今週は作家の内館牧子さんにお越し頂きました。
クボジュンさんは、内館さん脚本の2000年 NHK朝の連続テレビ小説『私の青空』でナレーションを担当。
それ以来ということで、聞きたいことがいっぱい!ひとつひとつに丁寧にお答え下さった内館さんでした。

2017msh0430-2.jpg

クボジュンさん「内館さんの2015年に出された作品『終わった人』、読ませて頂きました。ずっと愛され続けている作品で。」
内館さん「みんな、怖いもの見たさで読んでいるんじゃないかしら?」
クボジュンさん「"定年は生前葬だ"」
内館さん「思わず書いてたの。定年の日は黒塗りのハイヤーで家まで送られていく。みんな「遊びに来てくださいね」とか言ってるけど、あれ、ながーいクラクション鳴らしたらもう出棺よね?」
クボジュンさん「書き出しはやっぱり大事なんですか?」
内館さん「大事ですよね。やっぱり登場人物をきちんと作っておくとブレないんです。逆にね、とにかくストーリーを作りたい!ストーリーを作ってそこに登場人物をあてはめていくと、もたないですよ。」
クボジュンさん「人を作るんですか!どういう風に!?」
内館さん「性格とか、学歴、職歴とかお母さんはどんな人なのか、再婚か初婚なのか、出身地はどこなのか、朝の連続テレビ小説とかって長いでしょう?ああいう時もしっかり作る。それができると動くの。」
クボジュンさん「小説では登場しない内容かもしれないですよね?」
内館さん「そう、おっしゃる通りでね、登場しない部分をしっかり作るの。」
クボジュンさん「それは特に主人公を?」
内館さん「全部ですよ。」
クボジュンさん「今までもそうですけど、内館さんはハッとさせられるようなテーマを取り上げられますよね。どういう時にテーマが浮かぶんでしょうか?」
内館さん「これね、歩いててポッと浮かぶこともあるわね。たとえば『週末婚』だったら、私の周りに離婚する友達とかいるんですよね。そりゃ、24時間・365日・何十年もいれば男も女も飽きるわよって。それじゃ、週末だけ会うのはどうだろうってふっと出てくる。」
クボジュンさん「書いたことがないから、質問だらけになっちゃう(笑) お名前はどうやって考えるんですか?」
内館さん「すわりがいい名前よね。今どきの女の子をテーマにするときはあんまり好きじゃないけど、きらきらネームを付けますよね。」
クボジュンさん「説得力がなくなりますもんね。」
内館さん「よくね、趣味はマン・ウォッチングですとかいう人がいるでしょ?そういう人とは絶対に友達になりたくないわよ~(笑) やっぱり新聞は役に立つ。隅から隅まで読む。」
クボジュンさん「何紙も読んでいるんですか?」
内館さん「地方に行けば、そこの地方の新聞を。宝庫なのよ~!特にお金をかけてゼミに行くとかね、講演とかを聞くとかじゃないんですよね。なんとなく「おっ、これは縁だ」って。みんなそうなんじゃないかなぁ?」

内館さんの作品作りのポイントなどを聞かせて頂きました。来週は内館さんの子供のころについてお話を伺いたいと思います。

【本日の1曲目】 ビューティフル・ネーム /ゴダイゴ 
【内館牧子さん 選曲】 仰げば尊し /ダークダックス  
今はほとんど卒業式で歌われなくなっているこの曲。
内館さん「"身をたて 名をあげ"の部分が差別じゃないかって。でもね、"やよはげめよ"の"やよ"っていうのは調べてみたら、同級生がお互いに「おい、頑張ろうなー」ってちょっとした掛け声。そういうことを分かっていれば差別でも何でもない、とっても良い曲なのに。」と選曲して下さいました。
【久保純子 My Sweet Home】 2017年5月 1日 11:30