「脱炭素」で経済成長 岸田首相が原発の運転期間延長を検討指示へ

「脱炭素」で経済成長 岸田首相が原発の運転期間延長を検討指示へ

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岸田文雄首相はきょう、8月24日に開催される、脱炭素による経済成長を目指すグリーントランスフォーメーション(GX)の実行会議で、原子力発電所の運転期間の延長を検討するよう指示する方向で調整に入った。24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、水曜コメンテーターで経済アナリスト森永康平氏と寺島尚正アナウンサーが、このニュースについて意見を交わした。

森永氏「原発再稼働はエネルギーと国防の問題」

原発は最長60年の運転を終えると廃炉にすることが法令で定められているが、グリーントランスフォーメーション(GX)の実行会議では、安全審査にかかった時間を運転期間から除外して計算するなど、実質的に延ばす方策を探っていく。また、政府は冬に向けて稼働を9基まで増やす方針を示し、岸田首相はさらに別の原発の再稼働を目指すよう求める。

電力需給が逼迫している現実がある中での原発運転期間の延長について、森永氏は「原発に関して否定的な方も多いですが、(電力需給の逼迫によって)東京都内でも節電をしなければならないという現状を考えると、現実問題無視はできないと思います」と、コメント。

さらに、森永氏は「運転期間の延長はやるべきですが、新設や再稼働についても議論を進めていかないといけないと思います。原発の運転期間は原則として40年で、特例で60年に無理やり伸ばしているわけですが、特例で伸ばしていくことで、原発に反対している方々が言っている『安全性』について議論が出てくると思います。なので、今の技術での新設や再稼働を同時に考えていかないといけない。今動いているものをひたすら動かしていきましょうという議論や、エコな太陽光で(電力を)カバーしていきましょうという議論ばかりが行われていて、根本的なところの議論を避け続けているのではないかという印象を受けてしまいます」と指摘した。

そんな森永氏に対し、寺島アナも「40年以上経っている技術から比べると今の技術のほうが間違いなく進歩していますし、小規模の原発というものもアイデアとして出ていますからね」と、納得した様子。続けて、森永氏は原発再稼働についての議論の必要性に加え、エネルギーと国防の関係について、こう意見を述べた。

「海洋資源など他のエネルギー資源って国内でどうにかできないのかというところです。その可能性を議論していかなければいけないですし、海洋資源となると、中国の領空領海侵犯や北朝鮮のミサイル発射の問題が出てきます。つまり、海をどう捉えるかという点で、エネルギーの話に加えて国防の話になってきます。昨今では、結局は経済と安全保障の問題は一緒だよねということで、『経済安全保障』と言われているわけですから、エネルギーと防衛費に対する予算の付け方の議論を進めていかないといけないのです。ただ、個人的には、じゃあ財源だねと言って増税の方向にだけはいかないでほしいなと思います」(森永氏)

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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