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(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2020年6月29日
6月28日 第416回放送
今週はスーパーコンピューター「富岳」が計算速度を競う世界ランキングで1位になり
日本のスパコン「世界一」は8年ぶりの快挙達成という明るいニュースがありました。
世界的疫病の新型コロナウイルスを巡る事態で見過ごしがちな話題を互いに語ります。
まずは8月公開の映画『もったいないキッチン』を鎌田さんが推薦。日本が大切にして
きた「もったいない」精神に魅せられたオーストリア人のダーヴィド・グロス監督が、
福島から鹿児島まで各地を旅し「食品ロス解決の糸口」を探すドキュメンタリーです。
グロス監督はフードアクティビスト"食材救出人"としてフードロスの問題に取り組み
「捨てられてしまう食材を救い出し、美味しい料理に変身させよう」と活動を続ける。
日本の食品廃棄量は年間643万トン。世界でも有数の食品ロスを出している点を指摘
して、その廃棄食料の半分は家庭から出ているという。村上さんはコロナ禍で「フード
バンク」に食料を求める人が増加ことを伝える。農家や企業から食材寄付は増えている
ものの、フードバンクはボランティアで成り立っているため、人手不足と保管場所確保
が不十分で寄付を受け取れない「もったいない現象」も起きていることを紹介します。
後半は「つながり&対話」でしなやかに強く、幸せな未来を共に創造することを目指す
『幸せ経済社会研究所』枝廣淳子さんが「ウイルスに負けずに健やかに暮らす羅針盤」
として提案する5項目。体力・免疫力を保とう/ポジティブな気分でいよう/つながり
を保とう/感謝の気持ちを忘れずに/大事なことは考え続けよう。枝廣さんは「コロナ
だけに惑わされず、平時と同じく深く考え続けることが重要」と説きます。最後は京都
清滝の『くれない茶屋』の故秋山夙子さんの箴言をまとめた小山薫堂さんの本を紹介。
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2020年6月22日
6月21日 第415回放送
3か月ぶりに駅や観光地に家族連れの姿が戻ってきました。19日に県境をまたぐ移動
も解禁されて初めての週末です。新型コロナウイルスの感染防止策を徹底させながら、
少しずつ客足を取り戻す取組が始まりました。テーマは『夏に向かってコロナと共に』
これからの暑い季節に備えてドクター鎌田からのアドバイス。今年は新型コロナの影響
で外出自粛が続き、運動不足による体力低下から「熱中症」になるリスクが高まってい
ます。また、感染予防でマスク着用が求められています。対面で会話する時は必要です
が、顔を覆うマスクは熱がこもりがちになり、特に高齢者や子どもは熱中症のリスクが
高まるので、周囲の人との距離が保てる場所では、適宜マスクを外して休憩をとったり
水分を補給するなど心掛けましょう。さらに可能な人はウォーミングアップをして汗を
かく訓練を今からしておくと良いと助言。後半は、NHKで長年ニュースを伝える立場
にいた村上さんが「コロナ禍での番組キャスターのことば」を取り上げます。阪神淡路
大震災や東日本大震災の時にニュースの送り手として「ことばの無力さ」を感じた一方
「ことばの素晴らしさ」も感じたという。不用意なことばを使ってはならないことは言
うに及ばず、用意したことばも寄り添わないことが多い。非常時の咄嗟の時に放送現場
のことばは余程吟味されたものでないとならないと考えていた。新型コロナ報道を巡り
番組キャスターたちのことばに注目が集まっています。なかでも日本テレビの藤井貴彦
アナウンサーがその存在感を高めています。藤井アナのことばは時宜を得て、視聴者の
気持ちに寄り添ったものだから「視聴者の心にささる」と事例と共に紹介。3か月ぶり
に再開した村上さんの「ことば塾」で集めたウイズコロナの嬉しい言葉も紹介します。
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2020年6月15日
6月14日 第414回放送
関東地方も梅雨入りしました。各地でアジサイが見頃を迎え、ソーシャルディスタンス
を保って鑑賞するように呼びかけている掲示板が今季を象徴しています。コロナ禍では
対面するボランティア活動が難しいので、代わりに寄付が増えていると鎌田さんが関係
する団体の事情を紹介。寄付という「やさしい寄り添い型」が徐々に浸透しています。
新型コロナの「感染拡大防止」と「社会経済活動」を両立させる「新しい生活様式」に
切り替えていく必要があります。新型コロナに対してこれからどう付き合うべきなのか
鎌田さんの考えは、2つの数値が大事だと指摘。1つは「実効再生産数」で1人が何人
感染させるかという数字です。これが「1」以下なら感染は減少し以上なら拡大する。
