「飲酒ひき逃げしても解雇されない」ビッグモーター問題を取材し続けるジャーナリストが明かした現場の声

「飲酒ひき逃げしても解雇されない」ビッグモーター問題を取材し続けるジャーナリストが明かした現場の声

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これまでビッグモーターの元社員や現役スタッフなど50人以上を取材した、自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんが8月25日の大竹まことゴールデンラジオに出演。現場で聞いた問題点を語った。

大竹「日本の産業を振り返ってみれば、例えばガラスを作ってたらバックミラーを作るようになったとか、ゴムを作ってたら車のワイパーを作るようになったとか、あらゆる産業が自動車と結びついています。そうした中で今度のビッグモーターの一連の不祥事ですが、これは世間に発覚する前から噂なんかはあったんですか?」

加藤「ありましたね。保険金不正請求から騒ぎが発覚したんですけれども、ずいぶん前から、おかしなことと言いますか、あまり一般の中古車屋さんではあり得ないようなことがたくさんありました。」

大竹「この会社に修理を依頼すると、なんか靴下に入れて…」

加藤「ゴルフボールですね。叩いて傷を広げてその分を水増し請求するっていう内部告発がありました。2021年の秋、11月頃なのでだいぶ前なんですよ。前社長・前副社長の耳にも入ってます。」

室井「すごいパワハラとかブラック労働みたいだったんでしょ。」

加藤「本当に変な会社で、国の法律よりも会社のルールが大切なんですね。例えば、飲酒ひき逃げをしたら、車関係の会社なら即刻解雇ぐらいの非常に厳しい処分を受けるじゃないですか。ビッグモーターは違っていて、飲酒ひき逃げしても、降格にも解雇にもならなかった例もあるんですね。そういう人がいる一方、例えば髪の毛の色がちょっと明るすぎるとか、挨拶を立ったまましたとか、そういったことで「明日から来なくていい」と言われたりする、そういう世界なんです。」

大竹「ちゃんとした会社の体をなしてない。」

加藤「40年以上の歴史がある会社なんですけれど、もともと小さな会社が一気に大企業の規模になってしまったので、会社としてのコンプライアンスとか全然ない感じなんですよ。」

大竹「でも、そういう会社が今日まで生き残ってるっていうこと自体ちょっと不思議だよね。行政とかは何もしてなかったの?例えばどこが担当してるんですか?」

加藤「いろいろなんですけど、国土交通省があり、消費者庁があり、経産省があり、金融庁がありっていう感じですよね。だからそれぞれの省庁が「なんかおかしい」っていうことがあったと思うんですけど、縦割りなので、なかなか同時にできなかったと思います。」

大竹「加藤さんは、この現場で働く方々50人ぐらいの方にインタビューをなさって実情を聞いたと伺ってますけど、どんな問題点が浮き上がっていますか?」

加藤「今は廃止されたんですけど、「環境整備点検」という、本来は綺麗に掃除されてるかとか、車がきちんと並べられてるとかを見るんですけど、前副社長が次に辞めさせる人を探していたというんですね。「辞めさせ屋」というあだ名もあって、髪の色がちょっと茶色いとか、挨拶できてなかったとか辞めさせやすそうな人たちをターゲットにして容赦なかったそうです。」

大竹「他にはどんな声がありましたか?」

加藤「パワハラもすごいんですけど、やっぱり不正だらけなんですよね。だけど不正をしてる社員っていうのは、不正をしないと数字が出せない社員。つまりあんまり成績が良くない人たちなんですよね。だからビッグモーターの中にも全く不正とは無縁で、非常に優秀な、お客さんからも信頼されている、トップセールスの方々もいらっしゃるんですよ。例えば26歳ぐらいで年収1700万円とかですね。」

大竹「ビッグモーターは今後どういうことになっていくんですか?」

加藤「被害を受けた方が何千人何万人っているので、その人たちの救済をちゃんとやっていくべきだと思います。今は、お金を作らなきゃいけないので、1万台以上の展示車両を業者向けのオークションに出して現金化を急いでいる感じです。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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