混同させたくはない、イスラエルの現政権と一般のユダヤ人たち
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、5月20日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。イスラエルがアメリカとともにイランを攻撃し始めてから各地で起こる、ユダヤ人批判に関して解説した。
小倉孝保「4月30日、イギリス・ロンドン北部のゴルダーズ・グリーンのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)でユダヤ人男性2人が刺殺されました。私、ロンドンに駐在しているとき、ゴルダーズ・グリーンのすぐ近くに住んでいたんです。シナゴーグへ取材に何度も行っている」
長野智子「そうなんですね」
小倉「ゴルダーズ・グリーンはユダヤ人の多い地域として有名で、第2次世界大戦直前にヨーロッパにいたユダヤ人の子供たちを1万人規模でイギリスへ受け入れて救ったケースがあって。当時の生き残りがけっこう住んでいたんです」
長野「そういうことか」
小倉「このシナゴーグで『キンダーランチ』というのを行っていた。キンダーはドイツ語で子供です。おばあちゃんだけど、子供のころイギリスに来た、ということで、その人たちが皆でお昼ご飯を食べていた。そこに毎回のように足を運んで雑談していた経験があります。ここで男の人が刺されたなんてね。放火もあったんです。やはりユダヤ系の人を狙った犯罪が出てきたな、と」
長野「逃げてきた人たちがいるコミュニティでね」
小倉「フランスでは12歳のユダヤ人の少女がレイプされた。判決が出ているけど、判決文を読むと、したほうの少年たち3人は、少女に対し『おまえは汚いユダヤ人だ』とかイスラエルについての言及をしている。ユダヤ人でなければレイプされていなかった、と裁判長が言っているぐらい」
長野「ひどいな」
小倉「オランダでもベルギーでもユダヤ人を狙った暴力や放火、破壊活動が増えている。イランへの攻撃以前から、2023年でしたか、ガザに対する攻撃が始まった。あれ以来、ヨーロッパではユダヤ人に対する憎悪が。イスラエルへ向くんじゃなく、近くに住んでいるユダヤ人に対する暴力になっている」
長野「ああ」
小倉「ヨーロッパの政治家らはユダヤ人は自分たちのコミュニティの一員だから、暴力は許さない、と強調している。それでもたとえばテレビを見るとガザの子どもたちが死んでいる、イスラエルの攻撃だ、イランで学校に行っている子供たちが死んだ、これもイスラエルじゃないのか、みたいな話が報道で伝わってくる。イスラエル=ユダヤ人のように」
長野「はい」
小倉「イギリスのケースなんかだと、この人たち、国籍はイギリスなんです。もともとはドイツやチェコから逃げてきたけど、子供のころにイギリス国籍をもらって、60年以上、イギリスに住んでいる人ばかり。その人たち、イスラエルとは直接、関係もないんです。中にはいったんイギリスに来てイスラエルに移住した、フランスからイスラエルに移住した、ホロコーストから逃げてイスラエルに移住した、というユダヤ人もいるけど」
長野「はい」
小倉「いまガザの人たちを苦しめているイスラエルのネタニヤフ政権と、ヨーロッパやオーストラリア、アメリカに住んでいる一般のユダヤ人をゴッチャにしないで、という気持ちが僕はすごく強いんです」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MH
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。
関連記事
この記事の番組情報
