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(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2024年5月31日
5月26日 第620回放送
寺の住職を「十職」と書いた時期があったという松本市の「神宮寺」前住職の高橋卓志
さん。僧侶の仕事は葬儀や法要だけでなく「生老病死」人間の四苦に寄り添うのが十職
の由来。医療、福祉、教育から芸能まで地域の拠り所となる寺の在り方を説く高橋さん
に触発され「現代人の心に沁みる法話」を発信する「須磨寺」副住職の小池陽人さん。
神戸市にある「須磨寺」は源平ゆかりのお寺として全国的にも知られている名刹です。
小池さんは毎月執り行われる「縁日での法話」をユーチューブでも視聴できるようにし
『小池陽人の随想録』と題し450回以上配信、登録者6万6千人が視聴しています。
東京八王子の多摩ニュータウンの一般家庭で生まれ育ちギターとサッカーに夢中な少年
は「奈良県立大学」に進学。国内の様々な地域の課題に向き合いながら、解決するため
の手法を学ぶ「地域創造学部」で限界集落や孤独死などの社会問題の知見を広めます。
小池さんの母親が「須磨寺」の先代管長の長女で、現管長が叔父という浅からぬ縁から
「須磨寺」の後継者として嘱望され、11社からの内定をすべて断って仏門に入ること
を決意。前後して母親から送られてきたのが上田紀行著『がんばれ仏教!』で、冒頭に
ユニークな僧侶活動を続ける「神宮寺」の高橋さんが紹介されていた。地域や人との繋
がりを重視する活動に「お坊さんってこんなに可能性のある仕事なのか」と驚くと共に
自らが大学で学んできたことがお寺に入ってからも出来る可能性を感じた瞬間でした。
「須磨寺」は真言宗ですが、天台宗の僧侶と共に宗派を超えて『須磨夜音』を開催し、
45歳以下の宗派を超えた僧侶が法話を披露する『H1法話グランプリ』を企画したり
コロナ下には『自宅での写経』を呼掛け3万巻も集める等、活躍が注目される若僧侶。
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2024年5月24日
5月19日 第619回放送
脳卒中死亡率の高かった長野県を保健補導員などの協力を得ながら「健康づくり運動」
を実践して健康長寿県に変えた鎌田さん。7年前から佐賀県で「健康長寿塾」を実践し
女性は長野県、大分県と共に日本一になりました。その経験から「ボクの話は先ず女性
に受け入れられ健康になる傾向がある」と気づき、女性が健康になれば家族も健康にな
るとの思いから記した「女性の心と体に注目したエッセイと健康法の本」の紹介です。
「更年期をどう乗り越えるか?」さらに「更年期以降を幸せに歩んでいくためにはどう
すればよいか?」など多くのミドル世代以降の女性に興味深く響くテーマを取り上げた
鎌田さん初の女性に向けた(婦人之友社)の『笑って健康と幸せをつかむ24の方法』
第1章・心の持ち方で幸せに、第2章・体に注目して幸せに、第3章・更年期からを幸
せに、第4章・ちょっと不調でも幸せに...と「幸せ」で結び、心と体と更年期に加えて
ちょっとした不調など様々な面から「女性の生き方」を応援する内容。たとえば第1章
「下り坂は新しい人生の始まり」の項では、ミドルエイジに不調を訴える人が沢山いる
が、ここで「生活習慣を少し変えて行動を起こすこと」が健康な人生へとシフトしてい
けると説き、足腰を鍛えて胸を開く運動=ランジを推奨。また「イライラ、怒りをコン
トロール」では「怒りが逃げる呪文」としてパタカラパタカラパタカラを6秒間唱える
ことで強い怒りのピークの6秒をやり過ごして、口と喉の筋肉を鍛えることもできる。
「つらい頭痛をコントロール」筋緊張性頭痛の方にお勧めは、中国武術スワイショウで
背筋を伸ばして立ち、でんでん太鼓のように腕を左右に回しブラブラすること20回。
他に幸せホルモンのセロトニン、エンドルフィン、ドーパミン、オキシトシン等紹介。
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2024年5月17日
5月12日 第618回放送
農家の7割が65歳以上という農林水産省の調査結果があります。高齢化、耕作放棄地
の増加などの問題を踏まえ、新規就農者の育成支援と農業をしやすい環境づくりに取り
組む自治体が増えています。有機農業が盛んな丹波市に2019年開校した全国で初の
公設民営の全日制農業学校『農(みのり)の学校』運営事務局の木下智代さんが登場。
兵庫県下最大の農地面積を誇り、米・大納言小豆・丹波黒枝豆・丹波栗などの特産品も
多く農業が盛んな丹波市が取り組む就農者支援が『農の学校』で株式会社マイファーム
が管理業者の指定を受けて運営する全国で初の有機農業を学ぶ公設民営農業学校です。
木下さんの前職は農業とは関係ない物品の輸出入に必要な手続きや書類作成を代行する
「通関士」でしたが、料理好きの食道楽が嵩じて、ドレッシングやふりかけを手作り。
味噌を作り、パンを焼くようになると原料の大豆や小麦への関心が高まり「もっと農業
