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(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2019年7月29日
7月28日 第369回放送
「私達の身体は星屑で出来ている」と言ったのは、天文学者のカール・セーガン博士。
銀河に存在する無数の惑星の構成物質と身体の構成物質は、元素の比率こそ違いますが
元素そのものはほぼ同じ。寿命を迎えた星が超新星爆発を起こすことで、生命の種とも
いえる元素が宇宙空間にばら撒かれ、その星の欠片から生命が誕生したとすれば、多く
の人が夜空に輝く星に憧れを抱くのは始原の故郷への郷愁です。『星の歌特集』です。
今も世界で歌い継がれる『星に願いを』は、ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌です
1940年に公開されアカデミー賞主題歌賞と音楽賞をW受賞。日本で公開されたのは
戦後の1952年でした。映画ではコオロギの声のクリフ・エドワーズが歌いました。
『星の界(ほしのよ)』はチャールズ・C・コンヴァースのメロディに詩人杉谷代水の詞
が採用されて1910年の『中学唱歌』に登場。文部省唱歌として歌われ続け、70年
以降は詞を変えて『星の世界』として教科書に載っています。歌はダーク・ダックス。
3曲目は宮沢賢治の童話『双子の星』と『銀河鉄道の夜』に登場する『星めぐりの歌』
歌黒田京子&サックス坂田明コンビで「がんばらないレーベル」からの第2弾アルバム
『おむすび』に納められた一曲です。洋楽からは1977年1月8日付「ビルボード」
1位のマリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・ジュニアの『星空のふたり』です。
最後は永六輔作詞、いずみたく作曲、坂本九の代表曲『見上げてごらん夜の星を』です
が、この作品は1960年初演の同名ミュージカルの劇中主題歌として作られました。
当時多くの若者が集団就職で上京した時代背景があり、主人公も昼は働き、夜は定時制
高校に通う苦学生で、彼らの"ささやかな幸せ"を歌っており、映画化もされました。
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2019年7月22日
7月21日 第368回放送
"喉元過ぎれば、熱さを忘れる"という諺があります。今年は梅雨寒で去年の猛暑が嘘
のようです。去年の夏は95000人が熱中症で病院に搬送され、気象庁は「災害レベ
ルの暑さ」と表現しました。それほど暑かったにもかかわらずすっかり忘れています。
梅雨明け後は夏本番です。水分補給と十分な睡眠をとり「熱中症」を予防しましょう!
医師とアナウンサーの共通点は、話すことも大切ですが、相手の話を聴くことも大事で
共に「傾聴」を心掛けています。東日本大震災から8年が経ち、インフラの復興は進ん
でいますが、心に傷を負った人たちの復興は容易ではありません。そこで宗教者ならで
はの「心のケア」を施す専門職「臨床宗教師」が震災後に誕生しました。僧侶や牧師が
宗教と宗派の枠を超え、被災者の声にじっと耳を傾ける役割を担っています。震災直後
から活動を続け、2万人を超える人々の声を傾聴し続ける宮城県栗原市の「通大寺」の
住職・金田諦應さんが電話で登場。金田さんは『傾聴移動喫茶 カフェ・デ・モンク』
といい軽トラックに喫茶店の道具一式を詰め込んで被災地を巡る。おいしいコーヒーを
無料で提供しながら、ひたすら被災者の話を聴く「なごみの空間」を提供しています。
「MONK」は英語でお坊さんのことで「文句」を聴きながら、一緒に「悶苦」すると
いう洒落っ気たっぷりなネーミング。BGMにはジャズのセロニアス・モンクを流す。
聴き手の自分は「暇げで、軽みのある佇まい」を意識し、相手の語ることを全て肯定。
相手の話の裏にある物語を見つけるようにし「さみしぐね」と東北弁で言われても本音
かどうかは全身を耳にし、溜め息一つ聴き逃さず、身じろぎ一つ見逃さないようにして
相手の機微を探る。人間の持つ自己回復能力が傾聴によって引き出されていくと言う。
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2019年7月15日
7月14日 第367回放送
かつては日本中の小学校の校庭にあった二宮金次郎の像。彼の知名度は抜群ですがその
功績はあまり知られていないのが実情です。彼の実像に迫る映画『二宮金次郎』を強く
推薦する村上さんは老若みんなに観て欲しい!といいます。映画好きの鎌田さんも紹介
したい映画数本を用意してスタジオ入り。今回は「2人がおススメする映画特集」です
『二宮金次郎』は俳優陣の迫真の演技もさることながら、衣装や小道具、台詞、しぐさ
に作り物でないリアリティー感が随所に見られたと感心。さらに二宮の思想が無理なく
描かれており、例えば「一円融合」という考え方は「どんな人にも良さがあるので反対
する者も排除しないで生かしていく」つまり相反する異なったものが、一つの円に融合
し一体となることが「一円融合」の意味。対立や対比で成り立る世の中だが、これらを
同心円に入れて、一方があれば他方があるので、共に認め合おうという主張。又「積小
