中島岳志「立憲主義と民主主義はぶつかり合い」
5月3日の憲法記念日には各地で憲法集会が行われた。
5月5日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京科学大学教授の中島岳志が立憲主義と民主主義について解説した。
中島「なぜ今、各地の憲法集会に人が集まるのかというと高市政権で『改憲の時がきた』 『ここから議論をスタートしていくんだ』そんな話になっているということで 憲法について関心が強まっているというのが現状なんだろうと思います。
そもそも憲法ってどういう性質を持ったものなのかっていうことから考えてみたいと 思います。私が重要だなと思ったのは2015年にあった安保法制の騒動。この時に集団的自衛権の一部を認めるという形で色んな法が整備されていったわけなんですけど、その時に出てきたのが立憲主義という問題です。
これまでの憲法解釈としては日本には集団的自衛権は憲法9条上、認められない。そういう憲法の解釈が積み重なっていたのですが、政府側がその解釈を変えてしまうということが起きました。その時に『それはおかしいじゃないか、立憲主義違反である。
憲法によって権力が縛られているのに、縛られている権力側が自分たちの縛りを勝手に変えてどうするんだ』という議論になったわけです。ここで立憲主義が注目されて、立憲主義を守れという形で2017年には立憲民主党という政党ができたりもしました。
しかし、よく考えておかないといけないのは、立憲主義という考え方と民主主義という考え方には齟齬・ぶつかり合いという問題があるんです。
立憲主義と民主主義は実は緊張関係にあるはずなんです。民主主義というのは最終的には投票で多数決によって色んな事が決定していくシステムですけど、例えば国会で『表現の自由は一定程度抑制してもいい』という議員さんが過半数を占めていて、そういう法案が提出され過半数で可決しようとする。そういう事態が生じた時にどうなるかというと、その法案は通らないんですよね。何で通らないかというと、憲法違反だからです。憲法で言論の自由は侵してはいけないと書いてありますので、いくら民主主義といっても私たちが選んだ議員さんの過半数が賛成しても、それを阻止してくるのが憲法なんです。民主主義と立憲主義はどっちが上なのか、ぶつかり合いがあるわけなんです」
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