『ごんぎつね』の読解力問題。「煮ている」は誤読していることになるのか?

『ごんぎつね』の読解力問題。「煮ている」は誤読していることになるのか?

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「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、今週は文化放送SDGsウィーク期間の放送。9月21日はSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」をピックアップし、「読解力」をテーマにお届けした。

石井光太さんの著書『ルポ 誰が国語力を殺すのか』において、『ごんぎつね』に出てくる、葬式用の料理がつくられる様子の描写を、「遺体を煮て殺菌消毒している」と読む小学生が多いことが最近、話題となった。

西川あやの「小学生の読解力低下を嘆く声がある一方で、自由な解釈があってもいい、という見方も。お葬式のイメージが昔といまとでは違いすぎるから仕方ない、という意見もありました」

大島育宙「この件で読解力の低下が爆発的に話題になってしまったわけですけど、何十年もかけて、子供が文章を読む時間が圧倒的に減ってきている。ゲームをする、テレビ、スマホを見る、という時間が増えているので、それ(読解力の低下)は自然に起こることでしょうがないと思う。この事例が適切かというと、微妙だなと思うところは正直あります。(実際)これは難しいシーンで。担任が国語教育の専門家の人だったんですけど、『ごんぎつね』を半年ぐらいかけて読まされて、新美南吉記念館にも行って、思い入れが深い作品なんです。確かにここ、引っかかりました。」

永井玲衣「子供たちが自由に読むべきなのか、ごんの心情に合わせて読むべきなのか、というところが明かされないまま『読んでみよう』『これはどういうこと?』と(質問を)投げられてしまうから、それは『なんか、え? 煮てる?』となってしまう。それ自体を『おかしい』というのは早すぎるというか。ご本人(石井さん)も慎重に書かれていると思いますけど、あまりにバズりすぎて、いろんな議論が出てしまったのは悲しいというか寂しいかな」

大島「このニュース自体の読解そのものが難しいという状況はあります」

『ごんぎつね』の話に戻ると、石井さんは「母親の遺体を煮ている」という、小学生の解釈は、社会常識があるかないかの問題で「誤読ですらない」と指摘している。

西川「誤読は『ありえないことではない解釈』を指すそうなんです。たとえば(『ごんぎつね』の)この場面は、『家が食堂を経営している』、『喪服を消毒している』、という解釈であれば誤読といえると」

大島「あくまでレベルの問題だと思いますけどね。社会的な常識をインプットする場がなくなってきているというのは間違いなくて。子供たちが不幸だと思う部分はあるけど、そのぶん別の体験をしているからという。めっちゃゲームやネットで大人が知っている部分を知っている、それを子供から学ぶ、ということもある」

永井「うん」

大島「大人が『Z世代は早いからついていけないよ』と言っているわけじゃないですか。子供からしたら(逆に)『大人たちの読解力が足りないよ』と思うわけで。いろんな物差しの読解力がある時代であって、古典を読むときにはその世代差が顕著になる、ということだと思います。でも石井さんの指摘もよくわかります!」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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