赤い花、ブーツにリンゴ、トラクター……盛りだくさんの「赤いもの」特集

赤い花、ブーツにリンゴ、トラクター……盛りだくさんの「赤いもの」特集

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10月30日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「赤いもの」でした!

鷲崎健「きょうは『初恋の日』ということで、『初恋』をテーマにしてもよかったんですけど、レッド吉田さんの誕生日だったので(笑)」

松井佐祐里「おめでとうございます!」

鷲崎「初恋でも集めたので、また今度! 今回は『赤いもの』ということで、まず1曲目。けっこうメジャーな曲です。世代にもよるけど『聴いたことある』という人も多いと思います」

♪「くれないホテル」/西田佐知子

鷲崎「1969年4月の発売ですね。西田佐知子さんは関口宏さんの奥様でいらっしゃいます。筒美京平先生の職業作曲家として、かなり初期の作品なんです。橋本淳、筒美京平……『ブルー・ライト・ヨコハマ』のコンビですね。

筒美さんのワークスの中ではかなり初期のほうなんですが、数多く、本当にいろんな方が『最高傑作なんじゃないか』と。何百、何千曲とある中でもトップテンに入るんじゃないかと。細野晴臣さん、坂本龍一さん、山下達郎さんも、みんなおっしゃっている、名曲中の名曲です。日本の歌謡曲にバカラック的な、洋楽のエッセンスを取り入れた曲と言われています。あまり売れなかったんですけど、ベストには入っている。後年になって評価された曲でございます。2曲目はこちら、知ってる人は知っているでしょう」

♪「赤い花」/宮沢りえ 

鷲崎「1993年5月ですね。婚約発表から電撃破局を経てのリリース、ということじゃないかしら? このあと1曲だけシングルをリリースするんです。この曲からブルーハーツ感をおぼえる方もいらっしゃると思うんですけど、まさにこの年10月に発売する『ボーイフレンド』は甲本ヒロトさんの作詞作曲で、演奏もブルーハーツの面々がやっていたと。

この曲(赤い花)は白井良明さんのいい仕事、いいアレンジ。ムーンライダーズメンツとパール兄弟メンツで集まってやったという、宮沢りえさん6枚目のシングルでした。ちなみに僕、宮沢りえさんと同い年なんです。続いての曲、時代はグッと遡ります」

♪「真赤なブーツ」/木の実ナナ

鷲崎「松井さん、『すごいな』って(笑)」

松井「色気……?」

鷲崎「日曜の昼間には味付けの濃いものではありましたけど(笑)。木の実ナナさんの20枚目のシングル。1967年5月の発売で、なんとこの曲、『くれないホテル』と同じ筒美京平、橋本淳コンビなんですね。音楽研究家の故・黒澤進さんが『一人GS』という呼び方をされていました。『空前の』というか『突然の』というか、GSブームが67年前後、ビートルズ来日デコボコのころに起こるわけですね。

猫も杓子もGS、みたいな時代になってきて。乗っからない手はない、ということでいろんなレコード会社が若い女性シンガーにGSふうの歌を歌わせる、というブームがありまして。もちろんGSの人ばかりとは、やらせられないので、いわゆるスタジオミュージシャンの方がGSふうに演奏する。プロ中のプロの人ですから、うまいんですね。GSよりもうまくてGSふうで。

このころスタジオミュージシャンは音楽作品を買っても表記がないんですけど、ここからスタジオミュージシャンに視線が行きだした、という時代の……これが先駆けなんじゃないかと思います。美空ひばりさんがブルー・コメッツをバッキングにして『真赤な太陽』を歌ったのも67年。あと中村晃子さんとかね。GSの人をバックにしてロッキンな形で歌を歌う、というのが流行った時代。次はもう日曜の昼っぽい。キッズのみんな集まって(笑)!」

リンゴの森の子猫たち」飯島真理

鷲崎「いかがですか? 日曜感あったでしょう?」

松井「かわいいです……!」

鷲崎「なんとこの曲も筒美京平先生(笑)。松本隆さんとのコンビですね。歌詞にも出てきましたけど、『スプーンおばさん』というアニメがありまして、そのエンディングテーマとして(使われた)。一夜にしてアニメの業界をすべて変えてしまった、でおなじみ、あの『(超時空要塞)マクロス』。そしてアニメにおける『歌』の存在の意味も変えてしまったという リン・ミンメイというキャラクターがいるんですけど、その声をやられていた飯島真理さん。

実質デビュー曲なんですね。デビューアルバム『Rosé』というのが1983年の9月に、自身の作詞作曲で坂本龍一さんプロデュースであるんですが、それより前にこの曲をレコーディングしておりまして。『よくわからないまま頼まれて歌った』みたいなことを言われています。

それがリリースされちゃって、『前後するけどあっちのほうが先だったのかな?』みたいな発言をあとでされている……らしいですね。『赤』というテーマの中で、無理やりかもしれませんけどいい曲だと思ってかけてみました(笑)。次の曲は、知っている人には『まあそうだろう』、知らない人にはずいぶんカオスな歌に聴こえるかもしれません」

♪「素晴らしき紅マグロの世界」/谷山浩子

鷲崎「松井さん、ガタガタガタって(笑)!」

松井「え~……? どういうことですか?」

鷲崎「そのままなんです(笑)。ますむらひろしさんという漫画家さんの描かれた『アタゴオル』というマンガがあって。『アタゴオル』の世界を音楽劇にしたときのテーマ曲です。ヒデヨシという、猫のキャラクターが紅マグロ大好きで。大好きというのをそのまま歌にしたらこうなった、という」

松井「『マグロへつづく道~』はなんの人たちですか?」

鷲崎「それは気持ちの、心情の表現だと思いますけど。歌詞の中に『おいしすぎてできることなら紅マグロとお手々つないで歩きたい』『紅マグロの誕生日にお呼ばれしたい』。というぐらい大好きな紅マグロのことを歌にしたらこうなった」

松井「食べるんでしょう?」

鷲崎「食べるんですよ。あるでしょう、そういうの。白モツが大好きすぎて、白モツの誕生日になったら行きたい、みたいな感情(笑)。じつは本日、もう1曲ございます」

♪「赤いトラクター」/小林旭

鷲崎「我々、マイトガイを知らない世代にすれば、小林旭さんといえばこれでしたね。CMソングで、1977年から1982年の間にトラクター、YMシリーズ、及びその後継のフォルテシリーズのCMに使われました。『赤いトラクター』も知らない人はいないというぐらいの大ヒット曲で。

歌詞を聴けばわかります、『忘れちゃったぜ奴のことなど 甘い都会の過ぎた日のこと』。都会に1回出てきて、でもそのフワフワした生活みたいなものは捨てて、大地とともに生きるのだと。太陽と土の恵みのもと、物を育ててそれを食べたり売ったりして育つ。それが人間の本当の姿じゃないのか、という。たぶんそういう歌なんですね。歌詞に向かい合って初めてわかりました(笑)」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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