世代を超えて つながる 「好き」 ラジオ、落語、音楽。そして言葉。 林家たい平・アンジェリーナ 1/ 3 スペシャル対談

世代を超えて つながる 「好き」 ラジオ、落語、音楽。そして言葉。 林家たい平・アンジェリーナ 1/ 3 スペシャル対談

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文化放送の出演者同士であることをきっかけに、世代を超えた交流が始まった
林家たい平さんアンジェリーナ1/3さん
文化放送のキャンペーンキャッチ「好きがつながる文化放送」をテーマに、ラジオ、落語、音楽について語っていただきました。

※こちらは、文化放送の月刊フリーマガジン「フクミミ」2023年8&9月号に掲載されたインタビューです。

目次

  1. 偶然から生まれた二人の出会い
  2. ラジオの言葉が人生に影響を与えるとき
  3. 落語と音楽。お互いのフィールドの魅力とは
  4. 「 さん 」ではなく「 ちゃん 」の意味

偶然から生まれた二人の出会い

─ お二人の交流が始まったきっかけとして、お互いのラジオ番組の収録日がたまたま同じで、アンジーさんがたい平さんのところにご挨拶にうかがったそうですが、そのときの第一印象を教えてください。

アンジー とにかく元気にと思って「おはようございます!」とご挨拶したら、たい平さんも「はじめまして!」って、すごく温かく迎えてくれて。太陽みたいな方だな、というのが第一印象でした。

たい平 向かいのスタジオにピンクの人がちらちら見えてたので、「(林家)ペーさんかな?」って。

アンジー (笑)

たい平 そしたらアンジーが出てきて挨拶をしてくれたんですけど、本当に礼儀正しくてチャーミングな子だなと。すごく一生懸命な気持ちが伝わってきて、一瞬でファンになりましたね。

─ アンジーさんの「一生懸命さ」は、小さい頃から育まれたものなのでしょうか。

アンジー そうですね。裕福な家庭ではなかったので、「何かをしたいときには自分から動きなさい。周りの人が一緒に頑張りたいと思えるような人間になりなさい 」と教えられて育ちました。

たい平 アンジーはきっと、家族の愛や周囲の愛をたくさん受けながら育ってきたんでしょう。いろいろ苦労をしてきた中でも愛情をしっかり受け取ってきたから、彼女の中に温かいものがいっぱい熟成してるんですよね。

アンジー グッときちゃう…。いつもたい平さんとお話しすると(涙腺が)緩んじゃうんです(笑)

ラジオの言葉が人生に影響を与えるとき

─ お二人それぞれが文化放送でレギュラー番組を担当し、お互いの番組へのゲスト出演も実現しました。

たい平 アンジーの番組に出るの、夢でしたからね。

アンジー 嘘つけー(笑)

たい平 いやいや(笑)。ただ、それこそ「世代を超えて」というか、出演する前はアンジーのラジオを聴いている世代と僕のラジオを聴いている世代は違うんじゃないかと思っていたんですけど、実際はすごく幅広い世代がアンジーの番組を聴いているんだなと。

アンジー 最初はラジオがどういうものかよくわからないままスタートしたんですが、続けていく中でどんどんラジオを好きになっていきました。私の活動の中で一番の軸になるのは所属するバンド・Gacharic Spin(ガチャリックスピン)の活動になるわけですけど、「ラジオって隣に寄り添ってくれる存在なんだ」と感じたときに、音楽と直結する部分があるなと思ったんです。ラジオから流れてくる言葉や音楽が、いつしか自分が生きていく時間の中での糧になるんだなと。私たちの音楽も言葉を大切にしているので、ラジオの言葉も大切にすることで、バンドの活動にもつながるし、縁もつながっていくんじゃないかと思っています。

たい平 僕は1964年、東京オリンピックの年に生まれました。学生時代はラジオの深夜放送の全盛期。学校で友達と話すのも楽しいけれど、家で一人になったとき、ラジオの中にもっと親しい友達がいるような感覚になれるのが深夜番組でした。カセットテープに録音して、何度も聴き返しました。そして大学3年の夜に、五代目柳家小さんの粗忽長屋(そこつながや)という落語をラジオで聴いて、落語家になろうと決意したんです。だからラジオは本当に人生に影響を与えてくれる存在だと思っています。

落語と音楽。お互いのフィールドの魅力とは

─ アンジーさんは寄席に興味を持ち始めたそうですが、ご自身が感じる寄席の魅力を教えてください。

アンジー まだまだ初心者なので語れることは少ないんですけど、一番の魅力だと思うのは「一期一会 」なところです。その場所でしか出会えない芸人さん、時間、空気。ライブでしか味わえない魅力が詰まっている場所だと思います。落語や講談はすごく言葉や音を大切にする芸事で、自分自身の表現も、寄席に出会う前と寄席を体感した後では全然違うものになったと感じています。

─ たい平さんから見て、アンジーさんの音楽活動はどのように映っているのでしょうか。

たい平 音楽って、すごくストレートに心の中を表現できて羨ましいですね。最近アンジーが、亡くなったお父さんに向けて歌詞を書いた「Voice 」という曲も、自分の心をしっかり言葉にしています。僕たち落語家はあまりにもストレートすぎると「粋じゃないね 」と言われてしまう仕事なので、なんとなくオブラートに包みますけど。でも、基本的に僕がやっている落語は、昔からある古典落語に今の自分が伝えたいメッセージを乗せて伝えているつもりです。音楽と落語で表現手段の違いはありますけれども、たぶんアンジーと僕はそういうところで惹かれ合うものがあるんじゃないかと思っています。そのうえで、落語では届かないボールも音楽というボールなら遠くまで届けることができる。そこが音楽の素晴らしさだと思います。

「 さん 」ではなく「 ちゃん 」の意味

─ 最後にせっかくの機会なので、お相手に聞いてみたいことや伝えたいことなどがあれば。

たい平 最初はアンジーから「師匠 」とか「たい平さん」とか呼ばれていたんですけど、最近はもう「たい平ちゃん」なんですよ。

アンジー そうですね(笑)

たい平 先日アンジーのラジオを聴いたとき、アンジーのお父さんの呼び方が「お父ちゃん」だったんですよ。もしかして、たい平ちゃんの「ちゃん」はお父ちゃんの「ちゃん」なのかなと思って、勝手に嬉しくなりまして。もちろん本物のお父ちゃんにはなれないけれども、アンジーのお父ちゃんみたいな存在として、これからも見守っていけたらなと。

アンジー 嬉しいです。お父ちゃんの「ちゃん」です!本当に「父ちゃんがいたら、きっとこんな感じなんだろうな」って思います。だから私も娘のようなポジションで、どんどん成長していく姿を見せていきたいです。

たい平 本当の娘に LINEを送ってもなかなか既読にならないけど、アンジーはすぐ既読になるのですごく嬉しいんです。

アンジー ありがとうございます(笑)

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