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(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2015年4月27日
4月26日 第156回放送
鎌田さんが代表理事のJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)は、イラク
のがんの子どもたちへの医療支援から始まりましたが、昨今はイスラム過激派組織IS
との戦闘や迫害から逃れて来た難民キャンプでの医療活動をしています。今回はイラク
難民キャンプから戻って来たばかりの鎌田さんが、現地の最新状況をお伝えします。
イラク北部の都市「アルビル」は、クルド人自治区の主都でJIM-NETが事務所を
置く街です。鎌田さんはアルビルから車で3時間かけてドホークへ、さらに2時間かけ
シリア国境沿いの村にある難民キャンプを訪ねました。薬や注射を支援するだけでなく
現地の医療スタッフと共に診察したり、キャンプ内でも体を動かす様に行動変容を促す
アドバイスをしました。難民キャンプで会った40人の非イスラムの「ヤジディ教徒」
(クルド系少数宗派)は、ISに捕らわれて数か月間幽閉されて悲惨な生活を強いられ
ながら夜陰に乗じて脱出した人々。人間の尊厳を無視したISの蛮行を告発する話と、
訪れた時がヤジディ教徒の旧暦の新年だったので、キリスト教のイースター(復活祭)
のように卵に色づけをして新年を祝うため多量の卵を鎌田さん達が用立て喜ばれた話や
卵1個で子どもたちが笑顔になった話などを報告します。後半は"医師が説く健康話"
のシリーズから今回は「カマタ流健康寿命延長術」を紹介します。寝たきり3大要因は
認知症・骨粗鬆症・脳卒中ですが、寝たきりにならない為に助言します。「色の付いた
野菜を食べる」「いい油を採る」と続き、アメリカの「ロゼット伝説」を紹介します。
ペンシルバニア州のロゼットの住民は、肥満傾向ですが何故か心筋梗塞がとても少ない
その理由は住民同士の「絆」に関係するという研究結果です。その詳細は番組で判明。
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2015年4月20日
4月19日 第155回放送
江戸時代の儒学者・貝原益軒が説いた健康の指南書『養生訓』から300年余りが経ち
長寿時代を迎え、健康でこそ老後は楽しいもので「健康長寿でありたい!」と誰でも考
えます。ゲストは『新世紀版・養生訓』(河出書房新社)の著者・済陽高穂さんです。
東京・板橋区にある「西台クリニック」院長の済陽(ワタヨウと読みます)高穂さんは
外科医として大学病院や都立病院で4000例を超える「がん切除手術」を執刀してき
ました。がんが日本人の死因の1位になって30有余年、がんの三大治療法は、手術・
抗がん剤・放射線です。外科医の高穂さんは、手術の遠隔成績を調べるために1406
例の消化器がん手術の追跡調査を行ったところ、術後の5年生存率が52%という予想
よりもかなり厳しいものでした。手術でがんを切っても、放射線でがんを焼き殺しても
抗がん剤でがんをたたいても、半数の人ががんを再発してしまう。再発しなかった患者
さんや百歳長寿の方に話を聞き「がんを撲滅するカギは食事にある」と気付きました。
がん患者さんには三大療法と併せて、食事改善で「代謝と免疫力を高める」ことが必要
不可欠だと考えるに至り「済陽式食事療法」を考案しました。例えば「がんに負けない
体づくりに欠かせない三大食材は、レモン、リンゴ、にんじん」無農薬か低農薬をよく
水洗いして皮ごと食べること。「百歳まで生きる五か条」は①朝ジュース、②長寿食の
ベースは縄文食、③趣味と生きがい、④入浴と排泄で解毒、⑤早寝早起きと説きます。
「西台クリニック」は、PETやCTなどの最新鋭の検診機材を使った専門医の診断と
最新の医療と併せて「がん食事療法」を薦めるもので、食事療法だけではありません。
がん患者さんに限らず生活習慣病予防にもなる「健康のための食生活のお薦め」です。
