“伝統”という言葉の正しい使われ方とは?

“伝統”という言葉の正しい使われ方とは?

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女装パフォーマーのブルボンヌと、伝統芸能研究家の重藤暁を迎えた3月31日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
特集コーナーでは「『人間関係における伝統』をクリエイティブ!」というテーマでお届けした。

近年、話題を集めている同性婚や選択的夫婦別姓。それらの反対意見として見受けられるのが“伝統的家族観”というもの。「異性同士が結婚して、同じ苗字を名乗って子供を授かるべき」というような、私たちの社会のあらゆるところに古くから根強く残る人間関係のルールや考え方がある。

“多様性”という言葉が広まり、一人一人が自分自身の生き方を見つめ直している今、「家族の形はこうでなければいけない」「職場では周りに合わせなければならない」といった考え方は本当に必要なのか。

西川あやの「“伝統的家族観”って、たとえば『父親が外で働いて、母親が家庭を守る』『子どもがいたほうがいい』といった考え方とか『お父さんのおかずが一品多い』とか色々ありますけど、必要なんですかね?」

ブルボンヌ「その考え方に、その人たちの性格とか生き方が合っていれば『全然そのまんまで楽しんで』っていう話だけどね。最近言われているのは『異性を愛せないんだよね』とか『どうしても仕事の関係で苗字を揃えるのは難しいんだよね』とか『難しいことがあった結果、子どもを作らない(作れない)という結果があったんだよね』とか、それぞれの事情で“異性同士の結婚”“同じ苗字を名乗る”“子供を授かる”っていうのが全部揃う人が少なくなってきている時代に、『その枠が標準であって、そこから外れた人は劣っている』みたいな考え方は違うんじゃないの?っていうのが、いま言われている話なのかな、って思うんだよね」

重藤暁「『伝統』って名前を付けちゃうと、あたかもそれが『守らなければならない』みたいな切り口に突然変異しません?」

ブルボンヌ「たしかに。たとえば部活とかって“伝統”って言葉使いがちじゃない?『うちの部の伝統』みたいに言いがちだよね」

西川「その言葉を出されちゃうと、個人的な感情は出しづらいですよね」

ブルボンヌ「『受け継がれてきたものはなるべく大切にしたい』っていう好きだからの思いで“伝統”っていう言葉を使っている人は『その通りかもね』って思えるけど、『そうやって言えば言うことを聞かせられる』みたいな感覚で言っている人も少なからずいるから、そこは大分違うんだよね、きっとね」

重藤「職場だと、『朝礼を止めると業績が下がったから朝礼大事』みたいなのがあるんですって。でも、それって朝礼をやるんじゃなくて『朝礼をやることで、そこにメリットがあって…』っていう、いろんな説明を全部バッサリ切って、ショートカットで『伝統だから』って言うことに気持ち悪さがありますよね」

ブルボンヌ「思いがないとダメ、ってことね。受け手もリスペクトしている気持ちが伝わってくれば『この人が大事にしている思いを自分も知ろう』ってポジティブに思えるかもしれないから、“伝統を伝える人の心を読み取っていく”ってことが大事なのかなと思うんだよね」

さらに、伝統と慣習の違いや、宝塚歌劇団の伝統などについても話した。

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。

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