文化放送

鎌田實×村上信夫 日曜は頑張らない

鎌田 實
鎌田 實
(かまた みのる)

医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、 東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会 放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」 「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

村上 信夫
村上 信夫
(むらかみ のぶお)

1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com

過去の記事

番組へのメッセージをお待ちいたしております。 メールはコチラ:kamata@joqr.net

2016年4月18日

4月17日 第204回放送

フランス語とギリシャ語が堪能で、ケンカもめっぽう強く、料理上手で健啖家、その上
女色を好む破天荒な作家がいました。名を「きだみのる」といい、戦前には本名の山田
吉彦で『ファーブル昆虫記』を訳し、戦後はベストセラーが映画化された型破りな男。
ゲストはその痛快評伝『漂流怪人・きだみのる』(小学館)を書いた嵐山光三郎さん。

嵐山さんは、文学評論、旅、グルメと幅広い分野で独特の文体による軽妙な風俗評論や
エッセイで知られ『素人庖丁記』でエッセイ賞、『悪党芭蕉』で文学賞を受賞していま
すが、その嵐山さんが「その境地に近付きたいが到底及びもつかない」という人が作家
のきだみのるさんです。嵐山さんときださんとの出会いは、嵐山さんが28歳のとき。
平凡社の雑誌『太陽』の編集部員として、日本各地の小さな村を旅する企画を提案して
当時75歳のきださんと連れの7歳の少女ミミくんを訪ねると、古寺の中はゴミ部屋。
腐った肉や野菜が散乱し、本や雑誌、書き損じの原稿が散乱。生ゴミの臭いが充満する
中で平然と腹ばいになって原稿を書いていたのがきださん。名著『ファーブル昆虫記』
を訳した人かと仰天の出会い。そして、取材で各地の小さな村を訪ねますが、行き先も
ポンコツ車の運転も全てきださん任せ。しかも行く先々で個性的な人たちに出会う旅。
そして旅の合間、折に触れ若き日に会ったアナーキスト大杉栄たちの話とか、パリ大学
に留学して得た知識も披露し、戦時中に旅したモロッコの話も、満州国建国に一役買う
甘粕正彦大尉に会った話も出る。その上、独特の料理に腕をふるってみせ、本書の中で
イラスト付きでその料理が紹介されています。明治・大正・昭和を生き抜いた破天荒な
作家で社会学者と過ごした日々を振り返りつつ、彼の正体を掘り下げた痛快評伝です。

放送分を聴く
放送日:2016年4月17日

« 4月10日 第203回放送 | メインに戻る | 4月24日 第205回放送 »