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2015年4月13日
4月12日 第154回放送
長野県の「諏訪中央病院」で地域医療に携わって30有余年になる鎌田實さんが掲げる
「いい医者の十か条」には、①患者の話をよく聞いてくれる。②話がわかりやすい等々
十うち六つが「コミュニケーション」に関わる項目です。医師と患者の関係はコミュニ
ケーションがうまく取れるか否かといい、ここに「医療の原点」があるという話です。
福島県南相馬市の『絆診療所』では、患者の立場に寄り添う診察の様子が見られます。
院長は遠藤清次さん。震災前は『小高病院』の院長を務めていましたが、震災後小高区
は警戒区域となり閉院。猪苗代町立病院に移り、多数の避難者の診察に当たりました。
その遠藤さんのもとに「小高病院を守る会」の会員が出向き、戻ってほしい!と要請。
遠藤さんは「仮設住宅の孤立死を防ぎ、健康を守るきっかけになれば」と南相馬市への
帰還を決断し、鹿島商工会の斡旋もあり仮設店舗内に念願の絆診療所を開設しました。
外科医の遠藤さんは、患者さんのケガを治し、病巣を切除という「体」を治療するのが
仕事でしたが、震災後にお年寄りの患者さんを多く診るようになり「人間」を診る様に
なったといいます。遠藤さんは「治す医療」と「支える医療」を分けて患者さんに貢献
することを実践しています。「医師の言う事に従ってください!」的な発言は一切なく
「そうだね」「大丈夫だよ」と優しい口調で相槌を打ち、患者さんの傍らにいて見守り
患者さんの斜め後ろからついて行く感じの微妙な距離感に優しさが見受けられます。
獅子奮迅の日々にさぞやストレスフルで疲れていると思いきや「人のために役立つと思
うとオキシトシンが出ているのか疲れる事はありません!」と笑って答える遠藤さん。
患部を治療するだけではなく、患者さんの心と体全体を診守ってくれる良医がいます。
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2015年4月 6日
4月5日 第153回放送
映画館で観てもDVDで視ても「非日常」の世界に誘い感動や喜びを与えてくる映画は
飛びっきりの娯楽だ!という鎌田さんと村上さん。今回はおススメ映画を紹介します。
『イミテーションゲーム』。イギリス政府が50年間秘密にしていた実話をもとにした
映画です。主人公の数学者アラン・チューリングの開発した機械は、コンピューターの
元祖といわれ、ナチスの暗号機「エニグマ」の解読に成功したお陰で第二次世界大戦は
2年早く終結し1400万人が救われたとも。地味ながらワクワクして飽きない展開。
『風に立つライオン』。さだまさしさんの同名曲が出たのは28年も前で、アフリカの
ケニアで国際医療活動に従事した日本人医師柴田紘一郎さんをモデルにした作品です。
医療と人間をテーマにした作品に出演してきた大沢たかおさんが、今作の小説化と映画
化を熱望し、小説は2013年に上梓。そして今年、ついに大沢さん主演による念願の
映画版が誕生しました。いろんなことを考えさせられ教えられる佳き映画と好評です。
『おみおくりの作法』。小さな映画館での上映ながら異例のヒットを続ける作品です。
ロンドン市ケニントン地区の民生係のジョン・メイ。身寄りのない人を弔うのが仕事。
たとえたった独りで死んでも、誰もが誰かと関わった経緯があるはずと事務的には処理
しない。最後の案件を処理したところで、思いがけないラストシーンに胸が震えます。
『little forest冬春』。都会生活に疲れて故郷である東北の小さな集落
に戻ってきたヒロインのいち子。生きるために食べ、食べるために作る。全てがひとつ
ながりになった暮らしを描いた作品です。余計な効果音を排し、自然の音を活かしたり
演技を排した演技?その境目も感じさせない。ラストシーンの神楽の舞に感動します。
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