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(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2023年8月30日
8月27日 第581回放送
日本には国宝級の物から、地域に根ざした無名の物まで数多くの神社仏閣があります。
その建築や補修を手がける職人が「宮大工」ですが、現役の高齢化と後継者不足が続き
建築物の維持保全が危ぶまれています。そこで宮大工の伝統的な質の高い技術を継承し
若手育成に奔走する宮大工『花升木工社寺建築』の女将・市川千里さんがゲストです。
世界最古の木造建築物といわれる奈良の「法隆寺」をはじめ、全国に建造から数百年を
超える神社仏閣が多く残っています。1400年余、時代を乗り越え受け継がれてきた
宮大工の匠の技。金物を使わずに木と木を組み合わせて繋ぐ「木組み」など技術の習得
に最低でも10年はかかるといわれています。日本の社寺建築、ひいては全国神社仏閣
に根付いた日本文化、地域文化を守っていくためにも宮大工を増やしていくことが急務
で、棟梁の市川昌麻さんと女将の千里さんの二人三脚で若手の育成に当ります。宮大工
の技術継承は、言葉による口伝ではなく目で見て学ぶ「目伝」です。修行中の益田音和
さんが電話出演し「木組みの精緻さに魅了された。また、社寺建築用木材は高価なので
ミスを防ぐ方法を徹底的に教えて貰っている」といいます。可能な限り神奈川県の間伐
材を使いたいという『花升』の理由は、山が守られることで山に住む生き物たちを守る
事になり更に川の生き物、海の環境を守る事にも繋がっているからと千里さんの説明。
宮大工はSDGsや脱炭素が叫ばれるずっと以前からそれを実践してきた職場、女将は
男所帯なので、母親代わりに早朝から弁当作りに励み、職人が心身共に健康であるよう
陰ながら支えている役目という。宮大工養成プロジェクト、宮大工体験ツアー、子ども
宮大工プロジェクト等、多くを語らぬ宮大工に代わって活動の広報役を担っています。
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2023年8月25日
8月20日 第580回放送
誰にでも「大切にしてる言葉」があります。鎌田さんのそれは「にもかかわらず」です
困難に陥ったときに力を与えてくれるマジックワード。病弱になったニモカカワラズ/
お金に悩んでいるニモカカワラズ/高齢になったニモカカワラズ。ニモカカワラズ哲学
で生きれば何歳になっても幸せになれるはず。今回は『にもかかわらずという生き方』
古来ヨーロッパでは勇気/思慮/節制/寛容/公正の5つが自然の徳とされ、生きる上
で最も大切なものとされています。〇〇だから勇気が必要。〇〇だから寛容であれ!等
理に則して「順接的に生きる道」を示しています。一方で信じる/愛する/希望は「に
もかかわらず」という逆接的に生きる道を示します。友人が失敗したり、信用を失った
「にもかかわらず」信じ、愛し続けることができます。絶望的な状況のなかにも希望を
持つことが大事です。鎌田さんの「人生は波で出来ていると考える」という「波理論」
幼少期は貧しく旅行など楽しむ余裕はなかったが「今はダメでもいつか行ける」と信じ
長じて各地を旅行できるようになった。貧しい「にもかかわらず」希望を見いだした。
新刊の新書版『鎌田式「にもかかわらず」という生き方』には、読んで即使えるような
言葉やアイディアも載っていますが交友のある署名人のエピソードも紹介しています。
例えば、ジャーナリストの田原総一朗さん。愛妻の乳がん末期「余命告知」ができずに
後悔し、夫人に叱られて一層仲良くなった最期。黒柳徹子さんはジャイアント馬場さん
直伝のヒンズースクワットをしているのが現役で活躍できる秘訣。老人体形で虚弱で外
出も億劫になった86歳の大村崑さんが、高齢「にもかかわらず」一念発起して筋トレ
に励み、見事なスクワットをする91歳の雄姿。苦境や逆境を好転させる言葉と哲学。
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2023年8月18日
8月13日 第579回放送
リスナーさんから「八月は六日九日十五日」という句を永六輔さんが紹介して以来忘れ
ないようにしています!といただきました。永さんが「詠み人不詳」として紹介した句
は、冒頭を「八月の」や「八月や」とした類似句が多くの人に詠まれていたからです。
78年前の「8月の出来事」を知らない世代に語り継ぎたい「詠み人多数の句」です。
今週は、懐かしい想い出や青春の日々につながる音楽の『想い出のリクエスト特集』。
◆三鷹市の男性からのリクエストは、パーシー・フェイス楽団の『夏の日の恋』です。
かつては夏になると街に流れ、誰もが耳にしたスタンダード。アメリカの青春映画『避
暑地の出来事』のテーマ曲をパーシー・フェイスが1960年に『夏の日の恋』として
カバーして大ヒットを放ち、イージーリスニングを代表する名曲に数えられています。
