ロバキャンが問題提起。1人のリーダーに権力を委ねすぎるリスク

ロバキャンが問題提起。1人のリーダーに権力を委ねすぎるリスク

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄 ラジオマガジン」(文化放送)。8月13日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの日本文学者・ロバート キャンベルが、アメリカのトランプ大統領が1ヵ月前に行った行為が、今国内外で物議を醸しているというニュースについて想いを語った。

ロバート キャンベル「ロシアで反戦政党が選挙から排除されたというニュースを聞いて思ったわけですけれど、有権者と言いますか、国民が1人のリーダーないし政党にあまりにも多くの権力を委ねすぎると、色んな歪みやリスクが生じます。
最近これロシアに限らず、中国の習近平体制ですとか、トランプ体制ですとか、はたまた日本でも今自民党が一強という風に言われているわけですけれど、それが世界の流行というか流れになっていて、そこからどういうことが見えてくるのかということを思いました。
そう考えたきっかけというのが、7月8日、トランプ大統領がNATOの首脳会談に参加するために、トルコの首都アンカラを訪ねたんですね。これは8月10日、ワシントン・ポストにすっぱ抜かれたことですが、帰国する際に大統領専用機エアフォースワン……あのかっこいい飛行機ありますよね、それに乗ったと見せかけて、大統領は実は別の小型軍用機に乗り換えていたということが、1ヶ月ぐらい経過したところで分かったんですね」

武田砂鉄「はい」

キャンベル「これがどういうことなのか、背景をちょっと説明しないといけないと思うんですけど。今、大統領が乗れる飛行機が3機あるんですね。
ひとつは、カタールから今年の1月に寄贈された、つまり外国政府から寄贈されたすごくラグジュアリーな飛行機がありまして、これが今まで使われてきたエアフォースワンと比べてもとっても素敵です。
トランプがそれを任期中にぜひ使いたいということで。その寄贈行為自体は違法性があるんじゃないかとか、その中に色んな情報機器が入ってて、これ大丈夫なのかっていうことがかなり物議を醸しながらもゴリ押しでそれを受け入れて、整備をしてきたんですけど、まだ十分に大統領を守るための防衛装置やミサイルから守る装備が完備されないまま、アンカラに初めて海外渡航の機材として使ったわけですね」

武田「はい」

キャンベル「ま、そこまではいいんですけど、帰りにもう一機の古いエアフォースワンが飛行場にあって、『ちょっと気が変わったので、懐かしいからそれに乗って帰る』と言って乗ったわけです。
大統領が飛行機に乗るときに、通常国内でも海外でも、大体80名ぐらいのプレスの人たち、報道陣、それからスタッフ、高官たちと一緒に乗るわけですよね。
で、それでイギリスに行って、これを乗り換えて、またワシントンに帰ってきたっていうことで、実際にワシントンに帰ってくるときに、その古いエアフォースワンからタラップに降りてくるという光景が映像としてあって。乗ってた報道陣たちはみんなトランプと一緒だったという風に思っていました。
でも実はアンカラの空港でカタールの機材ではなく、エアフォースワンでもなく、その横に駐機していた小型軍用機に乗って帰ってきたことが分かったわけです」

武田「ええ」

キャンベル「どうしてかというと、プレスや高官たちは先にエアフォースワンに乗せられていて、奥にいるわけですね。で、シェードを全部下ろせと言われて、どうなってるかってことは分からないままです。トランプが乗った後、通常食事を運んでくるケータリングのコンテナがあるんですが。それに一人で乗って、その車でその近くに駐機していた、何のマークもない軍用機に乗り換えて、大統領だけが単独でイギリスの空港に向かったわけです。
まあ、ここまではそんなに目くじらを立てることなのかと思いがちだと思うし、今までも報道とか色んな人たちを騙して……例えば本当はワシントンにいると言って実はウクライナに行ってるとか、パキスタンに旅行してるっていうことが、後から分かるっていうことはあるんですけど、今回問題になってるのが、イランからかなり確実視された暗殺計画があったということなんです。
そのときにシークレットサービスとかCIA、つまり情報機関がトランプをエアフォースワンに乗せてはいけないと判断して、別の飛行機に乗せて飛んでいたわけですけれど、残った全てのプレスの人たちと高官たちが、暗殺計画があるってことを知らされることなく乗って、つまりおとりになって飛んだわけですね」

武田「はい」

キャンベル「幸い何も起こることなかったわけですけれど、降りるときに少し先にイギリスの空港に到着したトランプ大統領が、ケータリングのコンテナに乗ってまた戻って、何事もなかったかのように最初に降りてきた。
報道陣を1ヶ月もずっと騙してたっていうこと、つまり国民に情報を公開しなかったということ。そしてそれ以上に、『そこに乗ってる人たちの命を差し出してまで大統領一人を守るのか』ということが、アメリカやヨーロッパでは一昨日ぐらいからすごく議論されてるわけですね。
『おとり』っていうのは、危険性があるからこそ価値があるわけです。彼らを下ろせばよかったんですけど、下ろしてしまえば大統領はそこには乗っていないということを敵に知らせてしまうので、乗ってることが重要なんですよね。
でも乗るっていうことは、それは打ち落とされる可能性が高いという風に判断されていた。大統領、それからトランプ政権が、その乗ってる100人近い人たちの命をどう思ってるかということが、すごく今議論されてるわけですね。
一人の人間をあまりに帝王化しているアメリカの政府に対して『No Kings』……『私たちには王様はいらない』っていう運動が国民の間であるんですけど、これはちょっと一つの象徴的な出来事じゃないかなと思います」

ロバート キャンベルさんはこのあとも、この問題について考えたことを切々と語っています。気になる方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。

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