を知りたい」との想いから人と自然の距離を近づける活動をしている『マイファーム』
に転職。開校に合わせて丹波市に移住し、パートナーとも巡り合って、愛児を授かる。
育休中は近くの畑を借りて家庭菜園を楽しみ、ベテラン農家の知恵を借りながら季節毎
の梅干しや干し柿を作り、念願の「農業と自らの距離を近づける生活」に納得の日々。
ちなみに『農の学校』の第6期生は全国各地から集まった10代~60代まで17名。
第5期生までの卒業生の半分が丹波市内で就農し、専業でなくても卒業生全員がそれぞ
れの形で農業に関わっています。専任講師のもと、受講時間の7割を農場実習が占める
実践重視の内容で初心者でも農家の四季の営みを体験的に学べます。運営する『マイフ
ァーム』が目指すのは「自産自消」自分たちで作り自分たちで食べることが理想です。
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2024年5月10日
5月5日 第617回放送
人生の中で3回絵本に触れる機会があるといわれます。子ども時代、親になったとき、
そして中高年になったとき。0歳から100歳まで楽しめるのが絵本です。また、人生
百年時代のいま「長すぎる余生」とどのように向きあい暮らしていけばいいのか先人の
生き方を描いた本を紹介する不定期好評シリーズ『ボクたちおススメの本特集』です。
「こどもの日」に因み絵本◆『こどもべやのよる』文と絵:出久根育(岩波子供の本)
子ども部屋に夜がきます。いつの間にか寝入ってしまったイッチャンは、夢をみます。
天使のお人形と空を飛ぶ『てんしちゃん』や4姉妹が海にでる「大人は立ち入り禁止』
子どもの想像力をたくましくする、どきどきたのしいイッチャンの夜のおはなし3話。
◆板画家・棟方志功のチヤ夫人の目線で綴られた『板上に咲く』原田マハ著(幻冬舎)
1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。教えを乞う先生
もおらず、画材を買う金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は
展覧会に出品するも落選し続ける日々。貧乏のどん底でチヤ夫人はひたすら墨を磨りな
がら、夫を支える。そんな彼が辿り着いたのが木版画。やがて世界のムナカタになる。
◆小林一茶はなぜ辞世の句を詠まなかったのか『楽しい孤独』大谷弘至著(中公新書)
3歳で生母と死別。15歳で奉公に出た後は根なし草の様な生活を送った一茶。52歳
にしてようやく妻子と暮らすが、それもつかの間、妻と死別し娘は2歳で夭折、加えて
2度の脳梗塞。孤独な中で一茶は2万句に及ぶ俳句のほとんどをユーモアで表現した。
他◆音楽とスパイ小説が融合した『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒著(集英社)と
◆Z世代を描いた『令和元年の人生ゲーム』麻布競馬場著(文芸春秋)を紹介します。
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2024年5月 3日
4月28日 第616回放送
「ソ・ソ・ソクラテスかプラトンか ニ・ニ・ニーチェかサルトルか」およそ半世紀前
に野坂昭如さんが歌ったCMソングです。ソクラテスからニーチェまで多くの哲学者は
あらゆる「存在」に対して「なぜそこにあるのか?」を考えました。一見難解な哲学も
「疑うこと!哲学とは自分の頭で考えることによって、思い込みや常識を乗り越えるた
めの方法で、決して難解なものでもありません」という哲学者小川仁志さんがゲスト。
日頃から疑問に思うことなど身近なテーマに関して話しあう場が「哲学カフェ」です。
結論を導くことが目的ではなく対話の中で共に考えるプロセスを楽しみます。小川さん
は「哲学カフェ」を千回以上主宰し、ユーチューブの『小川仁志の哲学チャンネル』で
主に『生きる意味について』分かり易く語っている山口大学国際総合科学部教授です。
「世のため人のため」を考え京都大学法学部を卒業後、総合商社に職を得ます。働きな
がら「幸せか?」自問自答すると心身共に行き詰まり、辞して引きこもり生活を5年。
その中で一冊の哲学入門書と出会い「当たり前や常識をホントか?と疑うことが哲学」
と知り哲学の道に傾倒。名古屋市役所に6年間勤務しながら、更に哲学を探求します。
その後、徳山工業高等専門学校の准教授を経て、山口大学にて哲学を指導しています。
村上さんが『ことば磨き塾』でテキストにしている小川さんの著書【日本人がよく使う
何気ない言葉には『美しい生き方のヒント』が隠されている。】では、美しく生きるた
めの日本人の思想や教養を30の言葉と共に紹介。例えば、間(あわい)は物と物の間
人と人の間。日本人はあえて境界を曖昧にして対立を避けるように思考している。また
「粋に振る舞う」には、日本人が培った所作や知恵が何気ない言葉に隠されています。
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