東京パラリンピック自転車2冠の杉浦佳子選手「パリに限界を見に行く」~12/14ニュースワイドSAKIDORI

東京パラリンピック自転車2冠の杉浦佳子選手「パリに限界を見に行く」~12/14ニュースワイドSAKIDORI

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東京パラリンピックの自転車競技のロードレースで2つの金メダルを獲得した杉浦佳子選手が、14日、文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!」内『応援!ユニバーサルスポーツ』に電話出演。1日1日のトレーニングの積み重ねが3年後のパリ大会につながることを強調した。

九死に一生を得てから、これほど劇的な競技人生を歩んでいるアスリートも珍しいのではないだろうか。杉浦佳子は50代に入り、まばゆいくらい輝いている。杉浦は1997年、静岡県で生まれた。薬剤師の仕事をしながら、トライアスロンに取り組んでいた2016年、練習として参加した自転車のロードレースで転倒。脳挫傷やくも膜下出血で重体となる。だが、奇跡的に意識を取り戻し、リハビリに専念した後、パラの自転車競技に挑戦。手足や体幹に障害のあるクラスでロードレースの世界選手権を制し、東京パラリンピックを迎える前から、金メダル獲得の期待が高まっていた。

他方、杉浦の年齢は取材する側として気になる。杉浦が結果を出せば、放送や紙面にインパクトを出せるし、リスナーや読み手で杉浦の同世代であればその背中を押せる。だが、当の杉浦は年齢についてネガティブに捉えていたという。その中で、タイムトライアルを制し1つ目の金メダル獲得後、杉浦から「最年少記録は作れないけど、最年長記録は作れますよね」という名言が生まれた。

この経緯を踏まえ、1年5ヵ月ぶりの電話出演となった杉浦に斉藤キャスターが祝意を伝えつつ、東京大会での名言について訊いた。すると杉浦は「(パラの日本勢の)最年長金メダリストですねと(インタビューで)言われた瞬間に、年齢が次の目標になるんだなと思った」と答えた。斉藤が「何歳くらいまで(競技が)出来そうか」と尋ねると、杉浦は「(3年後のパリに向けて)限界を見に行こうかな」と頼もしい言葉が返ってきた。斉藤が、「今はパリを見据えているのか」を畳みかけると、杉浦は「自分の年齢だと明日がどうなるかわからないのが実情。今はとにかく明日いただいたメニューをこなせるかどうか。その積み重ねがパリにつながればいいかな」と、杉浦の声が熱を帯びた。


杉浦を支えるコーチについて松井アナが振る。トレーニングや戦術については、コーチである佐藤信哉氏が考えたとか。本番前にどんなアドバイスをもらったのだろうか。杉浦は「佐藤コーチからは、とにかく失敗は許されないんだ、と(言われた)。私が最初の坂でアタックをかけた方がいいですか?と訊いたら、いやいや、ヒーロになるのはゴールだけでいい。序盤は抑えて、ゴールの手前で頑張れと言われた。序盤は周りの選手の動きをよく見て、自分は力を使わず、ポイント、ポイントで使い、最後の最後はトップでゴールしたいと思っていた。頭の方はコーチに任せ、自分は言われたまま(走った)」と笑った。杉浦は、タイムトライアル(富士スピードウェイの8キロのコースを2周する)とロードレース(およそ13キロのコースを3周する。発着は富士スピードウェイ)で2冠を手にした。コーチを信頼し、自分のできることに集中した杉浦に勝利の女神が微笑んだ。

斉藤が杉浦を支えたドクターについて話を向けた。杉浦は5年前、自転車レースの事故で重体となった。それを考えれば、今は奇跡のような時間が流れているのではないだろうか。杉浦は「どうしてあのまま死なせてくれなかったのか」と担当医に詰め寄ったというが、どうしてもお礼が言いたく、東京大会後、そのドクターの元を訪れたそうだ。杉浦は「やっと、先生、生かせてくれてありがとうございましたとお伝え出来た。先生は、いやいやいや(と恐縮され)と、金メダルに喜んでくれた。お世話になった理学療法士さんたちも勢ぞろいで迎えてくれて。本当に(杉浦さんの回復は)大変だったんだからー!と言われた」と明るい声が続いた。

杉浦は早くも3年後のパリ・パラリンピックに向けて動き出している。今月10日から13日まで、伊豆市のベロドロームで行われていたトラック種目の全日本選手権に出場し、「3000m個人追い抜き」と「500mタイムトライアル」でそれぞれ大会新記録を出して優勝した。松井が、「今後は、東京パラリンピックで結果を出したロードレースはもちろん、屋内のトラック種目にも力を注いでいく気持ちが強いのか」と尋ねると、杉浦は「自分としては、トラックをあまり練習してこなかった。力を入れてトレーニングすることで、ロードのパワーにもつながるかなと思い始めた」と教えてくれた。

最後に斉藤が放送の翌日のメニューを訊いた。すると杉浦は「コーチからローラー(その場で自転車をこぐことができる固定された台)のメニューが送られてくると思うので、それを長い時間頑張る」と意気込んでいた。チャレンジ精神にあふれ、時に笑いを散りばめながら、明るく電話出演した杉浦。中学時代はバスケットボール部だったが、進学した高校にバスケ部がなかったため、部員を募って創ったとか。当時のチームメイトは「決めたことをやり抜く、ぶれない強さがあった」と、杉浦のことを思い出している。一時は生死のふちを彷徨ったが、人間としての根幹は学生時代と変わらないのだろう。杉浦の存在が、今、困難に直面している人たちの心の支えになってもらいたいと願うばかりだ。
(構成 後藤)

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// 2022.04.28追加