
(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2025年6月20日
6月15日 第675回放送
大規模な自然災害が発生すると、被災者が避難所に密集して雑魚寝するようなケースが
あり心身への影響が懸念されます。避難所で確保すべき生活環境指標『スフィア基準』
では、居住スペース、水の供給量、食事の栄養価、トイレは20人に1基で男用1に対
し女用3と規定。アウトドアが被災地支援につながる野口健さんの活動を紹介します。
富士山やエベレストの清掃をはじめ、被災地支援やシェルパ基金、ヒマラヤの学校建設
森林再生プロジェクトなど様々な活動を実践し、人並み外れた行動力や情熱で賛同者を
巻き込み、有言実行する野口さん。アウトドアと被災地支援をつなげる契機となったの
は2015年ネパール滞在中に大地震に遭遇、ベースキャンプのテントと寝袋の有用性
を実感して、ヒマラヤ大震災基金を立ち上げました。翌2016年の「熊本地震」では
約700名を迎え入れるテント村の設置と運営も担いました。去年の能登半島地震では
1万個の寝袋を届け、ボランティアのためのテント村設営など積極的に行動しました。
過去の避難所支援の経験から真冬の避難所に「寝袋」は絶対必要と判断。気温2度の体
育館では毛布よりも寝袋の保温性とコンパクトに畳める利点があります。代表を務める
「ピーク・エイド」と災害協定を結んでいる岡山県総社市と連携して、某通販サイトの
ウィッシュリスト機能を使い、基準を満たした寝袋を購入するように呼び掛けました。
また、被災地支援を迅速に進めるうえで大事なのは行政間のつながりを指摘。行政から
地元の「社会福祉協議会」に連絡してもらうと、実働するNPOやNGOとの連携がス
ムーズに進められます。NPO同士の連携例では災害協定を結んでいる「風に立つライ
オン基金」と電動式トイレ『ラップポン』を購入し設置したら大変喜ばれたそうです。
日曜はがんばらない : 12:59
2025年6月13日
6月8日 第674回放送
視覚に障がいのある人達が読み書きできる「点字」が誕生して200年。考案したのは
16歳のフランス人盲学生ルイ・ブライユです。6つの凸点を組み合わせて文字や数字
を表わし、日本語点字の基礎は『東京盲唖学校』教師の石川倉次が考案したものですが
点字は今や世界130の言語に対応し、情報獲得で生活の質の向上に役立っています。
今週は、点字で朗読している『こうばこの会』メンバーの竹内智美さんとの鼎談です。
「こうばこ」は香を炊いて心を静めた古来の雅な風習に使われた箱「香箱」になぞらえ
て付けられたグループ名です。メンバーそれぞれが放つとりどりの香しさを届けられた
らと1993年に視覚障がい者が中心となって旗上げした「トークパフォーマンス」の
グループです。主な活動は図書館や福祉施設を利用して開催する朗読会ですが、主催し
た公演はすでに60回を数えます。竹内さんは1999年に朗読初舞台を踏みました。
先天性緑内障で7歳までに光覚を失った竹内さんは、中学まで通った盲学校では合唱部
に所属し歌が大好きだったそうです。障がい学生支援が充実している和光大学人文学部
を卒業後は、図書館での点字指導、東京都の福祉職では医療ソーシャルワーカー業務。
現在は「学校法人成蹊学園」にヘルスキーパーとして勤務しています。朗読との出会い
は「東京子ども図書館」で「昔話」を覚えて語る研修を受けたのを機に、絵本や童話の
語りに取り組み、現在は時代小説なども語っています。番組では藤沢周平作『山桜』の
一部を朗読しますが、難しい一人語りの表現を見事に披露します。晴眼者は台本の文字
の先まで見えるが、点字は触れた一文字しか読めないので、朗読会に備えて暗唱できる
くらいまで覚えるために2、3か月前から毎日のように物語を読んでいるといいます。
