ブースター接種とワクチンパスポートは今後の社会を回復させることが出来るのか?~ニュースワイドSAKIDORI

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ブースター接種が進むイスラエルの現状は?
イスラエルではワクチンパスポートはどのように使われているのか?
9月21日(火)の文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI」に、
8月下旬、イスラエルで3回目の接種を受け、最近日本に帰国したイスラエル在住のフリーアナウンサー、新田朝子氏がリモートで出演し、イスラエルのブースター接種の現状とワクチンパスポートの利用状況を解説した。

イスラエル国内で既に2回ワクチン接種を行った人は国民全体の約6割だ。ただイスラエルは子どもの数が非常に多いため、子どもを除いた20代から90代の人では、2回のワクチン接種は国民全体の8割くらいに達している。
一方、6月下旬頃から感染者数が徐々に増えており、先月(8月)と今月(9月)では多い時で、新規感染確認が1日に1万人を超える日もあった。そのため事態を憂慮している人も多く、ロックダウンなどの厳しい措置を行うべきだとの声も大きくなっている。
その反面、これまで3回の厳しいロックダウンを繰り返したこともあり「これ以上のロックダウンは嫌だ」という声や「これ以上経済を疲弊させるな」という切実な意見もあることは事実。感染者は増えてはワクチン効果もあってか、重症者や死者の数が減少しているという側面もある。そんな状況の今のイスラエルで最も関心が高いのは3回目の接種、いわゆる「ブースター接種」だ。「3回目のワクチン接種を受けることで人に感染させない」「行動制限がなくなり、人と会うことができる」ということからブースター接種を受け入れる人が多い印象だ。イスラエルで「ブースター接種」を終えた人は国民の3割程度の300万人以上で、70~80代だと8割以上、30~40代でも4割程度とかなり接種が進んでいる。
ブースター接種がこれほど進んでいるもう一つの背景には、最近になってワクチン接種証明書の有効期限が6ヶ月と決まったことがあるようだ。このため有効期限が切れる前に駆け込みでブースター接種に走っていると言える。イスラエルではワクチン接種証明書のことを「グリーンパス」と呼び、ホテルの宿泊、レストランやバーでの店内飲食、また映画館やジムなどの入り口で提示しなければならない。また大学の対面授業を受けるときにも必要となっている。またアレルギーなどでワクチンの打てない人は陰性証明がグリーンパスの代わりとなっている。新田氏が日本に帰国して驚いたのは、友人の中にまだ接種出来ていない人が少なからずいること。イスラエルでは希望者はほぼ全員接種が終わっているので、ここは大きな違いだと感じたと言う。また緊急事態宣言で飲食店が早く閉まってしまうとか、県外の旅行に行きづらいという声を日本ではよく聞くが、これもイスラエルとは大きな違いだ。日本ではアレルギーなどでワクチンを受けたくても受けられない人のことを考え、ワクチンパスポートの発行には慎重になるべきだという意見があるが、イスラエルではどうなのか?」という質問が火曜日コメンテーターの小西克哉氏から出たが、
新田氏は「聞いている限りでは、日本のような考えは耳にしない。というのも、ワクチンを接種できない人や子どもに対しては無料で抗原検査を行い、陰性ならば証明証を発行している。これが徹底されているので日本のような論議にはならないようだ」と答えた。

続いてスタジオに登場した帝京大学非常勤講師で航空旅行アナリストの鳥海光太朗氏は「ワクチンパスポートの導入は旅行・観光業界回復への切り札となるのか?」について解説した。
鳥海氏いわく、やはり旅行・観光業界は「非常に厳しい状況」にあるという。昨年、旅行業界が一番潤ったのが10月と11月だった。理由は「GO TOトラベル」。旅行業界は年末年始もこの勢いで行けると考えていたが、その後感染者数が急増したため、年末前に「GO TOトラベル」は停止され、以来現在に至るまで停止されたままで再開の声は聞かれない。結局、旅行・観光業界が潤ったのは2ヶ月間だけだったということになる。宿泊施設に対する補助は雇用調整助成金のみという状態で厳しい状況が続いている。今回検討されているワクチンパスポートの導入は、それを持つことで何らかの特典がつけば、効果があり、旅行業界復活につながるのではないかと鳥海氏は述べた。政府はワクチンパスポートがあれば飲食店の利用や県をまたいだ移動が出来るようにするとしている。そのワクチンパスポートについて、デジタル庁は電子化を模索しているようだが、現状は市区町村が発行する紙のワクチン接種証明書となっている。ところがこの紙の証明書にはいくつかの問題点があるようだ。まずその紙質。住民票の写しと同じ薄い紙であること。そしてそれをコピーした場合に「複写」という文字が出てきて、それが複写したものかどうか判断できるようになっているのだが、外国で使う場合「複写」では外国人には、本物かどうかの判断が出来ない。ぜひとも「COPY」という英語で表記して欲しいと鳥海氏は訴えた。またQRコードが入っていないため、証明書の情報を電子的に読み取ることが出来ないことも問題だ。そして致命的と言えるのが、「発行者のサイン」が無いこと。これでは国際的に通用するとは思えない。

小西克哉氏は「典型的な日本の役人仕事ですね」と厳しいコメントを述べた。政府には、デジタル庁を作ったことだけで満足するのではなく、国際基準に合った「役所仕事」への転換を積極的に進めることが急務だろう。そうでないと、「アフターコロナ」の世界で、日本が再び出遅れることになる。

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