「僕はこうしてゴミ屋敷の住人になった」作家・五木寛之はナゼ役に立たないものを捨てないのか?

「僕はこうしてゴミ屋敷の住人になった」作家・五木寛之はナゼ役に立たないものを捨てないのか?

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マガジンハウス新書から「捨てない生きかた」が発売中の作家・五木寛之さんが4月18日の「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)に登場。断捨離とは真逆の、要らないものでも取っておく理由を語っていただきました。

大竹「今や断捨離ブームですけど、五木さんは捨てない?」

五木「日本だけじゃなく国際的にも断捨離ブームで、北欧風のシンプルライフがみんなの憧れの的なんですよ。ただね、春先にTシャツを買って、夏中使って、秋には捨てるみたいなことをしていたら大変で、6割ぐらいがシーズンすぎると燃やされたり地面に埋められたりして、日本だけでもものすごい数の1000万トンとも言われるぐらいの廃棄物があります。僕は地球環境なんて大げさなことは考えてないけども、それでもやっぱりカーボンニュートラルとかは国境を越えた大問題です。このままで行くと人類そのものの生存が危ぶまれるんじゃないか、というくらいのところまで来てるらしいんです。」

大竹「本の中には、マッチ箱の収集をされているご友人の話が出てきます。「このマッチの店を仕切ってたのはロシアの人でね…」という風に、マッチ一つから一つの思い出が蘇ってくそうです。」

五木「戦前の喫茶店っていうのはね、一軒一軒がオリジナルのマッチを作ってたんです。集めると何百何千っていうコレクションができるんだけど、それを引き上げの時に持って来れなかったって古い友人が言っていました。僕もバーとか喫茶店のコースターを、何百枚か持ってます。(笑)あんまり役に立たないものを持ってた方がいいんですよ。」

大竹「役に立たないものを持っていたほうがいい?」

五木「歴史っていうのは社会の記憶なんですね。古い記憶を組み立てて、その上に今がある。今を見て明日を見るためにはやっぱり後ろを振り返らなきゃいけないんです。でも「思い出」はなかなか漠然としか思い出せないんですけども、「依代(よりしろ)」という巫女さんとかそういう人たちが使う、物に霊が降りてくるみたいな言葉があって、なにかのきっかけあるとが鮮やかに記憶が蘇ってくるんですね。僕はそういう「依代」のつもりで物を見てますから、おろそかに捨てられない。そのためにゴミ屋敷の住人になったのです。」

大竹「私も昔、新宿に聞き慣れないジャズを聞きに行って、その店に薄っぺらい紙のマッチがあったんですけども、今になってみると取っとけば良かったなぁ…」

五木「きざな話だけどプルーストの小説かなにかに、紅茶を飲みながらマドレーヌというお菓子を浸すと、記憶がぱあっと水中花のように蘇ってくる、なんていう描写があるそうなんですがそういう感じですよね。壊れたものとか、もう役に立たなくなった万年筆とか、そういうものでも「あのころはこれで書いてたんだ」とか「原稿料は随分安かったな」とか、いろんなことを思いだします。」

大竹「断捨離で物を捨てるのは一つの生き方になってますけど、五木さんは捨てるのを否定するわけではないんですよね。」

五木「断捨離は僕も賛成なんですよ。だけどなかなかできないでしょ?できないっていうことがコンプレックスになったり、「俺はなんてダメなんだ」とかプレッシャーになる人もずいぶんいるんですが、そうなる必要はないんです。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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// 2022.04.28追加