日曜はがんばらない : 12:55
2025年6月 6日
6月1日 第673回放送
ジャズの名曲『ムーンライト・セレナーデ』が随所に流れる話題の映画『うぉっしゅ』
企画・脚本・監督をした岡﨑育之介さんがゲスト。認知症の女性をテーマに、介護と縁
のなかった孫娘が祖母との触れ合いから距離を縮めていく様子を描くストーリーです。
31歳の岡﨑さんは昭和の芸能史に名を残す放送作家でタレントの永六輔さんが祖父、
母親はフリーアナウンサーでエッセイストの永麻理さんという環境で育ち、その名が常
について回ることは「嬉しくもあるが、複雑な心境でもある」と吐露。16歳から芝居
の勉強を始め18歳で俳優としてデビューし、日米で演出家としての勉強も続ける中で
「永六輔の孫」が意図しないこともあったから。本作で認知症の祖母を演じる研ナオコ
さんに出演交渉する際も、無視されることを覚悟のうえで、永六輔の孫とは名乗らずに
所属事務所の公式ホームページから出演料も明記して出演依頼のメールを送ると「一切
の妥協なし」が条件で出演快諾の返事をいただいた。さらに映画の製作費をクラウドフ
ァンディングで募っていたが締切日に出演料の10倍の金額を投資してくれたと告白。
物語はソープ店で働く孫娘が一週間だけ母親に代わり祖母の介護を引き受けて、祖母の
家とソープ店を行き来して「人の身体」を洗い続けるダブルワークをすることになる。
会うたびに「初対面」を繰り返してゆく2人の間で「どうせ忘れる」ので本当のことを
素直に打ち明けられている自分に気付き、変化を感じ取る。また祖母のそれまでの人生
が垣間見えてくる...。「風俗と介護」というややもすれば暗くなりがちなテーマですが
本作は、終始明るいムードが漂う作品です。岡﨑監督は「誰もが楽しめる明るく楽しい
映画を作りたかった」と語り、カラーボールが軽やかに弾むシーンが象徴に残ります。
日曜はがんばらない : 10:24
2025年5月30日
5月25日 第672回放送
医師生活50年の鎌田實さんは『諏訪中央病院』で多くの患者さんに接してきました。
またホスピスではたくさんの終末期の患者さんを診てきました。更に病院の外では対談
や取材を通じて今は亡き多くの著名人にも会う機会を得ました。そのように今まで出会
った人々や自身の体験から導き出した結論は「人生うまいこと生きれば、ちょうどいい
死に方ができる」といいます。今回は『うまいように死ぬ』をテーマにお届けします。
鎌田さんは「人は"下り坂"でこそ上手な人生のギアチェンジができると思う」と言い
年齢を重ねると物事を忘れる"忘却力"というパワーが全開になり、それを上手に利用
すると「ちょうどいい忘却」の状態が起きます。それにより、若い頃にはできなかった
「ちょうどいいわがまま」や「ちょうどいい堕落」ができるようになり、その延長線上
に「ちょうどいい死に方」が待っているという。古代インドの聖人が人生を四つの時期
に区切った最後の「遊行期」は人生のしがらみから解放されて正直に生きる大切な時期
とされています。それを見事に体現したのが俳優の樹木希林さんで「死ぬときくらい、
好きにさせてよ」と言って「病気でも好きなことは我慢しないで、やりたい仕事は最後
までやる」という姿勢を貫いて、死ぬ2か月前まで撮影に参加しました。永六輔さんは
「旅が好きだから、行き倒れがいい。死体をひっくり返して、このアゴの長さは永六輔
だよと言われるような終わり方がいいな」と言いながらも「最期は自宅がいい」と翻意
家族に囲まれて逝きました。歌うことが好きだった鎌田さんの岳父は末期がんで入院し
最期は讃美歌を歌いながら逝ったそうです。昨年春に中学時代からの親友ケンイチさん
を亡くし遺った旧友3人組で悲しみに区切りをつける「卒哭忌」での逸話も語ります。
日曜はがんばらない : 13:14