為大」は大きな事業も小さなことの積み重ねで成し遂げられるという意味の教訓です。
鎌田さんは8月2日から公開される映画『風をつかまえた少年』を紹介。2001年の
大干ばつに襲われたアフリカの貧国マラウイであった実話。14歳の少年は飢饉による
貧困で学費を払えず通学を断念するが、図書館で一冊の本と出会い、独学で風力発電の
できる風車を作り、乾いた畑に水を引くことを思いつく。最愛の父さえ少年の言葉に耳
を貸さない四面楚歌の中で、彼のまっすぐな想いが、徐々に周りを動かし始め、やがて
自家発電に成功。彼は村人を救いタイム誌の「世界を変える30人」に選ばれている。
他に『COLDWAR あの歌、2つの心』・『マイ・インターン』・『世界の涯ての鼓動』
ロバート・レッドフォード俳優引退作『さらば愛しきアウトロー』と、最年長アメリカ
連邦最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの記録『RBG最強の85才』です。
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2019年7月 8日
7月7日 第366回放送
江戸時代、不法な夫から妻を救済する幕府公認の縁切寺(駆け込み寺)は鎌倉の東慶寺
と群馬の満徳寺が有名です。新宿歌舞伎町で現代版の駆け込み寺を開設する「公益社団
法人日本駆け込み寺」にはDV、虐待、いじめ、自殺願望、依存症に加えて出所者まで
17年間で5万人が相談し「どんな過去でもやり直しはきく」と寄り添う玄秀盛さん。
玄さんが「日本駆け込み寺」発足の原点になった恩師との逸話をたっぷりと語ります。
玄さんが師と仰ぐのは、天台宗大阿闍梨の酒井雄哉師。7年がかりで約4万キロを歩く
比叡山延暦寺の荒行「千日回峰行」を2度満行し「生き仏」と称され、6年前に87歳
で遷化された天台宗僧侶。仏道の中でも最も厳しいとされる荒行を2回満行した行者は
比叡山の長い歴史の中でも3人しかいないという至難の行です。最大の難関は七百日目
の「堂入り」で9日間の断食、断水、不眠不休を続け、ひたすら不動明王と一体となる
ことを願う荒行で、師が2回目を満行したときは60歳という最高齢での達成でした。
一方の大阪生まれの玄さんは4人の父と4人の母のもとを転々として暮らし常に邪魔者
扱いされて育ったために荒んだ生活を送り補導歴8回、逮捕歴5回という特異な経歴が
その生活ぶりを物語っています。不動産や貸金業を営み金儲けしか考えなかった玄さん
が紹介されて会ったのが大阿闍梨酒井雄哉師の茶室。2年後には得度をして慈覚大師の
足跡を訪ね歩く大阿闍梨の「東北巡行」の先達として青森の恐山まで巡行。その巡行で
交わした師弟問答が『大阿闍梨酒井雄哉の遺言』として佼成出版社から刊行されました
玄さんは問います「阿闍梨サン...お経で人が救えますか?生きる意味って何ですの?」
誰もが一度は疑問に思うことを忌憚なく問答します。座右の銘「一日一生」とは何か?
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2019年7月 1日
6月30日 第365回放送
七夕までの向こう一週間は、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の降る日が多い予報で
梅雨空が続きます。晴耕雨読とは、晴れた日には体を使って汗を流し、雨の日には読書
によって頭を使える喜びを味わえる生活が人にとって理想的な生活だと伝えています。
さらに、世間の煩わしさを離れて、自由気ままに生活することで、悠々自適として自然
のままに生きる様という意味でも使われます。鎌田&村上が「おススメの本」を紹介。
朝井リョウ著『死にがいを求めて生きているの』は鎌田さんのおススメ。2つの対立軸
のもとに「生きがい」や「死にがい」の為に若者たちが必死に生きる姿を描いている。
植物状態のまま病院で眠る智也、彼を献身的に見守る雄介。2人の間にあるいびつな真
実とは?自分は価値ある人間なのか?今を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語。
もう一冊は、アメリカのイェール大学で23年連続の人気講義を書籍化したシェリー・
ケーガン著『DEATH「死」とは何か』で死を哲学的、倫理的、道徳的に分析する。
村上さんは垣内俊哉著『バリアバリュー~障害を価値に変える~』を推薦。垣内さんは
「骨形成不全症」で自立歩行が困難で10歳から車椅子生活。20回骨折し受けた手術
も十数回。6年前には5分間心停止したが奇跡の生還を果たした。いつも命の瀬戸際を
歩いてきた。曰く「人生の時間は変えられないが、幅は変えられる」その強さに感心。
最後は、ジャパネットたかた創業者の高田明さんが師と仰ぐ世阿弥の言葉を超訳した本
『高田明と読む世阿弥~昨日の自分を超えていく~』です。高田さんは「他人と比べず
"自分史上最高"を全力で追う」ことを大切にすることが信条。例えば、世阿弥は言う
是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず-等々。
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