雑誌が減ると書き手が困る。書き手が困ると社会の損失!?

雑誌が減ると書き手が困る。書き手が困ると社会の損失!?

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4月17日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「雑誌の魅力」をテーマにお届け。老舗雑誌の休刊や廃刊も相次ぐ中、書き手としても関わりの深いジャーナリスト・青木理、小説家・山内マリコに、西川あやのが話を聞いた。

西川あやの「お二人は書き手としてはもちろんですが、読者として雑誌を読む習慣というのは? いまもあります?」

山内マリコ「あります。ただ私、紙の雑誌を紙で買うというより、dマガジンであらゆる雑誌を読めるので、それにハマって。主にdマガジンでワーッと見て、いいなと思ったら買う、みたいな感じですね」

西川「昔は書店で立ち読みできるところもありましたけど、その楽しみ方ができますね。『週刊朝日』は今年5月に休刊、『イブニング』は2月28日発売号で休刊、『ザテレビジョン』も休止(月刊に統合)で話題となっていました。青木さんは雑誌、どうですか?」

青木理「読者としてもずっと読んできたし、書き手としても仕事の場なので、雑誌というのは大切なメディアです。きょうはいろんな話をしたいな、と思うんですが……、厳しいんですよ。たぶんいま、単体で黒字の雑誌ってほとんどないんじゃないですか? 『週刊現代』はどちらかというとおじさん向けの雑誌だけど、90年代のピーク時は100何十万部か出ていたはずですよ」

山内「へえ~!」

青木「『週刊文春』や『週刊新潮』だって当時は70、80万という部数が出ていた。やむをえないんだけど、雑誌という媒体が、インターネットの登場と、その隆盛によって過去のものになりつつある。それは現実として否めないな、というのはありますね」

西川「週刊誌は電車の中吊り広告がなくなったときも話題になって『寂しいな』と思いました」

青木「僕らの仕事、この番組でも話しているメディアとかジャーナリズムという世界の話をすると、ネットにこれが置き換わっていくといいんだけど、なかなかそうはならないんですよ。たとえば取材って出張したり、いろんな人に会ったり、空振りもしたりする。それなりにお金がかかるじゃないですか」

西川「はい」

青木「そうして取材するという行為が雑誌でなくなっちゃうと、いわゆる『一次情報』がとれなくなる。ネット上にはいろんな情報が流れている。でも流れている、あるいはSNSでみんながリツイートしている情報って、基本的には新聞、テレビ、雑誌などが取材している情報をこすっているだけ、というところがある」

山内「また聞きのまた聞き、みたいな」

青木「だから雑誌という、大きな一次情報の発信源というのがなくなってくると、いくらネットが『みんなが情報を発信できる』といっても、発信する情報が細っていってしまう。僕らみたいな書き手にとっては生活が困るんだけど、それにとどまらず、世の中に流れる情報というのが減ってしまう。社会にとって重大な損失だな、という気はしますね」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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