オンライン中心のニューノーマル採用活動。結果を出すには?『長尾一洋 ラジオde経営塾』5月23日(月)放送

オンライン中心のニューノーマル採用活動。結果を出すには?『長尾一洋 ラジオde経営塾』5月23日(月)放送

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約8,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答。
今回は「ニューノーマルの採用活動」について。コロナ禍で採用活動にもオンライン化の波が押し寄せる中、応募数は増えたものの採用数が減ってしまったとお悩みの経営者の方からのご相談が寄せられました。

■『オンライン採用活動にはどんな工夫が必要か』
ご相談者はラジオネーム『カズさん』さん。
職業:会社経営者
業種:製造卸
会社規模:92人
ご相談:
『コロナ禍での行動制限により、採用活動をオンライン化して取り組んで参りました。応募数は多かったものの、なかなか会えない中でクロージングまで持っていくことが難しいと感じました。
実際、採用結果は従来の半数以下に。さらに入社1ヶ月足らずで1人が退職するという事態となっています。
画面越しの情報だけで採用を進めるには、自社の魅力をこれまで以上に伝え、これまでとは違う方法、コミュニケーション力で臨まないといけないと感じています。長尾さんは、このニューノーマルの採用活動についてどうお考えですか?(一部略)』

■魅力の伝わりにくさ、グリップの難しさ。

「92名というと、一般的な感覚では立派な会社なんですけれども、学生さんだとやはり”小さい企業”と扱いがちですから…」と話し出した長尾社長。

学生の注目を集めにくい中小企業の場合、やはり「こういう人の下で働きたい」「雰囲気が良くて働きやすそう」といった要素が大きな魅力となります。それらはやはりオンラインでは伝わりにくいもの。
クロージングまでたどり着きにくい、あるいは内定後のグリップ(約束、認識をそろえること)が難しい部分はあると長尾社長も考えます。

■オンライン化にはプラマイ両面あり!
とはいえ、カズさんの会社でも、オンライン面談等の応募数自体は増えているとのこと。
「オンラインの採用活動にはプラマイ両方ある気がしていますね」と長尾社長は話します。
例えば、従来の就職活動では移動の負荷が大きかった遠方の学生さんも、オンライン面談であれば応募しやすくなります。

MC八木アナも「私は香川の大学に行っていたので、説明会だけで大阪に行ったり、東京に行ったりと結構大変でしたね…」と自身のリアルな就職活動を振り返ります。

エントリーの時点の間口が広がるのはオンライン化のメリット。反面、ご相談のようにクロージングや、内定後のグリップが難しいというマイナス面も確かにあります。

■長尾社長の会社では実際にどうしている?
「ウチの例で言うと、最終面接は去年もリアルでやっていました」という長尾社長。

最終面接以外はリモート、最終面接のみリアルで面談を実施。それを事前に学生さん方に共有し、了承した方のみリアルに訪問してもらっていたそうです。

 

■リアルの面談でしかわからないこと
「画面では顔中心にしか見られないけれど、リアルなら所作や立ち居振る舞い、全体の雰囲気が見られます」。最終面接では必ず、代表自ら面談するという長尾社長。
応募者にとっても、リアルで会社を訪問することで、雰囲気を肌で感じられるというメリットがあります。
さらに関係が深まることによって内定辞退などが起こりにくくなり、実際のお互いの雰囲気を知ることで入社後のミスマッチを防ぐ効果もあります。

 

■ネガティブ情報もしっかり伝えて「見極める」

「うちも中小企業ですから。競合相手は上場企業や外資系。単純に規模で比べたら負けるわけで、そこで『あえて来る』という人だけを取る」
そう話す長尾社長が重要視するのは、内定前にしっかりと”見極め”をつけることです。

学生側は内定は多く欲しいもの。「とりあえず内定もらっとこう」と滑り止め感覚の場合も多々あるのは皆さんご承知のとおり。

これが新卒採用100人の会社であれば、1人辞退されても1%減。しかし全体で5人、10人と少人数の採用の場合、1人の辞退の影響は多大。選考中ならいざ知らず、内定後に辞退が出ると挽回ができなくなってしまうので、できる限り避けたい事態です。

長尾社長の会社の場合、そういったシビアな事情、ネガティブ情報などもしっかり伝えるとのこと。
「来る気がないなら来なくていい。迷うくらいなら、うちよりでっかくて知名度のあるところに行きなはれ…と。それでも『来る!』って言うなら、内定しましょう…としています。それでも辞退するやつはいるけどね(笑)」と話す長尾社長。

本当に入社したい人、ミスマッチの起こらない人材を見極めて、学生さんと認識をしっかりと揃えた上で内定を出すそうです。

 

■カズさんへの回答まとめ
・学生さんの注目はやはり大手中心。中小企業の場合、上司や経営者の人的魅力、働きやすそうな雰囲気などが求心力となるが、それはオンラインで伝えにくい部分でもある。

・遠方の学生も集まりやすいオンライン採用活動は、間口が広くプラス面もある。

・長尾社長の会社では行動制限のある時期でも、最終はリアル面接を実施。応募者の所作や立ち居振る舞いを確認できる。

・応募者も、リアル面談なら会社の雰囲気を確認できる。直接面識ができることでグリップも強まり、入社後のミスマッチも起こりにい。

・オンライン化でコミュニケーションを深めるのが難しくなるのは事実。時間も短くなりがちなので、回数を重ねお互いの情報をしっかり伝え合うこと。

・内定の辞退や、入社後の辞職はとても大きな損失となる。内定を出す前にネガティブ情報もしっかり伝え、本当に来る気があるかをしっかり見きわめる必要がある。

 

■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。
お仕事のお悩みや、経営戦略のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。

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