◆森田公一とトップギャランの『青春時代』は、渋谷区の女性からのリクエストです。
「学生生活が終わり、就職して、道に迷っていたころに聞いていた懐かしい曲」と記し
ていますが「青春時代の真ん中は胸にとげさすことばかり」と阿久悠さんは結びます。
◆柏市の女性は、三橋美智也の『哀愁列車』をリクエスト。子ども頃はそれほど関心も
なかったけど、今ではとても懐かしく感じ、あらためてもう一度聴きたくなりました。
『リンゴ村から』に続くミリオンセラーで、累計250万枚を突破した全盛期の歌声。
◆カーペンターズの『シング』は、市川市の洋楽ファンの女性からのリクエスト。子供
番組の挿入歌が1973年にカーペンター兄妹のカバーによって世界的なヒット曲に。
◆新宿区の男性は、しっとりとした勝新太郎の『ハワイアン・ウェディング・ソング』
「大人のムードあふれるこの曲こそ懐メロの中でも感激した一曲」といただきました。
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2023年8月 9日
8月6日 第578回放送
将棋の藤井聡太七冠(竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)が前人未踏の八冠
制覇に向けて残る唯一のタイトル「王座」をかけて今月末から永瀬拓矢王座と五番勝負
に臨みます。類稀な強さの秘密は何か?少年時代から知る谷川浩司十七世名人が解説。
谷川さんは1983年に史上最年少の21歳2ヵ月で名人位を奪取し、通算5期を獲得
し永世名人(十七世名人)の資格を得ました。その最年少記録を40年ぶりに更新した
のが藤井聡太さんです。谷川さんは「記録は破られるもの。自分が現役のうちに藤井さ
んに更新されて光栄です」と語ります。谷川さんと藤井さんの初対面は2010年11
月。小学2年生の藤井少年に指導対局した時です。催事時間の関係もあり「引き分けに
しましょうか」と提案したら、負けず嫌いの藤井少年は「盤に覆いかぶさり声を上げて
泣いたので鮮明に覚えている」と谷川さん。藤井さんの強さの秘密を谷川さん流に紐解
くと、終盤の強さは「詰将棋で鍛えられた」と推察。さらに七冠のタイトル防衛戦の過
密スケジュールの移動も「昔から鉄道好きだから、移動も厭わない」とも解説します。
若い頃の谷川さんと比べて「抜きんでた将棋の才能があり既成概念を覆す強さがある」
とか「桁外れの『頭の体力』があるからどれだけ考えても疲れない。将棋がとてつもな
く好きだから、考えることも苦にならない。他人との比較でなく自分が強くなることに
収斂している。だから記録への執着がない」と分析。タイトル初防衛は失敗するのが常
なのに藤井さんは負けない。タイトルではなく己の将棋を追及しているからだと解説。
谷川さんは「才能とは毎日の積み重ねを苦にせず、自然に長期間続けられる力」と定義
藤井さんにはそれが備わっていると言います。他にAI時代の将棋について語ります。
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2023年8月 3日
7月30日 第577回放送
唱歌『夏は来ぬ』が好きだという作家の山本一力さん。卯の花、ホトトギス、五月雨、
早乙女、橘、蛍など、初夏の風物を文語体で描いた美しい日本語に感動したからです。
「同感です」という投稿をたくさんいただきました。ところで、懐かしい歌や昔の想い
出はノスタルジックな気分になり、脳機能の活性化に有用なので「昔話をすると、脳は
若返る」と脳科学者は言います。そこで今週は『懐かしい音楽リクエスト特集』です。
◆吉川市の男性のリクエストは、ゴダイゴの『銀河鉄道999』です。今年亡くなった
漫画家の松本零士作品とともに青春時代を過ごした投稿者。代表作の『男おいどん』や
『宇宙戦艦ヤマト』など、漫画、映画、TVでたっぷり楽しませてもらったそうです。
鎌田さんも『男おいどん』のサルマタケ(パンツに生えたキノコ)を思い出しました。
◆熊谷市の男性は三橋美智也の『怪傑ハリマオの歌』をリクエスト。ウーヤーターと叫
ぶ『少年ジェット』や『月光仮面』や『ナショナルキッド』に『海底人8823』等。
特にアジアを舞台に「マレーの虎」がモデルの冒険活劇を心躍らせて視ていたという。
◆栃木県壬生町の女性はビリー・ジョエルの『ピアノマン』をリクエスト。NY出身の
ビリーが、ロサンゼルスのピアノラウンジで歌手として働いていた時の経験を書き上げ
1973年に最初のシングルレコードとしてリリースした彼の代表作品のひとつです。
◆三郷市の男性のリクエストは芹洋子『防がつる讃歌』です。大分県九重連山の坊ガツ
ル湿原を題材とした山岳愛好家の愛唱歌。1978年NHKで放送されたのを機に広ま
った。元歌は「広島高等師範学校」山岳部部歌で九州大学の学生が替え歌にしたとか。
なお、多数のリクエストが寄せられているので、近々「第2弾」をお届けいたします。
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