石原裕次郎、尾藤イサオらの「格好いい」が詰まった? 「ボクシング」曲特集!

石原裕次郎、尾藤イサオらの「格好いい」が詰まった? 「ボクシング」曲特集!

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2月25日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「ボクシング」! 1964年のこの日、カシアス・クレイ(後のモハメド・アリ)がソニー・リストンを破って新チャンピオンになった、ということにちなむテーマでした。

鷲崎健「まず1曲目、皆さんも知っている曲だと思います。(鈴木純子アナを見て)あっ、ワクワクしている(笑)!」

♪「嵐を呼ぶ男」/石原裕次郎

鷲崎「はい、格好いい!」

鈴木純子「格好いいですねえ! 話しかけられている感じがドキドキしちゃう!」

鷲崎「そういう企画ものの、裕次郎さんと二人で話しているデートアルバムみたいなものがあるんです。映画の曲なんですが、1957年公開。戦後わずか12年。前年1956年に『もはや戦後ではない』宣言が出て戦後から立ち直って、新しい何か、スターや価値観、そういうものを模索している時代ですね。外国に助けられながらも、外国に勝つ強い日本でいたい。

この前ぐらいに力道山ブームがあって、このころには少しだけ人気下がっていたみたいですけど、次の年にルー・テーズ対力道山の試合があって、またプロレスブームが再燃、という時代です。

『嵐を呼ぶ男』1作で、赤字経営だった日活が再建を果たしたといわれるぐらいの大ヒットだったらしいですね。同じ年に『俺は待ってるぜ』の公開もあったので、裕次郎が完全に花開いた年です……最初からスターではありましたけど。

ドラマー同士のドラム対決のシーンがあって、対決に至るまでも格好いいんですけど、対決の直前に右手をケガしてしまったので、左手1本で叩きながら歌う、という新しい形で勝負に勝つ。なんで勝つのかわかんないですけど(笑)。

映画の中で新しい『格好いい』をつくりだした。1個1個、新しい『格好いい』をつくっていこうとした時代のヒット曲です。続いての曲、こちら聴いてください!」

「あしたのジョーRAP」尾藤イサオ

鷲崎「どうですか! 格好いい~!」

鈴木「尾藤さん、ラップも格好いいですね」

鷲崎「2021年リリース……以外の情報はよくわからないです(笑)。検索してもどうしてリリースに至ったのかはわからない。

『あしたのジョー』はおよそ55年も前の作品です。いまでもボクシングマンガは数あれど、聖典としての輝きというか。まだボクシングマンガを描くとき『あしたのジョー』という存在があって、どう距離を置くのか、どう解釈を加えるのか、となっているといいますか。

尾藤さんはご両親が寄席芸人だったんですって。幼くしてご両親を亡くされて、生活のために曲芸師の方に弟子入りして。歌手になる前、17歳までは曲芸をやられていたらしいです。そのあとロカビリーブームがありまして、その中心人物になって。最終的にビートルズの日本公演の前座まで務めた。それが1966年か。『あしたのジョー』(アニメ)が1970年なので、ここにキャリアチェンジがあった。1970年から俳優業も始めたようですから、尾藤さんの中でもいろんなことが変わった年だったんですね。

続いては有名な、サイモン&ガーファンクルの『ボクサー』という曲を日本語でやっているというものです」

♪「ボクサー」/TAN TAN

鷲崎「森野多恵子さんがTAN TAN名義で出されております。アルバム全体がサイモン&ガーファンクルのカバー曲ですね。とてもソフトロック感が高い楽曲です。森野多恵子さん、ザ・ホワイト・キックスという、寺尾聰さんがベーシストとして在籍していたバンドでボーカルを務めていらっしゃいました。ほかの名義もいくつかあります。

こちらが1974年の作品です。原曲は1969年だったかな。主人公が本当にボクサーであるという訳詞もあれば、ボクサーのようであるという訳詞も存在するんですけど、貧しい生まれの少年が都会でボロボロになって、でも故郷には帰れない。名声も栄光もなく、傷つきながら続けなければならない。リングを降りるときは、屈辱の中でもうこれ以上やれない、俺はもうやめるんだと言うしかない……こんな歌をよく書くな、というぐらい悲しい。

ライライライ……というのは『ウソ』って意味じゃないか、という説が一時期出て。でも本人は、そういう意味はないんだ、とインタビューで答えていました。アリスが『チャンピオン』という曲で最後、ライラライ、ライラライ……と。これ絶対、アンサーじゃないか、と言われていましたね。

解散したあともポール・サイモンとアート・ガーファンクルは一緒にやるんですけど、『サタデー・ナイト・ライブ』というアメリカの有名なコメディ番組にポール・サイモンが出たとき。いろんな人が『ヘイ、ポール。私のこと憶えている?』と聞く。『憶えているよ。3年前の何々スタジアムの……』『7年前のどこどこのライブで……』と答える、すごく記憶のいいポール・サイモンがいるんですけど、アート・ガーファンクルが向こうから『ヘイ、久しぶり!』とやってきたら『君、誰だっけ?』と(笑)。アメリカってすごいことするな、と思ったのを憶えています……余談でした!

続いてはちょっと珍しい……ちょっと珍しい曲しかかからないんですけど(笑)」

♪「想い出の浅草 (雪のアルプス・チャップリンの拳闘)」/西村小楽天、杉浦一郎

鷲崎「映画というものに音がついたのが1923年。リー・ド・フォレストという科学者がフィルムの左端の溝に音を記録する発明をして。日本には2年遅れて大正14年に公開されて、それまでは音のしない映画に映画館のほうで伴奏をつけて、説明者がスクリーン脇からしゃべっている。弁士というやつですね。

チャップリン映画に音楽がついている、というのも後からですね。チャップリンはしゃべらないけど音楽はついているじゃないか、というんですけど、あれも音楽はもともとなくて。ずいぶん後になってフィルムに音楽は乗せましたけど、基本的に映画館でつけるのが当たり前だった。

西洋映画は弁士1人だったけど、時代劇や新派は3人や5人の弁士がついたと、淀川長春さんが『映画のおしゃべり箱』という本に書いていました。尾上松之助の係の弁士がいるとか、オヤマ、悪役、みんなそれぞれに弁士がつく。新派(現代もの)も女の人役はオヤマの人が演じたらしいです。……という歴史的な音源でした。では最後、この曲を聴いてください!」

♪「ボクサー」/憂歌団

鷲崎「最後は大好きな憂歌団さんの曲ですね。1981年の久保講堂のライブバージョンでお届けしました。ということでいかがだったでしょうか。来週もお楽しみに!」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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