文化放送

鎌田實×村上信夫 日曜は頑張らない

鎌田 實
鎌田 實
(かまた みのる)

医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、 東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会 放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」 「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

村上 信夫
村上 信夫
(むらかみ のぶお)

1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com

過去の記事

番組へのメッセージをお待ちいたしております。 メールはコチラ:kamata@joqr.net

2013年12月31日

12月29日 第89回放送

今年も残り62時間。そこできょうは、がんばらない流で2013年を振り返ります。
まずは、お互いに個人的なトピックスを3つ。鎌田さんは、東アフリカの「大地溝帯」
旅行。新刊と文庫本で今年12冊も上梓。去年の骨折にもめげずにスキーの板を新調。
村上さんは、還暦を迎えて「遺言」を書いた。「ことば磨き塾」で東奔西走。講演先の
奄美島で出待ちファン現る。続いては、二人が選んだ「2013年を象徴する言葉」は
「あいまい」。大きな話題になりながらも結末を「あいまい」にした点に触れて、鎌田
さんは「もっと減り張りをつけるべき!もっと透明性を高めるべき!」といいます。
今年鬼籍に入る著名人が多い中で、二人ともに共通して挙げたのは『アンパンマン』の
生みの親・漫画家やなせたかしさん。やなせさんが作詞した『アンパンマンのマーチ』
を村上さんが得意の朗読で披露。この歌はもともと特攻兵士として亡くなった弟さんを
想って書いたもので、東日本大震災直後から被災地でこの曲が流れよく歌われた作品。
やなせさんは腎臓がんから膀胱がんに転移し、10回も再発を繰り返す度に内視鏡手術
を受け、放射線治療も受けているのに明るく元気に振舞う姿に鎌田さんは大いに感服。
恬淡としているのは「周りの人に支えられているから!」という意識が強くあるからで
アンパンマンが自らの頬っぺを千切って差し出すのも、宿敵のバイキンマンを徹頭徹尾
排除するのではなく、イタズラを諌めたらあとは仲直りする行動によく現れています。
その他に、鎌田さんと同い年の作家・戸井十月さんや、亡くなる3日前に自宅録音した
『からたちの小径』に最後の想いを託した島倉千代子さん等の名前と話題で偲びます。
番組本『これで生きるのが楽になる』の出版や公開録音など、実りの多い1年でした。

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放送日:2013年12月29日

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2013年12月27日

12月22日 第88回放送

鎌田さんと村上さんは絵本が大好き!クリスマスも近いのでこのシーズンにふさわしい
二人の好きな絵本を紹介しつつ、絵本作家デビューした鎌田さんの絵本も紹介します。

1986年、チェルノブイリの原発事故により「黒い雨」を浴びて白血病で亡くなった
ベラルーシの少年をめぐる実話を鎌田さんが書いた『雪とパイナップル』(集英社)は
中学の教科書に採用されていますが、全編ひらがなの絵本にして小さな子にも読んで欲
しいと書いた『白い街 あったかい雪』(ポプラ社)。「白い雪の街で、病気の子ども
のために、パイナップルをさがす日本人が、あったかな連鎖をおこした。つめたい雪が
あったかい雪にかわる奇跡の物語」です。更に関連した作文を鎌田さんが朗読します。
絵本作家の長谷川義史さんが電話出演し『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)
を紹介します。長谷川さん曰くタイトルに騙されて買っちゃう人がいる(笑)という本
は、ぼくがラーメンを食べている時に悲しんでいる子もいるという世界の本質を表現。
長谷川さんが震災後に石巻の子ども達と作った『ラーメンちゃん』(絵本館)も紹介。
村上さんは菊田まりこさんの『ゆきの日』(白泉社)を紹介。ある冬の朝の「大雪」を
大人は「困りもの」と思い、子ども心に戻ると「サンタさんからの贈り物」と全く逆に
思える。子どもの心に戻ることの大切さをサンタクロースが教えてくれるというお話。
もう一冊は『ハナミズキの道』(金の星社)。著者の浅沼ミキ子さんは、津波で息子を
失ない泣いてばかりの日々を送っていたある日、「ぼくの好きだったハナミズキを津波
の来た場所に植えて」という声を聴き、いのちを守る木を植え続けるというお話です。
■プレゼント■鎌田さんの絵本『白い街 あったかい雪』(ポプラ社)をサイン入りで
5名様に進呈。住所、氏名、電話番号を明記の上、年内に御投函下さい。

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放送日:2013年12月22日

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2013年12月17日

12月15日 第87回放送

鎌さんのすすめで還暦の誕生日に1回目の「遺言」を書いた村上さん。遺言は何回でも
状況の変化に合わせ書き直しが可能で、いざという時に遺された家族があわてないよう
元気な内に書いておくのが理想。遺言をめぐる興味深い話をその道のプロに伺います。

