お金は使うし、食べられなくなるし、いいことない……。戦争と経済の結びつきを入山章栄が解説

お金は使うし、食べられなくなるし、いいことない……。戦争と経済の結びつきを入山章栄が解説

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8月11日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)は、8月15日の終戦の日を前にした「戦争と平和について考える1週間」の4日目。特集コーナーでは経営学者・入山章栄が、戦争を「経済」の視点で解説した。

西川あやの「戦争と経済は切っても切れない関係です。改めてロシアのウクライナ侵攻についてどんな影響が出ているか教えてください」

入山章栄「経済にはかなり影響、出ていますね。ロシアとウクライナは世界全体の小麦の30%を生産しているんですよ。それで小麦の価格はメチャメチャ上がっているわけです。トウモロコシもじつは世界の20%をロシアとウクライナが、天然ガスが同じく20%……。食べ物やエネルギーの価格が高騰して、結果的に世界中が『インフレ』です。日本も大変なんですけど、世界中の、より豊かでない国で影響が出ている」

西川「小麦、天然ガス、石油……。幅広く影響しているものが大変だということですね」

入山「僕が関わっているいろんな会社でも、今年は黒字を見込んでいたのに、急に『赤字になります』というところもあります。冬になると灯油使いますから、もっと影響が出る可能性も。一方でエネルギー関連の企業は、価格が上がっているので決算、いいんですよ。日本の大手総合商社はいま、ほぼ業績がいいんです」

さらに「経済的な視点から、戦争が終わるのはどういうとき?」という質問にはこう答える。

入山「経済力がなくなったときです。とてつもなく戦争はお金がかかります。たとえば日露戦争ってあったでしょう? あのとき日本はGDPの6割を使っちゃったんです。太平洋戦争のときは、GDPの8.8倍」

中田花奈「『倍』?」

入山「『何割』じゃないんですよ。それぐらいあの戦争はとんでもなかったということです」

さらに現在のアメリカと中国の関係についても解説する。戦争が起きてしまわないかと危惧する向きもあるが……。

入山「アメリカ側もですけど、中国側にもリスクがあって。中国は大豆の最大の輸入国なんです。年間2、3千万トンぐらいで、ほとんどの輸入元がアメリカ。考えたくもないけど……もし戦争になったらアメリカは大豆の輸出を停止する。いっぱい食べている大豆がなくなる。大豆は中国の方が大好きなブタのエサなんです。ということは豚肉文化の中国で、それが食べられなくなる。経済的な結びつきができたとき、食べ物とかエネルギーとかが止められたら戦争できないね、というところで踏みとどまるわけです」

西川「聞けば聞くほど、戦争っていいことないですね……」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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