現代に必要とされる営業マン像は?営業のお悩み2本を解決!『長尾一洋 ラジオde経営塾』6月27日(月)放送

現代に必要とされる営業マン像は?営業のお悩み2本を解決!『長尾一洋 ラジオde経営塾』6月27日(月)放送

Share

約8,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答!
今回は、みんな気になる"営業"についての2つのお悩みが寄せられました。

■1つ目のご相談「営業戦略の見直し、何を意識すべき?」

ご相談者はラジオネーム『レンゴク』さん
職業:会社役員
業種:美容・エステ(卸売)
会社規模:170人
卸売業で全国販売を行うご相談者さんの会社では、各地で営業担当が営業を行っているものの、担当ごとで営業成績にかなりのバラつきがあるとのこと。今回は営業戦略の見直しについてご相談いただきました。
『経営者の交代を機に、営業戦略の見直しが重点項目に挙がっています。これまでは営業担当それぞれの自主性に任せていましたが、営業管理を行うことで営業力の底上げによる売上拡大を狙っています。SFAなどの営業支援ツールの導入も考えていますが、その前に何を意識して取り組むべきなのか、長尾先生のお考えをお聞きしたいです。』

■成長拡大を目指すなら組織的営業に舵を切る

まず話題に上がったのは、営業戦略見直しの方向性についてです。
ご相談者さんの会社は170人規模で全国にビジネスを展開中。なかなか大きな規模ではあるものの、170人が全国に分散することを考えると、地域ごとでは他社に負けてしまう可能性もあります。
そこでさらに成長と拡大を目指すのであれば、やはり組織的な営業に変えていくことが必須であると長尾社長は考えます。
逆に現在の規模ややり方を維持するだけでいいのであれば、そこまでの必要が無い場合もあります。

■マンパワー頼みでは頭打ちになる

(ご相談者さんの会社の詳細は不明ですが)美容関連の卸売業の場合、多くの会社で、個人別に歩合的な要素が取り入れられています。
売る人と売らない人の差が大きく出るのが歩合制。売れている営業マンは、他の社員にスキルや知見の横展開をしないため、差が縮まることがありません。

しかし会社の成長に必要なのは、全体的な底上げです。そのためには個々人の力に依存しない、組織的な動きに変えていく必要があります。
長尾社長:”普通の人が普通にやって成績が上がるようにする”という発想に転換していかなければいけません。

個々人の営業力アップより、組織力アップにフォーカスすること。そのビジョンや意図を、経営陣がはっきりと意識しながら取り組む必要があると長尾社長は考えます。

■営業力と商品力は会社の両輪

もう1つ長尾社長が指摘するのは、商品力の重要性です。
商品力の有無は、当然営業の成績に大きく関係します。売上拡大のためには営業力も必要ですが、商品力や品揃えもとても重要となります。

長尾社長:営業力だけで売ろうというのは、本来おかしいんです。しょぼい商品なのに営業マンのトークだけで売れてる…って言ったら「ええ!?いいんですかそれ?」ってなるじゃん(笑)。
でも、いい商品なのに上手く訴求できていないから売れない、という会社も良くない。
商品力と営業力は両輪。それを上手く回していくのが大切です。

さらにご相談者さんの会社は卸売業。扱うのが自社商品ではなく、多くの場合、他にも同じ物を扱う同業者が存在します。その場合、差別化のポイントが”営業マン本人”となりやすいのも注意点です。
そこから、「人間力を高めろ!」的な方向に向かう会社が多くありますが、属人的な部分にハマっていくと、組織の成長は止まってしまうと長尾社長は考えます。

営業力強化を考えるなら、経営陣は営業マン1人1人の小手先の技にフォーカスするのではなく、いかに商品力を上げ、その商品知識を普通の営業マンにもきちんと持たせるかに考えをシフトしていきましょう。
■評価方法の変革も必要

評価の方法を変えていくことも重要です。
歩合的なやり方ではなく、いかにやるべきことをきっちりやったか。プロセスをどう評価していくかに考え方を変える必要があります。

長尾社長:そうなるとSFAなどのITツールも非常に有効になるんです。…なるんですけれども…

と長尾社長。評価方法を変える際に起こりがちなのが、今まで力のあった営業マンや、営業上がりの経営者の方々には、「商品力を信頼し、やるべきことをやっていたら売れました」という方法が”甘っちょろく”見えてしまうという事態。

長尾社長:「そんなんお前、売ったうちに入らんやろ!売ったんじゃない、ただ売れただけなんや!」みたいことを言いたくなるという(笑)。そういう事とのせめぎ合いが、組織的な営業にシフトしたり、SFAなどに取り組む際には非常に重要になると思います。
■レンゴクさんへの回答まとめ
・成長拡大を目指すなら組織的な営業へのシフトが必要。
・営業力と商品力は両輪。どちらかに偏っては成長は見込めない。
・評価の方法にも変化が必要。歩合的な方法ではなく、プロセスをどう評価するかが大切。
・普通の人がきちんとやるべきことをやったら売れる体制づくりを。
・営業を組織化するには、SFAなどのITツールも非常に有効。

■2つ目のご相談「これからの時代の、価値の高い営業パーソンはどんな人?」

2つ目のご相談を寄せてくれたのは、ラジオネーム『コーヘイ』さん。
職業:会社員
業種:金融・保険
会社規模:300人程度
『AIや”個の時代”が加速して、右から左へ流す営業や、押し売り営業は淘汰されて行くと思いますが、その中で市場価値のある営業パーソンとはどういう人か、長尾さんのお考えを聞きたいです』

■「お客様を否定できる」のが、これからの営業マン
長尾社長:なるほど!これは非常に有効なご質問、ご指摘だと思います。AIの活用や、ネット販売が増えるこれらは、御用聞き的にお客様の言いなりになる営業マンは存在理由がなくなる…。

我が意を得たり!と長尾社長は応えます。
そんな長尾社長が考える、これからの営業マンとはお客さんを否定できる、お客さんを超える、そういう営業マンだと言います。

■AIでは置き換えられない営業マンとは

番組MCの松尾アナは驚きを隠せない様子。
松尾:お客さんを否定できる…ってなかなか勇気がいりませんか?

長尾社長:要りますよね。でもそれができないんであれば、もうAIが過去の購買履歴などから判断して最適な商品を提供すればいい。営業マンなんか使わずにネットでやった方が、より安くお届けできるわけなんですよ。

 

長尾社長が考える“お客様を否定できる営業マン”とは、お客さんのあるべき姿をイメージでき、そのためにより良い道を示すことができる営業マン。
AIは過去の購買履歴や行動に沿った提案ができますが、「いやいやお客様、ちょっとそれは違うんじゃないですか」と否定することはありません。

松尾:お客さんのあるべき姿を考えられるということは、お客さんのことを相当勉強しなければいけないですね。

さらに否定的な指摘を行うにしても、お客さんに嫌な思いをさせずうまく伝える技も必要です。


長尾社長:営業はなくなることは無いと思いますが、そういう人が生き残って、そういう次元の戦いに移っていくのではないですかね。

■コーヘイさんへの回答まとめ
・これから必要とされるのは、お客様を否定できる営業マン、お客様を超える営業マン。
・単に商品を紹介し受注業務を行うだけならば、AIに置き換えられてしまう。
・お客様を否定できるのは、お客様の会社にとっての”あるべき姿”とは何かをイメージできる力があってこそ。

・その次元の戦いを生き抜くには、否定的な内容を上手に伝える技も必要。
■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。
お仕事のお悩みや、経営戦略のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。

 

Share

関連記事

NOW ON AIR
ページTOPへ