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PART2 東京散歩 ラジグライブニング
ONAIR REPORT
7月25日(月)〜7月29日(金)
今週は、台東区元浅草の版画摺師・長尾直太郎さんを訪ねました。
長尾家は、江戸に四〇〇年住む旗本の家柄で、お祖父さん、長尾源太郎さんの時に明治維新を迎え、以来、版画の摺りを仕事にし、御年86才・直太郎さんが3代目。(一般的には錦絵・浮世絵と呼ばれる)江戸版画の重鎮として世界に知られる方です。
「ここんところ、江戸のこと知らないやつばっかりが集まって江戸のこと、あぁだ、こうだ、言うからイヤんなっちゃう。頭来ちゃうんですよ。うちは旗本で江戸に400年住んでます。この商売になったのはお祖父さんの時からです。
浮世絵・錦絵について話せばいいんですね、、、
江戸時代は錦絵は16文で売られたんです。庶民の楽しみですね。屋台の蕎麦と同じ値段、安いもんなんです。だから、どんないい絵でも板は5枚・両面で10面。板6枚使うと16文で売れない。採算があわない。それでもって、私たち摺師の使う絵の具は4色しか使わない。すべて4色の掛け合わせで色を出していくんです。
“鑑賞の仕方”、、、ですか?
この絵を買った人がどんな暮らしをしていたか、知らなきゃだめなんですよ。
江戸の庶民が住んだ長屋ってのは、間口九尺×奥行二間、六畳一間。便所は10軒で1つを使います。江戸ってのは8割の土地に人口2割の侍が住んで、2割の土地に8割の町人が住んでたんです。狭い家の中で額なんか飾る壁はないです。だから、錦絵は額に入れないで手で持って見たんです。立派な額に入れて壁に飾ったら良さはわかんないですよ。貧乏人の楽しみを、金持ちがよってたかって玩具にしちゃうから、本当の良さがわかんないんです。
“摺りの仕事について”ですか、、、、
浮世絵、錦絵というのは、絵師が版下を書いて、彫り師が板を彫って、摺師がする。分業なんです。手前の自慢するのもいやだけど、、、摺りの難しさっていうのは、版画は木でしょ。木は水を含むと反ったり縮んだりする。外国の印刷にはそれがない。凸版は鉄、石版は石、だから原板が狂わない。版画は原板が狂う。だから難しい。どうやって、そったり縮んだりした板に紙を合わせるかというと、紙をぬらして伸ばしたりする。それが一枚二枚じゃないでしょ。それぞれ違った狂いをした板に重ねて摺っていくんだから、、、そこを合わせていくのが腕なんですよ。
親父に教わったこと?
親父は名人と言われた人で、小僧さんや職人さんには色々教えていたんですが、息子の自分には何も教えてくれなかった。「なんで俺にだけ教えないんだ」と不満でしたけどね、親父が死ぬ前「俺に習ったら俺の上にいけないよ。俺の欠点をみて仕事を覚えろ。俺の仕事の上に行け」といいました。「なるほど、そうだったんだなぁ」と思いましたね。私もこの年になりましたが、とても親父の域には達しません、親父の仕事はすごいですよ。
長尾さんの作品は、工房(台東区元浅草1−1−1)で購入できます。
電話03(3841)9310



直太郎氏・次男 彫師 長尾次朗氏 
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