ゲストは『三菱UFJ信託銀行』執行役員の灰谷健司(52)さん。灰谷さんは6年前
大腸がんを患い、肝臓と肺と骨とリンパに転移がある病身ですが、病気と向き合いつつ
相続や遺産のアドバイスが仕事です。会社もがん患者である彼を執行役員に抜擢すると
いうあたたかい職場。専門家として意味のある仕事をして、生き甲斐になっています。
灰谷さんから興味深い話。相続で家族が争うケースが年々増加し、家裁の相続相談件数
は約18万件。年間死亡者数の約2割に相当し、もめている家族は数倍あるはずです。
遺産価額5000万円以下が6000件もあり、資産を多く持っている家庭ほど相続争
いがあるると思われがちですが実は逆。預金は分けられますが、主な遺産が自宅という
場合がもめやすく日本ではこれが多いのです。いきなり相続対策ではなく、まずもめる
可能性があると自覚し、家族のコミュニケーションが大切。会話が密に出来ている家族
ほど相続でもめる可能性は低く、また「遺言」を書いておけば相続でもめることを未然
に防げます。遺産相続は、遺す人が分け方やその理由をしっかり考え、遺言に明示する
必要があり「付言事項」も書いておこうとアドバイス。更に銀行口座が封鎖されて不便
を経験した方も多いと思いますが、灰谷さんのアイデアから生まれた相続税の悲劇を防
ぐ仕組み『ずっと安心信託』も紹介します。灰谷さんの著書『相続の落とし穴』や『遺
言の落とし穴』(角川SSC新書)に詳しく記されています。

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放送日:2013年12月15日

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2013年12月10日

12月8日 第86回放送

今週のテーマは「絆ぐるぐる」。絆をぐるぐる巡らすことで、やさしい事が回って来る
そう期待する鎌田さん。震災後によく使われた「絆」という言葉を耳にする機会が減り
被災地の人々は徐々に忘れ去られているのではないかと不安に思っていると最近現地で
聴きました。実は始まったばかりの「チョコ募金」も絆をぐるぐるまわして、いのちを
守りたいという趣旨から「ぐるぐるつながる寒い冬にチョコ募金2014」です。

まずは「チョコ募金」!2006年にイラクの小児がんの子どもたちへの医療支援から
始まり、2011年からは放射能から福島の子どもたちを守る活動にも使われるように
なり、去年からは、シリアの内戦で苦しむ妊婦さんや子どもたちにも使われています。
鎌田さんが代表理事を務めるJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)の
冬季限定の募金キャンペーンで、チョコは「哲学のあるチョコ」としてギフトや引き出
物や香典返しにも使われています。パッケージにはイラクの子どもが描いた絵を使用し
缶の中にはハート型のチョコが1缶に10枚入っており4缶セットで2000円です。
◆チョコ募金の申し込み先はJIM-NET(ジムネット)のホームページから、又は
03-3209-0051(平日9時~午後5時)FAX03-3209-0052
◆『村上信夫のトークライブ』「サックスでクリスマス」12月21日19:30~
ゲストはサックス奏者の坂田明さん、会場は恵比寿の「アート・カフェ・フレンズ」  
問い合わせ・申し込みは03-6382-9050 アート・カフェ・フレンズまで。 
■プレゼント■鎌田さんの本『空気なんか、読まない』(集英社文庫)をサイン入りで
5名様に進呈。住所、氏名、電話番号を明記の上、締め切りは12月13日必着です。

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放送日:2013年12月8日

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2013年12月 2日

12月1日 第85回放送

ラジオで話すということは「情報」を届ける仕事。村上さんは「情報とは情けを報いる
こと」と僧侶から教わったそうで、情報には本来ウエットな部分もあるのにドライな部
分だけの情報が溢れかえり、果たしてどうだろうか?何をどう選択したらいいのやら。
相槌を打った鎌田さんは情報を受け取ると、即座に○×△に振り分け、吟味して咀嚼し
吐き出すように努めているといいます。きょうは「情報」がテーマです。

村上さんは、先頃亡くなったコラムニスト天野祐吉さんの情報感覚が素晴らしかったと
いい、野次馬精神で「時代に野次を飛ばし続けた人」と賞賛。そのために正確な情報収
集をし、吟味していたと思うがアジテーターではなかったし斜めからモノを見ても皮肉
にならず、常にそこはかとないユーモアをたたえ、温かい視線の批評家だったと回顧。
続いて鎌田さんが挙げた名前は、弁護士でジャーナリストの日隅一雄さん。福島原発事
故発生後、東京電力の記者会見に連日出席し、事故を過小評価しようとする東電や政府
の担当者を鋭く追及して情報開示を迫った日隅さん。事故から2か月後に末期がんであ
ることが判明、病気と戦いながら余命を社会への問題提起に費やした日隅さんに合掌。
また、北関東在住のリスナーから「甲状腺がん」を心配する便りが届き、それに対して
最近福島県が発表したデータでは、22万人の子供たちが検診を受け、28人が甲状腺
がんと確定されました。そこで、福島以外の子供たちにも検診が受けられる体制を作る
べきだと提唱。チェリノブイリ事故では6000人の子供たちが甲状腺がんに罹ったが
早期発見でほとんどが助かった事実も伝えながら、早くて正確な情報の大切さを強調。
さらに、ハーバード大学で人気のイチロー・カワチ教授「健康格差論」を紹介します。

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放送日:2013年12月1日

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