経済対策「18歳以下に一律10万円給付」の問題点を加谷珪一氏が斬る!~11月8日ニュースワイドSAKIDORI

経済対策「18歳以下に一律10万円給付」の問題点を加谷珪一氏が斬る!~11月8日ニュースワイドSAKIDORI

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経済対策の柱「18歳以下に一律10万円給付」の問題点を経済評論家、
加谷珪一氏が文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAIDORI!」で解説した。

政府・与党は新型コロナ対策や格差の是正を含む大型経済対策の策定に向け、
本格的な検討に入った。対策の柱として調整している18歳以下の子どもへの
一律10万円の給付のあり方が焦点となる。この案は公明党が先の衆院選で
公約として掲げたもので、0歳から18歳までの全ての子ども約2000万人に
給付するというもの。
他にもマイナンバーカードを保有する人に対し、一人一律3万円相当の
マイナポイントを付与する提言も盛り込まれている。
与党がまとめようとしている今回の給付について、加谷氏に聞いた。

まず、今回の18歳以下の子どもへの一律10万円給付が景気対策につながるか
どうかについて、加谷氏は、
「この政策、景気対策として実施するのか、それとも困窮者対策として実施
するのか。その違いによって評価は変わってくる。2020年の特別給付金は元々、
困窮者対策だったはずなのに、どこからか景気対策にすり替わってしまった。
今回の給付が何を目的とするのか、まずははっきりさせないと同じ轍を踏んで
しまうことになる。
ちなみに景気対策という観点から考えると、あまり大きな効果は期待
できないと思う」。

続いて、与党内で給付には所得制限を設けるべきという意見が出ている事に
ついては、
「今回は前回ほどの混乱状況にはないので、所得制限を設けることについては
一定の合理性があると思う。ただ日本の場合、国民の所得の把握が難しいという
実務的な問題もあり、きめ細かく実施出来るかどうか」と懐疑的な意見を述べた。

さらに、昨年の現金給付で、その7割が貯蓄に回ってしまったことについては、
「あの時の給付は非常事態の措置だったので、誰がどこでどれくらい困窮して
いるのか分からない上に、どの中小企業がいつ倒産するかも分からない状況
だったため、一律給付することに意味があった。しかも給付金が貯蓄に回って
しまうことも当初から想定済みだった。
また、当時は50兆円という空前の規模の国債大増発を行い、これがコロナ対策に
充当された。つまり貯蓄に回ったお金は国債を通じてコロナ対策に回っている
ので、マクロ的に見えれば大きな問題はない」と述べた。


今回の給付は経済対策と困窮者対策の両方を内包しているのではないかという
質問に対し、加谷氏は
「この2つは似ているように見えるが、実は大きく違う。景気対策というのは、
調子が良くて伸びている産業を更に伸ばすことが出来る効果が期待できる。
しかし困窮者対策というのは、うまくいっていない人のケアをすることに
なるので、明らかに経済対策とは方向性が違う。
よって両方を兼ね備えることを考えて実施すると、中途半端になりかねない。
おそらく公明党は困窮者対策で提案していると思うが、自民党はそうでないと
受け止めている向きもあり、この違いが互いの齟齬を生んでいると思う」と
分析した。

自公の両幹事長による9日の会談で、5万円は現金で早期に給付、残る5万円は
来年春に向けて5万円相当のクーポンを支給する内容で合意したが、こうした
クーポン方式については、
「この手の施策は出来るだけシンプルな方が望ましい。例えば現金のみの支給で、
その使い途は自分の状況に合わせて国民が自分で選ぶ。その方が困窮者に対して
より手厚いケアが出来るはずだ」と述べた上で、
「10万円の現金を所得制限を設けて給付するのが理想的。やはり困窮者に対して
現金を給付するのがいい。ただ先ほども述べたように、日本では国民の所得を正確に
把握できていないので、例えば、子どもに対する手当を受けているかどうかで
判断するとか、給付対象を絞り込むやり方はいろいろと考えられると思う」と
続けた。

またマイナンバーカード保有者に3万円分のポイントを付与するという公明党案に
対しては、
「ポイントを目当てにして消費が増えるという効果もあるが、国民の置かれている
状況は様々なため、全てに効果があるとは言えない。今はコロナ危機による
非常事態なので、こういう複雑なプランはどうなのか。
仮に消費が伸びる効果があったとしても、消費のマインドが回復していない時には
需要の先取りになってしまうだけで、その後には消費がガクッと落ち込む逆効果が
起こる可能性もある」と懐疑的な考えを示した。

最後に、これまでの加谷氏の発言を聞いた月曜コメンテーター、
キャスターでジャーナリストの長野智子氏が
「一番の問題は、何のための政策かが分からないことにある。困窮者対策なのか、
経済対策なのか、子ども対策なのか。それによってゴールは全く違ってくるのに、
一緒くたに語られているから、これだけ混乱しているのだと思う」とまとめた。

年齢制限をした上での一律給付に、対象でない国民からは不満の声もあがっている。
政府・与党はどのように取りまとめるのか。経済対策は19日にも決定する見通しだ。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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// 2022.04.28追加