陳謝しなければガーシー議員 歳費4割カット法案提出~ニュースパレード  山本香記者取材後記

陳謝しなければガーシー議員 歳費4割カット法案提出~ニュースパレード 山本香記者取材後記

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 文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)

 その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。

 文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

 

 

3月2日、正当な理由がないのに国会欠席を続け、懲罰をさせられた場合、歳費を4割カットする法律案が参議院に提出された。立憲民主党と日本維新の会が共同で提出した議員立法である。

提出した狙いについて、立憲民主党の小沼巧参議院議員は「特定の個人を念頭に置くのではないが、義務が果たされないことが続くのなら、国会軽視、馬鹿にされた状態が続く。改善しないとならない」と強調した。NHK党のガーシー議員を念頭においている法案なのは誰の目にも明らかだ。当選後、これまでに支給された歳費などは約1800万円に上る。

 

 

2022年7月の参議院選挙で当選後、一度も国会に登院せず「議場での陳謝」の懲罰処分を受けたガーシー議員は、滞在先のドバイから帰国し、3月8日の参議院本会議に出席し、陳謝文の朗読をする予定だ。

 

正当な理由なく欠席ならば、歳費はゼロでもいいのではないか?

地方議員の場合は、減額や全額不支給など自治体ごとに異なるが条例で定めているところがある。

 

東京都議会では、2021年7月の都議会議員選挙期間中に無免許運転運転での当て逃げ事故が発覚した女性議員が、当選後、都議会を欠席し続けたことを受け、都議会は長期間欠席した議員に対する議員報酬不支給の条例改正案を2022年に可決している。

 

 

こうした経緯もあって立憲と維新は、当初、歳費の全額カットを模索したが、憲法第49条に「法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける」という規定があることから、憲法上疑義が生じないよう、カットするのは4割とした。

4割カットとした理由は、国家公務員法の「起訴休職」を参考にしたという。

起訴休職は、職員が何らかの刑事事件で起訴された場合、職務を続けることは公務上、信頼を損ねたり、業務に支障をきたす恐れがあることから休職するもので、起訴休職の期間は100分の60の給与を支給することができるとされていることから国会議員の歳費についても同様の考え方を取り入れたという。

 

病気のため、国会を欠席をする議員もいる。

届け出をすれば歳費をもらったまま療養を続けるられるが、れいわ新選組の水道橋博士前参議院議員は「給料泥棒」との批判を受けたこともあって2023年1月、辞職の道を選んだ。

長期間入院治療を続けその間、歳費を受け取っていた議員もいる。スキャンダルが発覚すると、なぜか病気療養のためという理由で国会を欠席する議員もいる。国会に出席していても寝ている議員もいる。

2021年秋の衆議院選挙で「文書通信交通滞在費」が当選わずか1日で100万円が支給された問題は、その後「調査研究広報滞在費」と名前を変え、月額100万円ではなく日割りになった。

ただし日本維新の会などが目指す使途公開や未使用分の返還は、今国会でも議論になっているが見通しは明るくない。

 

立憲と維新が、ガーシー議員問題に絡めて歳費カット法案を出したのは小さな一歩。

維新の金子道仁参議院議員は、国民に不信感を持たれる歳費の在り方改革について「小さな一歩。コツコツやりながら政治不信を変えていきたい」と力を込めた。

 

防衛費、こども予算倍増、そのお金はどこからまかなうのか。

物価高が続く中で議論が続く今国会。

国民に分かりやすい身を切る改革にどこまで本腰を入れられるのか、1人1人の国会議員の心根が問われている。

 

※アイキャッチ写真はNHK党提供

 

 

 

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