいしいお酒には美人がつきものよ……』。なぜか『北酒場』と同じメッセージになってしまっているんですね(笑)。タイトル『愛するデューク』って、デューク残っているんだけど、最後まで歌詞に出てこない(笑)。

『For there's Basie, Miller, Satchmo』、カウント・ベイシー、グレン・ミラー、サッチモはルイ・アームストロングですね。『And the king of all Sir Duke』、デューク・エリントン……。まったく違う歌詞を乗っけた。じゃあなんでタイトル変えなかったんだ、という(笑)。でも昔から大好きで! ぜひみなさんと共有したいと思って、聴いていただきました。続いてはこちらの曲でございます」

♪「特急列車かけおち号」/坂本九

鷲崎「坂本さん、落ち着いてください(笑)。聴けばすぐわかりますね、『特急列車かけおち号」(監獄ロック)』と書いてあります。プレスリーを歌うという72年に発売された、坂本九さんのアルバム収録でございます。プレスリーの曲がズラッと並んでいて、いろんな曲の日本語詞がついているんです。『(監獄ロック)』と書いてあるんですけど監獄の部分がなくなっちゃってる(笑)。

原曲は『The warden threw a party in the country jail』、田舎の刑務所で署長がパーティー開いて刑務所バンドが大騒ぎ。みんななんとなくわかっていたと思うんですけど、バンドが騒いで新人も踊り出すぜ、みたいな歌詞なんです。それが『やっとの思いで買った切符をつかんで乗り込めば列車の中は真暗闇 そうさ恋人同士 何をしてもわからない 特急かけおち号』……何言ってんの(笑)? なんでそうなったのかわからない。

しかも阿久悠先生なんですね。洋楽も聴いていたでしょうしプレスリーも絶対知っていたと思うんですけど、なぜこうなったかは……本当にわからないです(笑)。だって『Jailhouse Rock』って、タイトルだけでもなんとなく『こういうことかな』って想像するじゃない。それすらさせてくれないという」

松井「まさに『そんなこと言ってない!』

鷲崎「続いて。恥ずかしいんですけど私、また自分の曲をかけようと思いまして」

松井「待ってました!」

鷲崎「いままでアルバムに2曲、海外の日本語詞カバーをしております。もともとワム!にいたジョージ・マイケルの『FAITH』、韓国のアイドル・KARAの『Pretty Girl』。どっちをかけようか迷ったんですけど、今回ジョージ・マイケルのほう、おかけしたいと思います」

♪「FAITH」/鷲崎健

鷲崎「お恥ずかしい(笑)」

松井「いやいやいや、みんな待っていましたよ」

鷲崎「正直、前の2曲に比べたらそんなには変わっていないです。ただ1回、訳詞みたいなのをズラッと読んで、そのあとはまったく見ずに歌詞をつけた、という感じですね。メリーゴーランドとか出てきますけど、そんなこと言ってないし(笑)。全体的な大意はなんとなく合っているけども、みたいな」

松井「Twitter(#鷲崎もち)でも『これを聴いて鷲崎さんのこと、好きになったんだよ』」

鷲崎「格好いいと思う、俺も(笑)。僕の世代だと知らない人いないぐらいの大ヒット曲。87年のアメリカ・ビルボードで4週連続1位、シングル年間チャートも1位。これがどれだけすごいかというと、その年はマイケル・ジャクソン『Bad』もあって、ホイットニー・ヒューストンの『すてきなSomebody』とかも。そういったとんでもない、バケモノみたいな曲が大量にあった中での1位なんです。

ワム!はアイドルっぽい格好でデビューして、この曲は、解散してジョージ・マイケルのソロになってから。革ジャンにグラサンに、ヒゲも生やしてマッチョなイメージでできて。みなさんがビックリしたという曲ですね。本日の4曲、最後になるんですけど……これはテーマから逸脱というか、わざとそうしている、という曲です。スティングの『Englishman in New York』という曲のカバーですね」

関西人 in Tokyo」種浦マサオ

松井「ああ、わかります……」

鷲崎「『関西人 in Tokyo』の我々としては……(笑)」

松井「わかる!」

鷲崎「スティングが友人に捧げた曲ですね。基本的にほぼ同じメッセージを歌っていますよ(笑)。『Be yourself no matter what they say』、彼らがなんと言おうと自分らしくあることだ、という印象的なフレーズがあります。種浦マサオさん、奈良出身だと歌っていましたけど、なんと兵庫県出身(笑)。

『大阪人でくくらんといてや 生まれは奈良やから』『アクセントちょっとちゃう 俺 関西人 in Tokyo』『阪神ファンでくくらんといてや 俺、巨人ファンやから だけど六甲おろしは歌える 完璧』……ほかは割と格好いい感じの曲、多いんですけど。いまも手に入るのかな? ぜひ気になった方は、調べていただければと思います」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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