「これはどういう意味?」文章が難しすぎて大竹・室井の意識がヤバい!専門家が資本主義を解説

「これはどういう意味?」文章が難しすぎて大竹・室井の意識がヤバい!専門家が資本主義を解説

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「今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義」を著した思想家・政治学者の白井聡さんが3月10日の大竹まことゴールデンラジオに出演。冒頭に書かれた気になる1文について、じっくり解説していただいた。

大竹「この本は私たちの間でかなり話題になっておりました。今から150年前、マルクスという人がいて資本主義というものを唱えていた。その思想が今でもたびたび顔を出している。本の冒頭には「現実的なものは理性的であり、理性的なものは現実的である」というふうにお書きになっていらっしゃいます。…どういうこと?」

白井「これはヘーゲルっていう19世紀に活躍したドイツの哲学者の言葉です。ヘーゲルは近代の思想哲学の中では多分最重要人物の一人と言われていて、そもそもマルクスは若い頃、勉強を始めた時にヘーゲルからすごく強い影響を受けたんですね。というか当時のドイツの若い知識人はみんなそうだったと。それほどヘーゲルは大哲学者だったということです。「現実的なものは理性的であり、理性的なものは現実的である」っていうのは…」

大竹「室井、意識はちゃんと持ってるか?」

室井「大丈夫、大丈夫。」(笑)

白井「でもね、そんな難しい話じゃないですよ、実は。要するにヘーゲルという人は強い確信を持ってたんですよ。どういう確信かっていうと、人間の世界っていうのは、いろんな馬鹿げたこととかいろんな悲惨なこととかあるじゃないですか。だけれども人類全体として見れば、自由と理性の実現に向かって一歩一歩進んでるんだよっていうそういう確信を持ってたんですよね。」

室井「そういう理想に向かって一歩一歩進んでるってことは、ヘーゲルさんがいたら私のことは嫌いだったかな?」(笑)

大竹「いや、この「理性的」の意味が僕らにはちょっと理解できないというかね。」

白井「分かりやすく説明すると、ヘーゲルが若い頃にフランス革命が起きてるんですね。ヘーゲルはドイツ人ですから、国境の向こうで起きた出来事を間接的に経験してるわけですけれども、それにものすごく熱狂してるんです。要するに本当の意味で人間が解放されていく第一歩を刻みつつあるんだっていうね。それで若い頃にすごく強い確信を持って一生揺らがないんですよ。つまり「理性的なもの」のは必ず実現されるんだっていう信念があるんですね。」

大竹「現場で起こってたことは熱狂的なわけじゃないですか。俯瞰で見ればその行動が理性に基づいてのことなのかなって想像するけど、現場の熱狂的なものに対しての批判はなくて、外側から見て「理性的」な判断ってことになるんですか?」

白井「後にヘーゲルはフランス革命とは何だったのか、自分の哲学の中で展開していくんですけれど、その中ではフランス革命に伴って起きたテロルとか恐怖政治だとかに対しては当然、批判的な考察を加えてるんです。室井さんが「ヘーゲルが私のことをきっと嫌いなんじゃないか」理性的じゃないからみたいなことを、つぶやいておられましたけど、ヘーゲル哲学のある意味すさまじいところは、否定的なものを認めるんですよ。つまり理性や自由を人類は実現する運命にあるんだけれども、それはストレートにいくもんじゃないんですよと、常に反動であるとか失敗であるとかが必ず起きちゃうんだと。でもそれを乗り越えて発展していくんだって言う考え方ですね。」

室井「失敗とか回り道とかしても人というのは最終的に正しい道にじわじわ進んでいくから、モウマンタイ!何があっても大丈夫さ、みたいな?」

白井「そう、理性と自由は完成するんだっていう考え方を持ってるんですね。

大竹「ほんのちょっとだけ分かった。これが最初なんだよね。ここでつっかかったわけだよね、僕たちは。」

このあと、資本主義は人間を幸せにするのかさらに深掘りします。気になる人はradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。

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