もう1つは「重症患者数」です。新型コロナの特徴は、多くの感染者が無症状か軽症で
済み、重症化するのは少数。そこで人工呼吸器が必要な「重症患者の数」の把握です。
重症患者の対応が出来ないと医療崩壊に繋がるので、今後の感染流行での第2波に備え
集中治療室の数を増やすなど対策する上でも重症患者数の推移を見る必要があります。
2度目の「緊急事態宣言」を出さないで済むように個々が守るべきことはしっかり守り
3蜜の回避など基本的感染対策をして、新型コロナとの長丁場の生活に備えましょう。
後半は村上さんが『NASAより宇宙に近い町工場』の著者である植松努さんを紹介。
北海道赤平市の町工場でロケットを作っている植松さんは、ものごとを無理という視点
でみるのではなく「どうしたらできるか?」という視点で見ることが大事と言います。
無理や無駄という考えからは何も生まれないし「どうせ無理」は自信と可能性を奪って
しまう。人は常に成長出来るので、失敗したときは「ただいま成長中」と言えばいい。
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2020年6月 9日
6月7日 第413回放送
新型コロナの感染予防で人々が集まれない寄り添えない状況が続く中、テレビ出演して
「物理的に離れても、社会的につながることが重要」とコメントする鎌田さん。4年前
ホームレスの「路上文学賞」で入選したKKさんから「テレビ視て連絡したくなった」
と近況報告。ホームレスを脱し清掃員として暮らす日常が綴られ、コロナ禍にも安堵。
今週のテーマは「新型コロナウイルスの特徴」や「日常の過ごし方」を語り合います。
同じく鎌田さんのテレビを視た尼崎市の小林書店の店主から届いたハガキには「百人の
知り合いにハガキを書こうと思い立ち一枚一枚書いています。皆で必ず来る新しい日常
のため、元気で乗り切りましょう」と記されていた。デジタル通信技術では味わえない
ハガキの温もりを再認識したひと時。新型コロナウイルスの特徴として最近話題の子供
が感染しても無症状や軽症ですむのは、子供はウイルスが鼻腔内に留まっていることが
多く、重症化しないのではないかという説。新型コロナの侵入を許す受容体ACE2は
口腔粘膜に多いと考えられ、口から他臓器に広がっていくので唾液やヨダレに要注意。
飲食のときはマスクを外し、話すときはマスクを着けるという習慣を徹底しましょう。
コロナ禍で時間ができた村上さんは本棚整理。数年ぶりに『思いやりの日本語』という
著者は山下景子さん。コロナで日本人の「思いやり」はどこへ消えてしまったのだろう
そんなやるせない思いを抱えながら読んだら和らいだ。人の気持ちに「思いを遣る」は
まるで心の使者を遣わすように人の立場や心情に思いを巡らせてきたのが我ら日本人。
「心置き無く」や「心行くまで」などは自分はさておき相手のことを思い遣った言葉。
相合傘、相合布団など分け隔てなく共有し合った。今こそ「相合地球」地球を一つに!
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2020年6月 1日
5月31日 第412回放送
今日は「世界禁煙デー」です。世界保健機関(WHO)は喫煙者が新型コロナウイルス
に感染した場合、非喫煙者に比べ深刻な病状につながる可能性が高いと発表しましたが
コロナ禍を契機に果たして何人が「禁煙」に踏み切るか?それが気になるところです。
今回はドクター鎌田の「家で出来る新型コロナウイルスと認知症対策」を紹介します。
新型コロナから身を守り、脳の元気を守るために鎌田さんが実践している「免疫力を上
げる習慣」を具体的に案内します。まず、新型コロナの重症化を防ぐには、血圧の上昇
に注意することです。高血圧は新型コロナの重症化と認知症のリスクになります。改善
するには「減塩」と「野菜をたくさん食べる」と「肥満防止の運動」の3つ。続いては
血糖値を上げない習慣で、慢性炎症を抑える。糖尿病の人は感染しやすくなり、重症化
しやすくなるといわれています。既に糖尿病の人は、悪化させないことが大事ですから
これまで以上に積極的に食事療法と運動療法を行い、血糖値を管理しましょう。肥満も
新型コロナにはリスクになります。糖尿病や肥満があると「アディポネクチン」という
メタボを改善してくれるホルモンが減り「アディポサイトカイン」という炎症性の物質
が多くなります。血糖値を上げない食事術として、納豆・オクラ・とろろなどネバネバ
食品を食べる。食物繊維が豊富なコンニャクやごぼうなどを先に食べる。糖の吸収を穏
やかにする酢やレモン汁、乳製品を先に食べるなど心掛けましょう。更に朝昼晩のリズ
ムを整えて「自然免疫」の力を高める。太陽の光を浴び、朝食を食べるこうしたことで
体内時計がリセットされ血液やリンパの流れを良くします。脳は喜びで活性化します。
詳しくは、鎌田さんの新刊『認知症にならない29の習慣』のご一読をお勧めします。
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