アドバイザリーボードのメンバー、和田耕治教授『オミクロン株、3週間後には高齢者への感染が広がる可能性が!』

アドバイザリーボードのメンバー、和田耕治教授『オミクロン株、3週間後には高齢者への感染が広がる可能性が!』

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国内の新型コロナウイルス感染者は1月11日、新たに6378人確認された。
重症者は前日から10人増えて100人に。
重症者が100人に達するのは去年11月以来、約2ヶ月ぶりのことだ。
公衆衛生学の専門家はこの状況をどのようにみているのか?
このままのペースで感染拡大が続いた場合、
学校や職場にはどのような影響が出てくるのか?
国際医療福祉大学の和田耕治教授に話を伺った。

全国の新型コロナウイルスの陽性者が、去年12月最後の1週間から
今年1月の第1週で、10倍の32000人あまりまで増加したことについて
和田氏は、
「オミクロン株は感染が拡がりやすい。
海外の事例では、2日で倍になるような速度だと言われているが、
日本国内でも同じような速度で感染が広がってる状況だ」とした上で、

「先週開かれた厚生労働省アドバイザリーボードの会合で、
オミクロン株の割合が全国で46%に達したと報告があった。
オミクロン株の感染の早さからすると、
例えば大阪ではオミクロン株の割合が9割を超えるのが、
1月15日頃だろうという予測も報告された。
いまの感染者の多くはオミクロン株だと言えそうだが、
一部にはデルタ株の感染も残っている」と説明した。

続いて、昨日、全国の新型コロナの重症者が100人となったことについて
和田氏は
「いまの感染の主体は20代から40代の若い年代で、
この年代は重症化しにくいのだが、
今後感染者の数が増えれば、重症化しやすい高齢者に感染が拡がることになる。
海外の事例を見ても、だいたい3週間くらいで高齢者に感染が広がってくるようで、
既に高齢者施設でのクラスターが発生も確認されている。
このため各医療機関では重症者対応を進めているところだ」と説明した。

ここで斉藤キャスターが
「重症者が1週間ごとに徐々に増えていき100人となるのなら理解できる。
しかし先週の火曜日に54人だったのが、1週間で倍増して
100人に達してしまったことに衝撃を憶えてしまう」と述べたところ、

和田氏は
「オミクロン株は軽症で済むということが強調されすぎている気がする。
オミクロン株は重症化しづらいとは言え、
感染者が増えてくれば一定の割合で重症化はする。
重症者をこれ以上増やさないためにも、
感染対策をしっかりすることが重要になっている」と答えた。

「沖縄県ではオミクロン株の感染者の内、
9割以上が無症状か軽症だったことが明らかになっている。
その一方で全国ではこれだけ重症者が増えている。
この理由として考えられることは何か?」との問いには、

「これまでの変異株でも感染者の約3割の人が気づかないくらい症状が軽微だった。
しかしそれ以外の7割の人は何らかの症状、例えば鼻水が出る、ノドが痛い、
セキが出る、熱が出るといったことは見られ、一部は重症化している。
データは示されていないが、おそらく100人の重症者の中には
デルタ株感染も含まれているはずだ」と答えた。

続いて「沖縄県の自宅療養者は1月11日の時点で4543人、
前日に比べ900人以上増えている。
自宅療養者の症状が急激に変化した場合に備えて、
どういう対策を施せばいいのか?」と質問したところ、

和田氏は
「自宅療養者の数が多いため、これは喫緊の問題と言える。
地域の開業医や訪問看護の人だけでは手が回らないため、
患者自身やその家族が重症化の手前で気づくことが重要となる。
例えば発熱している場合は脱水症状にならないよう
水分を多めに摂るといったようなことに注意する。

また呼吸が苦しくなったなど普段と違う症状を訴えた時、
すぐに医師などに相談できるようにしておくことも重要だ。
特に夜間、週末は電話がつながりにくくなることも知っておくべきだ」と答えた。

また
「沖縄県では医療従事者が濃厚接触者認定を受け、
1月11日の時点で503人が欠勤となっている。
オミクロン株の感染速度を考えると、日本全体の問題だと思う」と述べたところ、

和田氏は
「医療従事者の欠勤が増えるとコロナだけでなく、
他の病気の対応や救急患者への処置が出来なくなり、医療の逼迫が起こる。
もちろん医療従事者だけでなく、社会インフラ従事者に同様のことが起きれば、
機能が停止し、社会的混乱が生じてしまう。
そういう最悪の場合を想定した対策、例えば警察や消防で1割の署員が欠勤しても
通常の業務が出来るよう、いまから準備しておくことが大事だ。

また出来るだけ感染のピークを緩やかにして、負担がかからないようにするための
方策なども今のうちから検討すべきだと思う」と警鐘を鳴らした。

続いて
「受験のシーズンを迎えるにあたり、
この状況は受験生にとってはすごく心配だ」と述べたところ

和田氏は
「海外の状況を見てみると、大人の感染が広まれば子どもたちにも
感染がしみ出してくることが分かっている。
対策としては、出来るだけ人との接触をなくし、
これまでの感染対策を引き続き行うことだ」と述べた。

最後に、水曜コメンテーターで脳科学者の茂木健一郎氏が
「人間には“正常性バイアス”と呼ばれる、
自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりするという
認知の特性があって、感染力の強いオミクロン株が出てきても
この正常性バイアスが働いて、過小評価しているような気がする。
特に新型コロナが流行して2年も経ち、コロナ疲れもそれに加担しているようだ。
ここは気を引き締め直して、オミクロン株と向き合うことが大事だ」と述べた。

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